二世帯住宅はデメリットだらけ?間取りの対策・トラブルを避ける方法を解説
経済的なメリットが大きいことから、マイホームの選択肢として「二世帯住宅」を考える方も多いでしょう。そんな時にかならず耳にするのは、「二世帯住宅にはデメリットが多い」「やめておいた方がいい」といった声。
世間でよく言われているように、二世帯住宅は本当にデメリットばかりなのでしょうか?
そこで今回は、二世帯住宅がマイナスなイメージを持たれがちな理由やデメリット・メリットを中心に、間取りの考え方やトラブルを防ぐための方法も解説します。
二世帯住宅で迷われている方は、家づくりの参考にお役立てください。
<コラムのポイント>
・「二世帯住宅はデメリットだらけ」と言われる理由やデメリットを事前に知っておき、家づくりのヒントにしてみましょう。
・二世帯住宅の間取りパターンや円満に暮らすためのコツを学んで、ストレスフリーで心地よい暮らしを目指しましょう。
「二世帯住宅がデメリットだらけ」と言われる理由
「二世帯住宅」と聞いてまず思い浮かぶのは、主に「人間関係が上手くいかずにストレスになる」といったイメージではないでしょうか。
自分の実の親と暮らすのであればともかく、いわゆる「マスオさん状態」と言われるように、夫が妻の両親と暮らしたり、その逆で妻が夫の両親と暮らすという場合は、他人同士が一緒に暮らすという形になります。
そうなると、「相手の両親に気を遣いながら過ごすことになるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。ここからは、実際にどのような点がデメリットと言われているのかを、詳しく解説していきます。
二世帯住宅のデメリット
よくあるトラブルや後悔の声をもとに、二世帯住宅のデメリットを順番に解説していきます。
・常に干渉されてイライラ
「親世帯から干渉されすぎて、イライラしてしまう」というお悩みを聞くことも。
親子離れて暮らしていれば気にならないものの、同じ屋根の下で暮らしているからこそ、生活習慣や子育てに関して口を出したくなってしまうこともあるでしょう。親子と言えども、適度な距離をもって暮らすことが大切です。
・プライバシーがなくなる
親子世帯の共有スペースが多ければ多いほど、家族だけの時間や生活空間が確保できずに、息苦しさを感じてしまうことがあるでしょう。
どんなに仲の良い家族であっても、常に同じ生活空間にいると気疲れや閉塞感を感じてしまうのは当たり前のことです。きちんとお互いのプライベート空間を作ることも大切なポイントです。
・光熱費や相続などのトラブル
戸建てに二世帯が暮らすことになるため、一般的には光熱費や水道代を折半して支払うことが多いでしょう。
そこでトラブルになるのが、費用負担の割合。お互いが納得できるように、お金周りのことは曖昧にせず、住み始める前にルールをきちんと決めておくことが大切です。
また、相続はどうするのかなどの将来的なことまでも、前もって決めておくようにしましょう。
・生活リズムが合わない
親子世帯間で、生活リズムが合わないことが原因で起こるトラブルもあります。
たとえば、親世帯が寝てから夜遅くに夫が帰宅するため、玄関のドアやお風呂に入る物音などがうるさくて眠れない、といったことなどがあります。お互いのライフスタイルの違いは、一緒に住み始めてから初めて分かることも多いでしょう。
・間取りやスペースが制限される
戸建てに二世帯分の生活空間が必要となるため、通常の戸建てよりも広い敷地面積がないと、間取りや生活スペースが制限されてしまいます。
「こんな窮屈な家で過ごすのなら、戸建てで各世帯建てた方がよかった」など、あとから後悔しても遅いため、土地の面積に対してどれくらいの間取りが取れるのか、理想のスペースは確保できるのかなどは、事前に確認しておきましょう。
3つのタイプから考える間取り対策
二世帯住宅の間取りは、大きく3つのタイプから選ぶことになります。各タイプのメリット・デメリットを見てみましょう。
・完全分離型
完全分離型は、各世帯にリビングや寝室、玄関、水回り(トイレ・浴室等)が設けられていて、共有スペースは一切ないタイプです。
生活上で顔を合わせることがほとんどないため、家族の側にいながらも、完全にプライベートな空間を保ちながら暮らせるのがメリットです。一方、一つの建物に二世帯分の設備を揃えることになるため、かなり広い土地に建てる必要があります。また、家が大きく間取り数も多くなることから、建築費用も高くなる傾向に。
・完全同居型
完全同居型は、リビング、玄関、水回りなど、すべてを二世帯で共有するタイプの二世帯住宅です。
メリットは、床面積に余裕がなくても二世帯住宅にできること、建築コストが抑えられること、そして親子世帯でお互いに協力して生活しやすいことです。反対に、寝室以外のスペースはすべて共有することになるため、気を遣う場面も増えてストレスに感じてしまう人もいるでしょう。
・一部共用型
一部共用型は、完全分離型と完全同居型の間をとった形で、希望する場所のみ親子世帯で共用するタイプです。
水回りは各世帯に設置してそれ以外は共用にするなど、各世帯の好みやライフスタイルに合わせて共用部分を決めることができます。「完全分離型にできるほど土地の広さや経済的余裕はないけれど、プライベートな空間は確保したい」といった場合などにオススメのタイプです。
できるだけトラブルを避けるには?
親子二世帯が暮らす場合に、できるだけトラブルを避けて、楽しく暮らしていくための3つのポイントをまとめました。
・お金周りのことは事前に話し合いを
お金周りのことは、きちんと事前に話し合っていないと、後々大きなトラブルの元になってしまう可能性も。
そのため、家族同士だからと曖昧にしておくのではなく、きちんとルールを決めておくことが大切です。親子世帯だけでは話し合いにくい場合は、第三者に入ってもらうのも良いでしょう。
・共有場所でのルールを決めておく
もっともよく聞くのが、共有場所でのトラブル。特に、水回りの使い方やそうじの頻度などに不満を持つ人が多くいます。共有場所の使い方や、誰がどの程度の頻度でそうじをするのかなども事前にルールを決めておくのが良いでしょう。
また、間取りを考える段階で、お互いのライフスタイルに合わせて共有場所を決めるのが大切なポイント。たとえば、お風呂に入る時間がかぶる場合や、食事の時間が合わない場合は、キッチンと浴室は各世帯に設けるのが良いでしょう。
・住宅・お金のプロに相談する
家づくりを始める段階から、間取りのこと、お金周りのことに関して、二世帯間で話し合いながら進めていくことになります。そんな中で、お互いの理想とする住まいにズレがあったり、どうしても折り合いがつかない部分も出てくるでしょう。
そんな時は、ハウスメーカーやファイナンシャルプランナーなどの「住宅やお金のプロ」に相談してみるのがオススメです。自分たちだけでは解決できないことについてアドバイスをもらったり、第三者からの客観的な意見を聞くことができるでしょう。
二世帯住宅のメリット
二世帯住宅は、本当にデメリットだらけなのでしょうか?いいえ、そんなことはありません。
最後に、二世帯住宅にしかないメリットについてご紹介します。
・経済的負担が少なくなる
マイホームは、人生の中でもっとも大きな買い物とも言えるでしょう。何十年もかけてローンの返済をするのが一般的であり、「家は持ちたいけれど、できるだけコストを減らしたい」と考える人も多いでしょう。
そんな中、コストを大幅に抑えることができるのが、二世帯住宅を建てる最大のメリット。各世帯で戸建てを建てるよりも建築費用が安くなるだけではなく、その後のランニングコスト(固定資産税や光熱費など)も抑えることができます。
・育児・介護などお互いにサポートできる
共働きが当たり前になったり、人生100年時代と言われるこの世の中。親に育児を手伝ってもらったり、逆に親が子どもに介護のサポートをしてもらうことの必要性も高まってきています。
親子世帯が一緒に暮らす二世帯住宅なら、常にお互いがサポートし合いながら生活していくことができます。日中は親に子の面倒を見てもらうことができたり、親の介護が必要になった場合も、親の家へ通う必要なく常にそばにいることができますよね。
・家族の側にいられる
常に家族の側にいられる安心感と、家族と過ごす時間が増えることも、二世帯住宅ならではのメリットです。
子世帯が東京にいて、親が地方に住んでいる場合などは、年に数回しか会えないという家族もいるでしょう。お互いの変化に気がつきにくかったり、何かあってもすぐに駆けつけられないなどの不安を感じることなく、常に側にいられる安心感は何物にも変え難いでしょう。
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こちらのコラムでは、二世帯住宅のデメリット・メリット、間取りのタイプやトラブル回避のコツなどをまとめてご紹介しました。二世帯住宅はネガティブなイメージを持たれがちですが、経済面での負担が減ることはもちろん、現代にぴったりの生活スタイルが実現できたり、忙しい日々の中でも家族との時間が持てるといったメリットがあります。
どのような住まいであっても必ず良い点と悪い点の両面があるため、デメリットだけに目を向けるだけではなく、それをどのように解決するかというアイディアを知っておくことが、後悔のない家づくりのポイントです。
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