廊下のない間取りって暮らしやすい?デメリットや採用する際の注意点を紹介
廊下のないワンルームのようなマイホーム。
各空間が近くなるため使い勝手が良く、無駄のない間取りが作れそうですよね。
しかし、実際の生活を考えると、意外と「廊下があった方がいい!」と感じる瞬間があるかもしれません。
今回は廊下のない間取りの魅力をお伝えし、デメリットや注意点も解説します。
自分の暮らしには「廊下のない間取り」が合っているのか考えてみましょう。
<コラムのポイント>
- ・廊下のない間取りにはたくさんの魅力があります。
- ・デメリットや注意点を理解して廊下のない間取りを採用すべきか考えることが大切です。
- ・廊下を作る場合は他の空間と共有することで無駄な面積を減らすことができるでしょう。
廊下のない間取りとは?
廊下のない間取りとは、その名の通り「廊下がなく空間同士が直接つながっている」ような間取りのことです。
コンパクトな家を建てたい場合、削れる空間を考える必要があります。
トイレやお風呂はなくすことはできませんし、LDKは広いままで間取りを考えたい‥。
そのようなときに廊下をなくすことで、無駄のない間取りを作ることができます。
本当に「廊下=無駄」な空間なのか
廊下はなくても生活していけますが、決して「無駄」な空間ではありません。
効果的に廊下を採用することで、音やプライバシーに配慮した間取りを作ることができるからです。
また、空間同士をつなぐときに、どうしても廊下がないと成立しない間取りもあります。
適切な場所に最低限の廊下を採用しつつ、無駄のない間取りを考えることが大切です。
「廊下のない間取り」の魅力
廊下のない間取りの魅力を考えていきましょう。
・コンパクトな家を作れる
廊下の面積をなくすことで、建物全体の面積を減らすことができます。
コンパクトな家を建てることができれば、庭・駐車スペースを広くすることもできますし、狭小地での建築も可能です。
また、建物面積が減ればコスト削減にもつながるため、費用面でも大きなメリットをもたらします。
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・他の空間を広くすることができる
廊下をなくすことで、他の空間を広くすることができます。
上の画像はリビングとと玄関、ダイニングと洗面所の間に廊下がない間取りの事例です。
空間同士を直接つなげることで、広々としたLDKを作ることができました。
廊下をなくすと扉や壁が減らせるため、視覚的にも空間を広く見せることができる点もメリットです。
・効率の良い動線を作ることができる
廊下のない間取りを採用することで動線が良くなります。
例えば、上の画像は「玄関・シューズインクローゼット・洗面所」を直接つないだ間取りの実例です。
帰宅後の動線が良くなったため、靴やコートを脱ぎ、カバンを収納して手洗いまでがスムーズに行うことができます。
朝の準備から出かけるまでの動きにも無駄がありません。
その他にも、次のような空間を直接つないだ間取りが人気です。
- ・キッチン→洗面所を直接つないだ「家事動線」
- ・脱衣所→ランドリールーム→ファミリークローゼットをつないだ「洗濯動線」
- ・脱衣所→クローゼット→寝室をつないだ「おやすみ動線」
自分の暮らしに合った間取りを採用するために、廊下をなくして効率の良い動線を作りましょう。
・コミュニケーションが取りやすくなる
廊下のない間取りは各空間ごとのつながりが強くなるため、コミュニケーションが取りやすくなります。
LDKを中心として各部屋へ直接つながる間取りを作れば、子供の帰宅時の様子などが分かりやすいです。
また、キッチンで料理をしながら、子供の朝の準備や勉強している姿をチェックすることもできます。
各部屋にいる家族への声掛けもしやすいため、お互いが家族の存在を感じながら生活することができるでしょう。
・家全体の温度差がつきにくくなる
廊下のないワンルームのような間取りの場合、冷暖房した空気をシャットダウンする空間がありません。
そのため、各空間の温度差が少ない家を作りやすくなります。
ワンフロアで暮らすことができる平屋では、特に快適さを感じやすいです。
例えば、LDKと洗面所やワークスペースを廊下なしでつなげることで、快適な温度を保つことができます。
温度差の少ない家はヒートショックなどの危険性も下げることができるため、健康面に大きなメリットをもたらすでしょう。
・全ての空間に採光・採風が確保しやすい
廊下のない家は、採光・採風の確保がしやすくなります。
なぜなら、廊下があると壁などの仕切りが多くなってしまい、光や風を遮ってしまうケースがあるからです。
廊下が無ければ空間同士が直接つながるため、隣の空間へも日差しが届いて家全体が明るくなります。
また、各部屋のドアと窓を開けておくことで、風の流れを作ることもできるでしょう。
日当たりや風通しの良い家にしたいなら、廊下で仕切らない間取りを検討してみてくださいね。
廊下のない間取りのデメリット
廊下のない間取りのデメリットを紹介します。
・音が伝わりやすい
廊下がないと各空間がダイレクトにつながるため、音が伝わりやすくなります。
子供が遊んでいる音がリビングまで響いたり、トイレの音が気になるケースも少なくありません。
廊下があれば空間同士の距離を確保できるため、音の軽減を期待できるでしょう。
・ニオイや目線が気になる
廊下のない間取りはニオイや目線が気になることがあります。
食事のニオイがクローゼットまで広がったり、靴のニオイがLDKに届くと不快ですよね。
また、玄関からパントリーが丸見えになったり、リビングから2階のホールに干した洗濯物が見えてしまうことも。
リビングと脱衣所を直結させると、来客時にお風呂に入りにくいなどのデメリットもあります。
廊下や扉をなくして空間同士をつなげるときは、ニオイや目線に配慮して間取りを考えることが大切です。
・プライバシーが確保しにくくなる
廊下のない間取りはプライバシーの確保がしにくくなります。
なぜなら、物音や話し声が他の空間に伝わりやすいため、部屋の中の様子がわかってしまうからです。
子供の友達が遊びに来ているとリビングでくつろぎにくくなったり、テレワーク中に集中できないというケースもあるかもしれません。
プライバシーを確保したいスペースは、あえて廊下を作ることも検討してもいいでしょう。
・動線が悪くなることがある
廊下のない間取りを作ろうとする場合、間取りが制限されることもあります。
例えば、こちらの事例はキッチンのカップボードを中心に回遊動線を作った間取りです。
カップボード裏にあえて廊下を作り、リビングから水回りまで直接行ける動線を作りました。
リビングに来客がいるときも廊下を通って各居室まで行けるため、プライバシーが保たれやすいです。
このように廊下を作ることで、生活の質を高める動線を作ることもできます。
「廊下=無駄」という概念は無くし、必要な場所には廊下を取り入れて暮らしやすい間取りにしましょう。
・冷暖房効率が悪くなることも
廊下のない間取りは温度差を減らせる点がメリットとお伝えしました。
しかし、間取りによっては冷暖房効率が悪くなることがあるため注意が必要です。
例えば、パントリーやクローゼットなどが扉無しでつながっていると、冷暖房する空間が広くなるため光熱費の上昇につながります。
また、玄関とLDKが直結している間取りは、外気が室内に入りやすく冷暖房効率が低下するでしょう。
全館空調のような家全体を冷暖房するシステムがある場合は、廊下のない間取りの冷暖房効率は高まります。
しかし、部屋に個別エアコンをつける場合は、冷暖房効率を上げるために各空間を扉で仕切るような間取りがおすすめです。
廊下のない間取りで後悔しないための注意点やポイント
廊下のない間取りを作る際の注意点やポイントを紹介します。
①断熱性・気密性の良い家を建てて冷暖房効率を上げる
廊下のない間取りは、冷暖房効率が下がりやすいというデメリットをお伝えしました。
このデメリットを対策するためには、断熱性・気密性の高い家を建てることが必須条件です。
高気密・高断熱の家なら、広い空間を冷暖房しても光熱費がかかりにくいです。
また、熱が逃げにくいため各空間の温度差を少なくしやすいでしょう。
断熱材やサッシのグレードなどを考慮し、断熱性・気密性の高い家を検討してください。
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②目線が気になる空間は壁で目隠しを作る
視線が気になる空間は壁で囲んで目隠しすることをおすすめします。
廊下がなくても壁を作ることで、目線を遮ることは可能です。
上の画像のように、格子状の壁や上部に空間を作った壁を採用すれば、採光・採風を確保することができます。
視覚的な圧迫感も軽減できるでしょう。
また、テレビを掛けるための壁を目隠しとして利用する方法もおすすめです。
テレビに視線が集まりやすいため、その先の空間への意識が弱まります。
白い壁にすることで圧迫感を感じにくく、開放的な空間を作ることが可能です。
壁を有効的に活用し、空間を仕切ってプライバシーを守る対策を行いましょう。
③音が気になるだけなら簡易的な防音室も効果的
楽器を演奏する部屋や子供部屋の音が気になるなら、簡易的な防音対策を行うこともおすすめです。
壁内に断熱材を入れたり、パッキン付きの簡易的な防音ドアを採用したりするだけでも、隣の空間への音の伝わり方は大きく変わります。
特に平屋の場合は、各部屋の距離が近くなりやすいため、音に関する対策を検討してみてもいいかもしれません。
【間取りのアイデア】廊下を作るなら他の空間と共有にする
廊下を無駄な空間にしないためには、他の空間と共有のスペースにすることをおすすめします。
具体的な間取りのアイデアをチェックしてみましょう。
アイデア① 廊下×リビング階段
リビング階段を採用することで、廊下とリビングを共有のスペースにすることができます。
階段へ行くための廊下を作らなくていいため、リビングを広くできるのはもちろん、視覚的な圧迫感も感じにくいです。
上の事例のように、階段下のスペースを活用しやすいスケルトン階段を採用することで、より無駄な空間を減らすことができるでしょう。
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アイデア② 廊下×洗面台
廊下に洗面台をつけることで、廊下兼洗面所を作ることができます。
洗面所が個室になっていないため、さまざまな空間からアクセスしやすい点が特徴です。
玄関や脱衣所付近の廊下に洗面台を配置すると便利でしょう。
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アイデア③ 廊下×ワークスペース
廊下を少し広げてワークスペースとして活用する方法もおすすめです。
家族が頻繁に行き来する廊下でなければ、集中して仕事や勉強に取り組むことができるでしょう。
イスに座って作業しているときでも、人が後ろを通れるくらいの通路幅を確保すると動線の邪魔になりません。
まとめ
廊下をなくすことで、コンパクトな家を建てたり動線を短くしたりすることが可能です。
LDKなどの居室を広げることもできるため、廊下は極力少なくすることをおすすめします。
ただし、すべての廊下が無駄というわけではありません。
廊下があることで、音やニオイの対策ができたり目隠しになったりします。
また、暮らしやすい間取りや動線を作るために廊下が必要なときもあるでしょう。
適切な場所に廊下を作ったり、他の空間と廊下を共有したりして、無駄のない間取りを作ってくださいね。
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