東道路を活かす間取りの作り方|実例を元に間取りのアイディアを紹介
建物は道路が接している方角によって、間取りや敷地の使い方が大きく異なります。
一般的には、南道路の土地が日当たりが良く暮らしやすいと認識されていますが、東道路の土地もさまざまなメリットがあります。
また、意外とデメリットが少ない点が東道路の土地の魅力です。
今回は、東道路の土地に対する間取りづくりのポイントを紹介し、土地を活かした間取りの実例を解説します。
東道路の良さを最大限に活かして、暮らしやすいマイホームを建てましょう。
<コラムのポイント>
・東道路の土地は多くのメリットがあり、デメリットが少ないという特徴があります。
・間取りづくりのポイントや実例を参考にしながら東道路の土地を有効的に活用しましょう。
目次
東道路の土地に家を建てるメリット
東道路の土地に家を建てるメリットを紹介します。
朝日が差し込む明るい家を建てられる
東側に障害物がない東道路の土地は、朝日が差し込む家を建てることが可能です。
キッチンやダイニングを東側に配置することで、明るい空間で朝食を作ったり食べたりできます。
また、東側に寝室を設ければ、朝日で気持ちよく目覚めることもできますね。
朝~午前中は家にいる生活スタイルなら、東道路の土地との相性が良いでしょう。
日当たりが良い部屋を多く作れる
東道路の土地の場合、駐車場からの動線を考慮して東玄関にするケースが多いです。
そのため、南側に居室を作りやすいというメリットがあります。
LDKすべてが南に接する配置や、ランドリールームが日当たりの良い場所ある間取りを作りやすい土地が多いです。
景色の良い庭を作りやすい
東側は景色の良い庭を作りやすい点も特徴の1つです。
道路に接する東側に駐車場を配置することで、建物の南側にスペースを確保できます。
南側のスペースを庭として確保すれば、窓から庭を見たときに道路や駐車スペースが目に入りません。
庭に木を植えたり芝を敷いたりすることで、景色の良い庭を作ることができるでしょう。
庭づくりにこだわりたい方にも、東道路の土地はぴったりです。
隣家がある場合は西日を遮ることができる
日当たりが良すぎると困るのが「夏場の西日」ですよね。
西日が差し込む家は、午後~夕方にかけて部屋が明るくなりますが、夏場は日差しが強すぎて室内が高温になってしまいます。
そのため、西側は窓をつけない間取りにする方も少なくありません。
東道路の場合、西側に建物が建っているケースが多いため強い西日を遮ってくれます。
そのため、西側に窓を作っても部屋が高温になりにくく、適度な光を取り込んでくれます。
西側に寝室や子供部屋などの居室を作りたいと考えているなら、西に隣家がある確率が高い東道路の土地を選ぶと良いでしょう。
東道路の土地に家を建てるデメリット
東道路の土地に家を建てるデメリットは、あまり多くありません。
注意点や対策も合わせて考えていきましょう。
南側の隣家が近いと日当たりが悪くなる
南北方向の幅がない東道路の土地は、南側の隣家が近いので日当たりが悪くなることがあります。
日当たりが確保できない場合は、次のような対策を行うことをおすすめします。
- ・吹き抜けや天窓を付けて上から光を取り込む
- ・コの字型・L字型の建物にして南の家と距離を作る
また、リビングから外を見ると隣家の窓が目の前にあって、目線が気になるというケースも少なくありません。
南側に目隠しフェンスを作るなどの対策を行うことをおすすめします。
午後は光が差し込みにくい
南側・西側に隣家などの障害物がある東道路の土地は、午後の日当たりが悪いというデメリットがあります。
朝~午前中は東側から光を取り込むことができますが、午後になると周りの家が日差しを遮ってしまうからです。
昼間なのに家の中がどんより暗いという状況になりかねません。
午後に家に居ることが多い家庭は、東道路の土地を避けた方が良いかもしれません。
または、南側・西側の建物との間に距離を作れる広い土地や、隣家が平屋の土地を探すことをおすすめします。
ただし、隣家との距離が近くても、建物形状や配置などを工夫すれば日当たりも確保できるケースもあります。
土地を活かしてくれるような工事力のある住宅会社を選びましょう。
分譲地では低価格帯にはならない
分譲地内で土地の価格を比較すると、東道路の土地は決して安くありません。
東道路の土地は、南道路の土地や角地に次いで高い価格が設定されることが多いです。
西道路と比較すると、東道路の土地は同等かやや高い坪単価になり、北道路の土地よりは高いケースがほとんどです。
予算内で理想の間取りを作れるか検討してから、東道路の土地の購入を考えましょう。
東道路を活かす!間取りづくりに役立つ5つのアイディアを紹介
東道路の土地を活かすために大切な、間取りづくりのポイントを紹介します。
①玄関は「東か北東」にすると南面に部屋を作れる
東道路の土地は、東側に玄関を作ることが一般的です。
その場合、南東の角に玄関を作るのではなく、東面の中央か北側に配置することをおすすめします。
中央か北東寄りに玄関を配置させることで、南面にLDKなどの居室を配置させることができます。
日当たりの良い居室を多くしたいときに採用してほしい方法です。
②南東に日当たりを良くしたい部屋を配置する
家の中で1番明るくしたい空間は、南東に配置するように間取りを考えましょう。
なぜなら、東道路の土地は、東~南にかけて日当たりが確保しやすいからです。
一般的に、東側の土地に住宅を工事するときは北西に寄せて建物を配置するため、道路がある東側はもちろん南側からも日当たりを確保しやすいです。
南東の二方向に窓をつけることで、明るい部屋を作ることができます。
東道路の土地は、LDKなどの空間を南東に寄せる間取りがおすすめでしょう。
③南側の家との距離を考えて建物を配置する
東道路の土地に建物を建てるときは、建物形状を工夫することをおすすめします。
特に、南側の家が近い場合は、隣家との距離を保てるような間取りを考えましょう。
具体的には次のような間取りがおすすめです。
①横長の建物にして南北方向を縮める
横幅が広い建物にして北側に寄せて配置することで、南側の家との距離を離すことができます。
また、横長の家は南面が幅広くなるため、日当たりの良い空間を多く作れる点もメリットです。
②L字やコの字型にして日当たりを確保したいスペースを凹ませる
L字やコの字にして、建物の一部だけ南側との距離を作る方法もあります。
上の画像の事例では、LDKの前だけ凹ませた「コの字型の家」にして、南側の隣地との距離を確保しました。
南側のガレージと距離が近い部分は、脱衣所を配置しています。
寝室や水回りなどの日当たりを求めない空間は、南側と距離が近くても問題ありませんからね。
こちらの事例のように、凹ませた空間にウッドデッキを作れば、ひろびろとした庭でゆったりとくつろぐことができるでしょう。
④東側の窓はプライバシーを考えて位置を決める
道路に接している東面の窓は、外からの目線が気になりやすいため、位置を検討することが大切です。
日当たりを確保することも大事ですが、大きな窓をつけても目線が気になってカーテンを閉めっぱなしにしていては意味がありません。
おすすめは、高めの位置に横長の窓を採用することです。
高い位置に窓をつけることで、道路からの目線が気にならなくなります。
また、横長の窓を選べば、広い範囲に光を取り込むことができます。
窓の前に大きな車を駐車していたとしても、窓と被らないため日差しを遮ることもありません。
道路と敷地の高低差などを考えながら、目線が気にならない位置に窓を付けましょう。
東側に掃き出し窓などを採用したい場合は、窓の前に目隠しフェンスなどを取り入れる方法をおすすめします。
⑤庭の境界に目隠しを取り入れる
東道路の土地でプライベートな庭を作りたいときは、駐車スペースと庭の境界線に目隠しを取り入れましょう。
そうすることで、道路を通る人や来客からの目線を遮ることができます。
こちらは、玄関アプローチの横に目隠しを作った事例です。
道路や駐車スペースからの庭への目線を遮ることができます。
もちろん家の中も見えないため、人目を気にせずにカーテンを開けて過ごすことも可能です。
見せたくない空間や目線が届きやすい方向などを考えながら、建物やフェンスを使って目隠しを作りましょう。
東道路の土地を活かして建てた間取り実例
東道路の土地を活かして家を建てた間取り実例を紹介します。
実例① 東道路の土地に建つ贅沢な平屋
広い敷地を活かしてゆったりと過ごせる平屋を建てた事例です。
道路沿いの東側は、車3台が駐車できるスペースを確保。
玄関前のアプローチは、フェンスを施工して庭が見えないように目隠ししました。
外装は黒で統一して重厚感のある雰囲気に。
玄関横の格子や軒天に木目を取り入れ、アクセントにしています。
室内の間取りは、東道路の敷地を活かせるような工夫をたくさん取り入れました。
一直線に伸びるLDKには大きな窓を2つ並べ、開放感あふれる空間に。
直射日光が届きにくいリビングの北側には、ネコちゃんスペースを完備。
最適な環境でネコちゃんがゆっくりと休むことができます。
エアコンに目隠しの格子をつけ、内観デザインを損なわないように工夫した点もポイントです。
LDKの南側には深い軒をつけてウッドデッキを採用。
広々としたウッドデッキが、室内と庭を緩やかにつなげます。
軒があると夏場の強い日差しを防いでくれるため、大きな窓を採用しても室内は快適な温度が保たれます。
東側の道路から家の中が見えにくくなる点もポイントです。
キッチンを奥に進むと洗面所・脱衣所につながる間取りを採用。
脱衣所の南側には勝手口が付いているため、洗濯物をすぐに外に干すことができます。
また、子供やペットが庭で遊んだ後に脱衣所へ直行できるため、すぐに着替えや入浴ができて便利です。
東道路の土地を活かし、ゆとりある庭や快適な動線を採用することで、家族が暮らしやすい平屋が完成しました。
平屋についてはこちらで詳しく紹介しています。
実例② 南東の角地に建つ家
南東の角地に建つ住宅。
1階の半分は、東側から入れる駐車スペースとして、車2台が並列できるビルトインガレージを採用しています。
道路に接している東面は窓を最低限にし、窓がある部分は目隠しフェンスを施工しました。
敷地全体に建物を配置し、あえて南面に窓のない壁をつくりました。
外からの目線が気にならないプライベートな間取りにしたいという要望を、実現した個性的な間取りです。
黒い壁の内側は、アウトドアリビングが楽しめるバルコニーに。
バルコニーの壁を高くして外からの目線をシャットアウト。
ジャグジー付きの広々としたアウトドアリビングで、プライベートな時間をゆったり過ごすことができます。
南向きにバルコニーを施工したため、日当たりも良好です。
リビングは広い面積を確保できる2階に配置。
南面に大きな窓を採用していますが、バルコニーの壁が目隠しになるため、カーテンのいらない暮らしを実現できました。
外からの視線が気になりやすい南東の角地に建つ家。
南や東にあえて壁を作ることで、暮らしやすくプライバシーが守られた住まいが完成しました。
一般的な建物の配置とは大きく異なる、敷地に合わせて間取りを考えた事例です。
ビルトインガレージやバルコニーについて気になる方は、ぜひこちらもチェックしてみてくださいね。
まとめ
東道路の土地は、朝日をたくさん取り入れることができます。
そのため、1日の始まりを気分よく迎えたい方に、ぴったりな間取りを作ることができるでしょう。
ただし、南側の家との距離や道路からの目線を考えないと、暮らしにくい間取りになる可能性もあります。
土地の形状・周囲の環境を細かくチェックしながら、最適な建物の配置や間取りを考えてみてくださいね。
北道路の土地に関してはこちらのコラムで紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
<コラムのポイント>
ブルーハウスでは、建築士がお客様の要望を元に、敷地に合った間取りを考え抜いてご提案しております。
自分が建てる土地に合わせた家づくりをしたいという方は、ぜひお気軽にご相談くださいね。
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