【2022年度版】愛知県内で使える新築住宅向け補助金制度|豊橋・東三河の注文住宅・移住・二世帯住宅向け助成情報
2021年は、新型コロナウイルス感染症の影響で、昨年思うように家づくりが進められなかったという方もいるかもしれません。2022年も、住宅ローン減税や新設のこどもみらい住宅支援事業など、国全体での住宅に関する補助金制度があります。
今回は、2022年度の最新情報として、豊橋市・東三河地区を中心に、愛知県内で新築住宅を建てるときに使える補助金・助成金を紹介します。愛知県内の各市町村単位でも実施している新築向けの補助金がありますので、ぜひ有効活用して理想の家づくりを実現してくださいね。
<コラムのポイント>
・2022年度に実施予定の、住宅の新築で利用できる住宅ローン減税や省エネ住宅補助金(こどもみらい住宅支援事業)など国の補助金を紹介します。
・豊橋市・豊川市など東三河地区や愛知県内で利用できる、移住支援や省エネ設備に対する助成などの新築住宅補助金を紹介します。
愛知で注文住宅新築に利用できる国の補助金制度
初めに、全国で利用できる住宅関係の補助金について簡単に解説します。
住宅ローン減税制度
2022年度も、住宅ローン控除は引き続き実施されます。毎年の住宅ローン残高の0.7%が13年間、所得税・住民税から控除されて戻ってくるため、住宅ローンを借り入れる人にとってお得な制度になります。
建てる住宅の種類(性能)によって、控除の対象となる借入残高の上限が変わります
2022年度の税制改正で、これまでの住宅ローン控除から変わる主な点は次の3点です。
- ①これまでローン残高の1.0%だった控除率が0.7%に引き下げられる
- ②長期優良住宅、低炭素住宅、ZEHなど性能の違いで、住宅ローン控除の対象となる年末残高の限度額が変わる
- ③利用者の所得上限が3000万円以下から2000万円以下に引き下げられる
このうち、②については2022~2023年度と、2024年度以降で住宅ローンの年末残高の限度額がさらに変更になるため、表で詳しく解説します。
表1:新築住宅の住宅ローン控除対象となる年末残高の限度額
2022年度・2023年度 | 2024年度・2025年度 | |
控除期間 | 13年 | 13年(その他の住宅は10年) |
控除率 | 0.7% | |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5000万円 | 4500万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4500万円 | 3500万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4000万円 | 3000万円 |
その他の住宅 | 3000万円 | 0円※ |
※2023年までに新築の建築確認がされている場合2000万円。
税制改正後の、2022年度・2023年度の住宅の種類ごとの最大控除額の違いは以下のようになります(控除期間13年・控除率0.7%)。
表2:2022年度・2023年度の新築住宅の住宅ローン控除額シミュレーション
新築住宅の種類 | 年末残高の限度額 | 1年間の最大控除額 | 最大控除額合計 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 5000万円 | 35万円 | 455万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 4500万円 | 31.5万円 | 409.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 4000万円 | 28万円 | 364万円 |
その他の住宅 | 3000万円 | 21万円 | 273万円 |
さらに、2024年度・2025年度の最大控除額のシミュレーションは以下のようになります(控除期間13年(その他の住宅は10年)・控除率0.7%)。
表3:2024年度・2025年度の新築住宅の住宅ローン控除額シミュレーション
新築住宅の種類 | 年末残高の限度額 | 1年間の最大控除額 | 最大控除額合計 |
長期優良住宅・低炭素住宅 | 4500万円 | 31.5万円 | 409.5万円 |
ZEH水準省エネ住宅 | 3500万円 | 24.5万円 | 318.5万円 |
省エネ基準適合住宅 | 3000万円 | 21万円 | 273万円 |
その他の住宅 | 0円(※2000万円) | 0円(※14万円) | 0円(※140万円) |
※2023年までに新築の建築確認がされている場合
カーボンニュートラルを目指す国の政策で、2024年度以降は、住宅新築では最低でも省エネ基準適合住宅を建てることが、住宅ローン減税を利用する条件になってきます。
長期優良住宅やZEH水準など性能の違いによって控除の対象となる借入限度額が変わるので、これからは、基準に適合し、環境に配慮した省エネな家を建てるのがスタンダードな時代になると言えるでしょう。
なお、今回紹介したシミュレーションは、令和3年12月24日に閣議決定した令和4年度税制改正の大綱をもとに作成しています。
参考HP:財務省「令和4年度税制改正の大綱」
省エネ住宅・補助金「こどもみらい住宅支援事業」
「こどもみらい住宅支援事業」は、2022年度(令和4年度)から新設される、子育て世帯や若者夫婦に嬉しい補助金制度になります。
省エネ性能の高い新築住宅(条件あり)を建てることで、最大100万円の補助金を受け取ることができ、新築住宅だけでなくリフォームを行うことでも補助金が受け取れます。
補助金の対象となる条件や期間については、過去のコラムで詳しく解説していますので、こちらで確認してください。
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2021年度(令和3年度)まで実施の補助金制度
2021年度まで実施されていた以下の補助金も、2022年度も実施される可能性があります。まだ発表はありませんが、最新情報が発表されたらまた続報をお伝えしたいと思います。
ZEH支援
戸建て住宅で、省エネ性能が高く、住宅の消費エネルギーの収支をゼロまたはゼロ以下にする「ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を建てる場合の補助金は、環境省「戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業(経済産業省・国土交通省連携事業)」として、令和4年度(2022年度)も予算案に含まれています。
参考ページ:環境省「令和4年度(2022年度)予算案 脱炭素化事業一覧」
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すまい給付金
すまい給付金は、収入が一定以下の住宅取得者に対して給付される補助金です。収入額の目安が775万円以下であることに加え、新築住宅の場合は床面積が50㎡以上で、一定以上の住宅性能を保証する第三者機関の検査を受けることなどが要件となっています。
給付額は都道府県民税の所得割額(収入額の目安)から基礎給付額が決定されます。
住まい給付金は、2021年で募集が終了しています。
参考ページ:国土交通省「すまい給付金とは」
グリーン住宅ポイント制度
グリーン住宅ポイント制度は、長期優良住宅や低炭素住宅、ZEHなど一定の性能を持つ住宅の新築や既存住宅の購入、リフォームなどに対して、性能や工事の内容に応じたポイントが発行される制度です。ポイントは様々な商品や追加工事などに利用できます。
グリーン住宅ポイントの発行申請の受付は2021年12月15日で終了しています。
参考ページ:グリーン住宅ポイントホームページ
地域型住宅グリーン化事業
地域型住宅グリーン化事業とは、地域の事業を採択しているグループに属する工務店で、超寿命、ゼロ・エネルギーなど省エネ性能の高い木造住宅を新築またはリフォームする場合に補助金を受けられるというものです。
それぞれに求められる性能を満たすことで、新築の場合は一戸あたり最大で100~140万円の補助金を受けることができます。また、「三世代同居」や「地域材過半利用」の要件を満たせばさらに補助額が加算されます。
参考ページ:地域型住宅グリーン化事業(評価)
愛知県内の各市町村の補助金制度
これらの全国的な政策の他に、都道府県独自の住宅関連の補助金があります。
東三河地区を中心に、愛知県の代表的な住宅新築時に利用できる補助金を紹介します。
豊橋市の新築補助金制度
豊橋市歩いて暮らせるまち区域定住促進事業費補助金
平成30年9月1日以降に、豊橋市の「歩いて暮らせるまち区域」に家屋を新築するなど、対象となる条件を満たす場合に市から補助が受けられます。
補助内容は、家屋や土地にかかる固定資産税相当額が最大3年間補助されるほか、子育て奨励金として、中学生以下の子どもがいる世帯は1人につき10万円が支給されます。
参考ページ:豊橋市HP「豊橋市歩いて暮らせるまち区域定住促進事業費補助金」
家庭用エネルギー設備等導入補助金
太陽光発電システムや、燃料電池、リチウムイオン蓄電池など家庭用のエネルギー設備等の設置費を補助します。補助対象設備と金額などは市のホームページで確認できます。
参考ページ:豊橋市HP「家庭用エネルギー設備等導入補助金」
東三河地区の新築補助金制度
豊川市「豊川市まちなか居住補助金」
豊川市の地域活性化事業の1つで、市外から指定される区域(都市機能誘導区域内)で家屋を取得して転入した人、豊川市内で災害想定区域から都市機能誘導区域内に転居した人に対して補助金が支給されます。
所有する土地(上限200㎡分まで)、家屋(上限280㎡分まで)にかかる固定資産税相当額が最大3年間補助されます。
さらに、「子育て奨励金」として、世帯にいる中学生以下の子どもに対して1人あたり10万円が支給されます。
参考ページ:豊川市「はじめませんか とよかわ暮らし ~豊川市まちなか居住補助金のご案内~」
豊川市はこのほか、ホームエネルギーマネジメントシステム(HEMS)や住宅用燃料電池システム設置費補助制度などがあります。
蒲郡市「蒲郡市三世代同居・近居促進補助金」
三世代で同居、近居するための住宅新築や購入、リフォームに対して費用の一部が補助されます。
親世帯が3年以上前から蒲郡市に住んでいること、すでに三世代で同居していないこと(新築、リフォーム後に三世代同居になること)や、子世帯の年齢が45歳未満で中学生以下の子どもがいることなどの条件があります。
補助金額は対象経費の2分の1で、同居の場合は最大50万円、近居の場合は最大25万円です。必ず契約・着工前に申請する必要があることに注意しましょう。
参考ページ:蒲郡市HP「三世代で同居・近居するための住宅取得等に補助金を交付します」
田原市「田原市定住・移住促進奨励金」
田原市への「定住」「移住」のための住宅取得に対する補助金制度です。令和3年度の予算は終了していますが、辞退者が出るなどの可能性があるため、申請したい人は市の建築課へ問い合わせが可能です。
奨励金の金額は、要件を満たす住宅の新築や購入に対し、
(1)市外に1年以上居住し転入 20万円
(2)市内の社宅・賃貸住宅等に5年以上居住し転居 20万円
(3)上記以外 10万円
となっています。義務教育終了前の子が同居で10万円加算などいくつかの加算条件もあります。
参考ページ:田原市HP「令和3年度 田原市定住・移住促進奨励金」
設楽町「若者定住促進住宅補助金」
設楽町では、令和3年4月から、条件を満たした住宅の新築に対して、住宅建築費用の3分の1以内、上限200万円の補助金が受けられます。
参考ページ:設楽町HP「令和3年度からの若者定住促進住宅補助金について」
東栄町「東栄町定住促進支援補助金」
東栄町内に定住を目的として住宅を建設する場合に、1軒あたり30万円の補助金が交付されます。
参考ページ:東栄町HP「東栄町定住促進支援補助金」
東栄町は、この他に対象となる住宅の固定資産税額について、2分の1 を減免する「新築住宅に対する固定資産税の減免制度」もあります。
豊根町「新築・リフォーム補助金」
自宅の新築や村内業者へ発注して行う増改築に対して、費用の一部が補助されます。補助率は1/3、上限額は新築100万円、リフォーム25万円(若者は15万円加算)です。
参考ページ:豊根町HP「村への定住移住について」
愛知県のその他の新築補助金制度
名古屋市「住宅の低炭素化に向けた補助」
住宅の低炭素化を促進するため、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)や太陽光発電設備、蓄電システム、家庭用燃料電池システム(エネファーム)の導入費等に補助を行っています。
参考ページ:名古屋市HP「補助・助成等(環境保全関係)」
豊田市「豊田市山村地域等定住応援補助金」
豊田市内の山村地域などに、地域活動への参加を前提に定住するための住宅を取得した場合に受けられる補助金です。
補助金額は、住宅・土地ともに取得費の10分の1以内(最大50万円)となっています。
参考ページ:豊田市HP「豊田市山村地域等定住応援補助金」
岡崎市「岡崎市産材住宅建設事業費補助金」
岡崎市で伐採された木材を使用した戸建住宅の新築、増築、改修に対し補助が行われます。施主が受けられる補助金は、
・主要構造材に使用する市産材1㎥あたり25000円(上限額30万円)
・内装材に使用する市産材1㎥あたり5000円(上限額20万円)
となっています。主要構造材と内装材を申請する場合でも、合算額の上限は30万円になります。
主要構造材、内装材ともに、使用量の要件を満たし、岡崎市内で建築業を営む業者で工事を行うという条件があります。
参考ページ:岡崎市HP「岡崎市産材住宅建設事業費補助金について」
春日井市「高蔵寺ニュータウン向け住宅ローン(移住・定住プラン)」
高蔵寺ニュータウン内での住宅購入時、指定の金融機関で低利融資が受けられます。移住者向けのプランで、通常住宅ローンの申し込み要件となる「勤続年数の条件」が撤廃されています。
参考ページ:高蔵寺ニュータウンHP
参考ページ:大垣共立銀行「春日井市高蔵寺ニュータウンへの移住・定住者を対象とした専用ローン「住宅ローン“移住・定住プラン”」」
参考ページ:十六銀行「春日井市高蔵寺ニュータウンへの「移住者・定住者向け住宅ローン」の取扱い開始のお知らせ」
西尾市「三世代同居対応の住宅の新築・対応工事費の補助」
西尾市では、三世代同居対応の住宅の新築・改修工事にかかる費用の一部が補助されます。具体的には1棟の家にキッチン、浴室、トイレ、玄関のうち2種類以上を複数個所設置する工事が対象で、二世帯住宅を建てやすくなります。
補助金の額は工事費の2分の1を限度とし、最大30万円となっています。令和4年度の実施はまだ発表されていません。
参考ページ:西尾市HP「西尾市三世代同居対応住宅支援事業補助金制度のご案内」
このほか、犬山市、小牧市、岩倉市、豊明市にも、三世代同居に関する補助金事業があります。
犬山市「ふるさと・働きて定住促進サポート事業」
小牧市「小牧市三世代同居・近居住宅支援事業」
岩倉市「三世代同居住宅支援補助金及び三世代近居住宅支援補助金」
豊明市「豊明市多世代同居・近居に係る固定資産税相当額一部補助事業」
愛知でエコキュートの補助金はある?
エコキュートは、ヒートポンプ技術を利用し、空気を使ってお湯を沸かす電気給湯器で、省エネ性能が高く、ZEH住宅などの省エネ住宅に適した給湯器です。
エコキュートは補助金制度を実施している自治体もありますが、愛知県内で現在エコキュート設置に対する補助金制度はありません。
まとめ
今回は、豊橋市や東三河地区を中心に新築住宅で利用できる補助金をご紹介しました。住宅ローン控除やこどもみらい住宅支援事業など、国として実施する補助を忘れずに利用し、加えてご自身の家を建てる地域に応じて利用できる制度をチェックしておきましょう。
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