あまり知られていない耐震構造の定義や特徴を簡単にわかりやすく解説
- ▶︎耐震構造とは、具体的にどのようなものを指すのか
- ▶︎どのようなメリット・デメリットがあるのか
- ▶︎耐震構造では、どの程度の地震に耐えられるのか
このような疑問を持っている人は多いでしょう。
耐震構造は、住宅作り、もしくは今後の安心できる暮らしを守るうえで、非常に重要な役割を果たしているものです。
本記事では耐震構造の概要や、メリット・デメリットなどに関して解説します。これから住宅を建てる方、地震災害対策に興味がある方はぜひ参考にしてください。
<コラムのポイント>
- ・耐震構造というのがどういうものか詳しく解説します。
- ・耐震構造にはどのようなメリット・デメリットがあるか詳しく述べます。
- ・耐震構造のデメリットを緩和する方法も解説しています。
耐震構造の概要とメリット・デメリット
まず、耐震構造とは、何であるかおさえておきましょう。
耐震構造とは、地震による揺れを受けても、それに耐えて、倒壊や半壊、あるいは一部損壊を防ぐ性能です。
つまり言葉の通り、「地震に耐えうる性能を持った、住宅の作り」と考えて問題ありません。
耐震構造の住宅は、耐震性を保つため、構造そのものを強固にしています。たとえばより頑丈な柱や梁を通したり、耐震壁を使ったりします。これにより、大きな地震が来ても、住宅としての致命的な崩壊を、ある程度防ぐことが可能になっています。
なお耐震構造は特別にオーダーするものではありません。1981年から導入されている新耐震基準により耐震構造の取り入れが義務化されました。
よって同年以後に建築された住宅は、すべて耐震構造が取り入れられています。
耐震構造のメリット
耐震構造のメリットとして以下が挙げられます。
- ▶︎大きな地震に見舞われても倒壊しにくい
- ▶︎制震・免震構造の住宅と比較してコストが低い
- ▶︎工期が短い
- ▶︎工事が簡単であるため、ミスが生じにくい
- ▶︎強風などにも強い
まずその耐震性から、大きな地震に見舞われても倒壊しにくい点が挙げられます。新耐震基準に沿っており、震度7にも耐えうる強固さを持ち合わせます。
また耐震構造は住宅価格に含まれているため、後述する制震。免震構造と比較してコストが安くなるのもポイント。
また地震のみならず、大型台風などによる強風などにも強いという利点もあります。
耐震構造のデメリット
一方で、耐震構造のデメリットには以下のようなデメリットもあります。
- ▶︎上層階では揺れが大きくなる
- ▶︎家具の転倒が起こりやすくなる
まず耐震構造では、上層階になるほど地震による揺れが大きくなります。これにより強い恐怖を感じたり、怪我をしたりするリスクが高くなります。
また揺れ自体を弱める性能はなく、家具の転倒が起こりやすいのもデメリット。地震による倒壊は避けられても、家具が関係した事故には注意が必要です。
耐震構造を支える「耐震ダンパー」
耐震構造は、さまざま設備や技術によって支えられています。なかでも「耐震ダンパー」というも制震装置は、耐震構造の性能を高めるうえで重要なはたらきを示しています。
上図の黒い金属の部品が、耐震ダンパーです。地震から生じたエネルギーを吸収して、熱エネルギーとして放出。つまり、地震から伝わってくる揺れを逃す役割を果たします。
私たちブルーハウスがご提案している住宅も、基本的にはこのダンパーを使用しています。
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これらの新しい技術に興味がある方は、ぜひ一度、お問い合わせください。
耐震構造のデメリットに対策する方法
現代では、ほとんどの住宅が耐震構造の住宅を採用しています。
これから耐震構造を選択する人も非常に多いでしょう。
そのうえで重要になるのが、耐震構造の持つデメリットをどのように緩和するかです。具体的な方法として以下が挙げられるでしょう。
- ▶︎転倒防止用品を利用する
- ▶︎平屋の住宅を選択する
- ▶︎制震構造を取り入れる
転倒防止用品を利用する
耐震構造は、住宅の倒壊や破損に対して強固な性能を示す一方、揺れそのものを緩和する効果がさほど高くありません。
よって建物が転倒する可能性があるのですが、これは転倒防止装置を使うことである程度問題を解決できます。
転倒防止用品とは、マットや突っ張り棒などの類です。これを設置すれば、たいていの家具の転倒を防げるようになります。
また転倒防止用品は1つあたり1,000円から2,000円ほどで購入できるケースがほとんど。さほどコストもかからず安全を確保できる、すぐれた用品です。
平屋の住宅を選択する
耐震構造には、2階以上の揺れが激しくなるというデメリットを持っています。
しかしこれは、平屋の住宅を選択することにより解消できます。
無論、新耐震基準をクリアしている以上、2階建て以上の住宅でも倒壊する可能性は低いでしょう。
しかし2階以上では大きな揺れを経験することになり、上述する家具の転倒などのリスクとも、より真剣に向き合う必要があります。
一方で平屋であれば、それらの問題が生じません。「住宅の在り方として平屋が望ましいか」は世帯それぞれの考えに委ねられますが、少なくとも耐震構造のデメリットを緩和するうえでは有効な選択肢となります。
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制震構造を取り入れる
また制震構造を取り入れるのもおすすめです。
制震構造とは、制震装置を設置して、地震の衝撃を吸収し、住宅そのものへのダメージを緩和することを目的とした構造です。
先ほど触れた制震ダンパーも、制震構造を構築するための技術・装置としての側面を持っています。
強固な耐震構造に、地震の衝撃を緩和する制震構造が組み合わされば、地震に対して相当に強い住宅となるでしょう。
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耐震構造に関するよくある質問
本記事では耐震構造に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- ▶︎令和6年能登半島地震ではなぜ倒壊が起こったか
- ▶︎新旧耐震基準の違いとは
- ▶︎耐震等級3とはどの程度か
令和6年能登半島地震ではなぜ倒壊が起こったか
令和6年能登半島地震では、多くの住宅が倒壊しました。これにはいくつかの原因が挙げられるでしょう。
- ▶︎旧耐震基準しか満たしていない住宅が多かった
- ▶︎余震が続き、ダメージが蓄積し、耐震性が損なわれてしまった
- ▶︎他の建物の倒壊に巻き込まれた
やはり旧耐震基準しか見てしていない住宅は、震度7の地震には耐えられなかったようです。一方で新耐震基準に沿った建物の多くは、倒壊を免れたことが報道されています。
また余震によるダメージの蓄積と最終的な倒壊、あるいは他の建物が崩れたことに巻き込まれたなどのケースもあるでしょう。
新旧耐震基準の違いとは
新旧耐震基準にはさまざまな違いがありますが、もっとも重要なのは、想定している震度です。
1981年まで有効だった旧耐震基準は、震度6以上の地震に耐えることを前提としていませんでした。
しかし新耐震基準は、震度7の地震が来たとしても(諸所の条件に左右される可能性はあるものの)、倒壊を免れることを前提としています。
耐震等級3とはどの程度か
耐震等級とは、3段階ある耐震性能に対する評価のうち、もっとも上位に位置する評価です。これは数百年に一度の大地震に遭っても、倒壊せずに耐えられる水準とされています。
なお耐震等級の詳細に関しては以下を参考にしてください。
まとめ
本記事では住宅の耐震構造に関して解説しました。
1981年の新耐震基準が採用されて以来、耐震構造は日本における住宅の基本形となっています。耐震構造を取り入れたことによって、震度7の地震に見舞われても、そう簡単に倒壊しないほどの耐性を有しています。
とはいえ、地震に対してできることはそれだけではありません。耐震構造だけでなく、免震性、制震性などを求め、より大きな地震に備えるという流れもあります。
そのために、非常に強力な手段である耐震・制震バンパーを採用するケースも増えてきました。
ぜひ本記事を参考に、地震に負けない、強い家づくりを進めていきましょう。
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愛知・名古屋付近で注文住宅を手がけるブルーハウスからのメッセージ
ブルーハウスは、愛知・名古屋でオーダーメイドのデザインと快適性、住みやすさ、本記事で述べた耐震性、それらをすべて満たす家づくりをしています。
- 高度な耐震構造を用いた、地震に強い家づくりにも注力しています。非常に重要な耐震・制震ダンパーも採用。
- デザインも性能も叶えて、長く快適に経済負担の少なく住める家をつくっています。
- ・ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
- ・無垢材や塗り壁など、自然の素材を使った家づくりが得意です。
- ・土地探しからも始められて、建てたい家や住みたい地域、住みたい環境から適した土地をお探しします。
愛知に住む人、そしてその郊外に住む人を家づくりで幸せにする。「人生を最高に楽しむ家」をつくることを目指して家づくりをしています。