名古屋市で介護を見据えた二世帯住宅づくり|バリアフリー化や介護しやすい間取りのコツ

二世帯住宅を建てる目的として、「親の老後を見守り、介護しながら暮らすため」と考えている人も多いのではないでしょうか。

そこで大切になるのが、二世帯住宅の「介護を見据えた設計の工夫」です。二世帯住宅は介護が必要になってから建てるという人は少なく、親世帯が元気なうちに計画・建築をすることが多いですから、介護が必要になったときのことは想像が難しいかもしれません。

ですが、親世帯に介護が必要になったときどのように対応するかを議論し、その上で設計を始めることが後になってお互いを大きく助けてくれます。

今回は、二世帯住宅で介護を見据えたバリアフリー化の方法や間取りづくりのコツについてお話したいと思います。誰にでも老後はやってきます。

親世帯はもちろん、自分たちやその先の世代の将来も見据えてぜひ、ストレスや負担を上手に軽減するような二世帯住宅を建てていただきたいと思います。

目次

 

二世帯住宅の大きなポイント「介護をどうするか」

住宅金融支援機構の住宅ローン「フラット35」の2018年度利用者調査によると、注文住宅を建てる世代は30代~40代の世帯が中心です。

この世代が二世帯住宅を建てるとき、親世帯の年齢は50代~70代程度と考えると、日本人の健康寿命は毎年延びているというデータもあり、まだまだ元気な親御さんも多いと思います。

家のプラン決めでいきなり家族の老後を考えるのは気が引けるかもしれませんが、平均して20年ほど住めば介護の問題を考える時がきます。

私自身の経験でもありますが、家族が要介護や要支援になってから介護者や介護のスタイルを決めるのは、お世話と手続きの多さが重なって本当に骨が折れます。きちんとルールを決めておかないとどうしても手が空いている人や気がつく人に負担が行きがちです。また、介護を受ける人が認知症などになった場合、本人が本当に希望する介護のスタイルを聞き出すことも難しくなってきます。

ですので、親が元気なうちに「家を建てる」というタイミングは、実は将来の介護を考える絶好の機会なのです。親世帯・子世帯、別居する親族などと、介護に対する希望や意見を出し合って方向性を決めておき、またそれを家の設計にしっかりと反映することが重要です。

 

家族で介護をするなら共用型が便利

内閣府の公表している「平成30年版高齢社会白書」によると、全国の55歳以上の男女を対象に調査した「必要になった場合介護を頼みたい人」は、男性が「配偶者」が56.9%で最も多く、次いで「ヘルパーなど介護サービスの人」が22.2%、女性は「ヘルパーなど介護サービスの人」が39.5%で最も多く、次いで「子」が31.7%という結果でした。

まだまだ自分の配偶者や子どもに介護を頼みたいという人は多く、家族側も「自分たちで介護したい」という人も多いです。

同時に、介護保険制度によって外部に自分の介護を依頼しやすくなったため、「ヘルパーなど介護サービス」の利用に昔よりも抵抗感は減ってきていると感じます。

家族で介護をするなら近くで様子が見られてお世話しやすい共用型・完全同居型が最も適していますが、外部サービスが出入りすることを前提にした配慮もあるとより暮らしやすくなるでしょう。

もちろん、家族によって希望や状況は違うので、それぞれの希望に応じた形になることが理想的です。

 

バリアフリー化のポイント

それでは、住宅をバリアフリー化する方法について具体的にご紹介します。

車椅子の通れる幅の確保

車椅子が通れる通路幅は、最低でも120cm以上取ることが定められており、できれば180cm取ることが望ましいとされています。

家の通路全てをこの幅にすると居住スペースが少なくなってしまいます。動線を考えて広くすべき通路を見定めましょう。または、廊下をあえてつくらずに部屋から部屋へ横切る際の段差をフラットにして、玄関ホールから直接部屋に車椅子で入れるような間取りもおすすめです。

また、ドアやトイレの入り口の幅も広くとっておくと、車椅子でも通りやすくなります。

車椅子が通る通路は、重量を想定してある程度耐久性のある床材にすることも視野に入れておきましょう。

寝室を中心にした動線の良い間取り

間取りで意識したいのは、親世帯の寝室と浴室、洗面所の位置関係と動線です。

最近の住宅設計は可変性が高く仕切りが少なめである事例も多くなりました。こうした間取りは加齢によって体力が低下しても移動がしやすいように対応しやすいため二世帯住宅にも適しています。

具体的には寝室を中心とした動線をいかに移動しやすくするかという点が間取りのポイントになります。

特に、入浴介助や洗顔、歯磨き、トイレの介助は、スペースに余裕がないと介助者が入れず動きにくいことがあります。

入り口広めで洗面所も近く使いやすいトイレ

解除もしやすい引き戸で広々浴室

そこで、寝室の隣に洗面所、浴室、トイレが一体化した「3点ユニットバス」を付けると、本人が利用しやすいほか、介助者が一緒に入ってもスペースに余裕ができやすく、掃除もしやすいというメリットができます。トイレが個室でない形式は日本ではあまり馴染みがありませんが、海外の住宅やホテルではよく採用されます。

床・玄関の段差をできるだけフラットに

段差をできるだけ無くすことはバリアフリー化の基本です。敷居の段差など足腰が衰えてくると少しの段差でも苦労しストレスを感じやすくなります。さらに車椅子になれば、段差が移動の妨げになり、危険なだけでなく床や壁を傷つけやすくなります。

下にレールがないバリアフリー引き戸

部屋と部屋、部屋と通路の間の段差は、下にレールのないタイプの引き戸にすると幅も広く取れて通りやすくなります。

手すりがあると良い場所

トイレの手すり

家の中で手すりがあると良い場所は「廊下などの通路」「トイレ」「浴室」「玄関」です。リビングや寝室から食事をするダイニング、トイレ、浴室への移動が主になるため、動線を考えて適切な場所に配置しましょう。

また、外出する際の玄関ホールからポーチ、クルマのある駐車場までの動線もしっかりとシミュレーションし、必要な場所に手すりを設置しましょう。

玄関まわりの工夫

玄関ポーチのスロープ

玄関周りは手すりの他にも、ポーチに対してスロープを設置するほか、介護サービス業者の車が停められる程度のスペースを確保するのもおすすめです。特に家の前の道路が狭い土地では、自家用車以外にも車が停められる場所があると、乗降の際も気兼ねなく、近隣にも配慮することができます。

 

分離型の介護におけるメリット

家族での介護が主になる場合は、共用型の二世帯住宅が向いていますが、逆にデイサービスや訪問介護など介護サービスの利用がメインになる場合は、頻繁に他人が出入りするため子世帯のプライバシーが保たれにくくなるというデメリットがあります。

外部の介護サービス利用がメインになるなら、寝室、浴室などサービスを利用する場所と玄関の距離を近くし、介護士ができるだけ最短の移動で済むようにするとともに、ほかの家族がプライバシーを確保できるような間取りを心がけましょう。

この点では、完全分離型は玄関自体が別であることから外部のヘルパーなどの動線と、子世帯のプライバシーの両方に配慮ができるためおすすめです。

 

介護とどう向き合うかを考えよう

人生100年時代とも言われる今、仕事などのリタイア後に家で暮らす期間も長くなっています。介護に備えた家づくりは決してタブー視せず、誰もが向き合うことだと考えて普段から積極的に将来の展望を話し合っておくことが、必ず後々役に立ちます。

ぜひ、親世帯の方は介護されることを「申し訳ないから」と思わず、また子世帯の方は「介護の話は気分を悪くするかも」と思わず、みんなで当たり前に助け合いながら暮らすため、そしてその時にストレスを減らして楽しんで介護をする、されるためにできる家づくりの工夫を話し合ってみてください。

 

まとめ

店舗や公共施設、共同住宅などは「バリアフリー法」に基づき、誰もが利用しやすい配慮をすることが定められています。

戸建住宅も、長期優良住宅の要件に「バリアフリー化」があるなど、バリアフリーが標準となっていく流れになっています。これから二世帯住宅を新築するなら、良い動線の確保や余裕のある通路幅、段差の解消など「どの世代も問題なく暮らせるか」という点も重視して建てましょう。

さらに、介護への向き合い方をしっかりと話し合い、プラスアルファの設備や間取りの工夫を加えることで、それぞれの家族に合った二世帯住宅を建てることができるでしょう。

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