平屋の増築事例|おしゃれな間取りアイデアと後悔しないためのポイント

近年、平屋を増築して、今の住まいをよりおしゃれで快適にしたいと考える方が増えています。
住み慣れた家をそのまま活かしながら、暮らしに合わせてスペースを加えられる点は、 増築ならではのメリットです。
ただし、平屋の増築は新築や建て替えに比べて、事例や情報が見つけにくく、「自分の家で本当にできるのか」判断に迷うケースが少なくありません。
そこで本記事では、平屋の増築事例とおしゃれに仕上げる間取りアイデア、後悔しないためのポイントなどを解説します。
事例を見ながらおしゃれな平屋の増築を検討したい方や何から考えればいいかわからない方は、ぜひ最後までご覧ください。
<コラムのポイント>
・平屋の増改事例とおしゃれな間取りアイデアを紹介しています。
・平屋の増築で後悔しないためのポイントを解説しています。
・平屋の増築にかかる費用相場をまとめています。
・平屋を増築するメリット・デメリットを解説しています。
・平屋の増築と建て替えで迷ったときの判断軸をお伝えしています。
目次
平屋の増築事例とおしゃれな間取りアイデア

平屋の増築では、部屋を増やすことよりも、空間のつながりや雰囲気がどう変わるかが大切です。既存の建物と調和した増築ができれば、天井の高さや窓の位置、内装のテイストが自然につながり、住まい全体がまとまりのある印象になります。
この章では、デザイン性と実用性を両立した、平屋の増築事例とおしゃれな間取りアイデアを紹介します。
LDKと外部のつながりで、広がりを感じる空間づくり

大きな開口部を設けることで、室内と外部が連続し、実際の面積以上に広がりを感じられる空間づくりにつながります。
外との関係性を意識したプランは、平屋らしい開放感や、おしゃれな雰囲気を高めてくれます。
既存建物と調和する増築で、住まいの印象をおしゃれに

既存の平屋に、玄関から奥へ続く新たな住居スペースを増築した事例です。外付けの箱型ボリュームを追加することで、住まい全体の印象を引き締めつつ、暮らし方の幅を広げています。
外観デザインは既存の建物と調和するよう計画されており、増築でありながら、もともと一体だったかのような自然な仕上がりです。平屋の印象を整えながら暮らしを拡張できる、おしゃれな増築の好例といえます。
玄関収納を充実させて、生活感を抑える工夫

平屋の増築では、玄関まわりを広げて、シューズインクローゼットのような収納スペースを設けることも可能です。 玄関に十分な収納を確保することで、靴や外出時に使う物をまとめてしまいやすく、 玄関まわりをすっきり保つことができます。
身支度や片付けが玄関で完結しやすくなるため、来客時にも生活感を抑えた印象につながる点は、暮らしやすさを高める工夫のひとつです。
平屋の増築で後悔しないためのポイント

平屋の増築は、間取りや広さを見直せる一方で、構造や手続きなど、事前に確認しておきたい点も多々あります。
検討を進める中で迷ったり後悔しないためにも、あらかじめ押さえておきたいポイントを整理しておきましょう。
デザイン性だけでなく暮らしやすさも考慮する
平屋の増築では、見た目の印象だけでなく、日々の動きや使い勝手にも目を向けておくことが重要です。
家事動線が遠回りになったり、段差が増えてしまったりすると、小さな使いづらさが積み重なり、ストレスにつながってしまいがちです。
将来の暮らしも見据えながら、家族みんなが無理なく使える工夫を取り入れることで、長く快適に暮らせる住まいにつながります。
2階増築は、耐震診断と補強が必須
平屋に2階を増築するのは可能ですが、まず確認したいのが1階部分の耐震性です。平屋として建てられた住宅は、2階の荷重を想定していないケースもあります。
そのため、基礎や柱、梁の状態を確認したうえで耐震診断を行い、必要に応じて補強を検討しなければなりません。補強内容によっては費用がかさむケースもあるため、2階を増築する際は予算も含めて慎重に計画する必要があります。
構造判断が難しいため、経験豊富な業者選びが重要
平屋の増築では、建物の構造をしっかり理解している業者に依頼することが大切です。建物の状態や図面が残っているかどうかによって、できる工事とできない工事が大きく変わります。
こうした判断を誤ると、増築工事は一度進めたあとに簡単にやり直すことができません。想定外の事態にも対応できるよう、増築の実績が豊富な業者を選ぶことをおすすめします。
増築の内容によって、建築確認申請が必要になる
増築の内容によっては、建築確認申請が必要になります。
代表的なのは、次のようなケースです。
・増築する床面積が10㎡を超える場合
・柱や梁など、建物の主要な構造部分に手を加える場合
・屋根や外壁の形状が変わり、建物の外観に大きな変更が出る場合
確認申請が必要になると、設計や手続きに費用と時間がかかります。計画の初期段階で専門業者に確認しておけば、予算やスケジュールを立てやすくなるでしょう。
固定資産税や登記の扱いも確認しておく
増築によって住まいが広がり、 暮らしやすさが高まる一方で、見落とされやすいのが固定資産税や登記の扱いです。
増築で床面積が増えると、翌年以降の固定資産税が変わるケースがあります。金額自体はケースバイケースですが、 事前に知らずにいると、あとから戸惑うこともあるでしょう。
また、工事内容によっては、増築部分の登記が必要になる場合もあります。長く住み続ける家だからこそ、税金や手続きについても含めて、 計画段階で一度整理しておくことが大切です。
こちらの記事では、平屋の良さと2階建ての良さを兼ね備えた「ほぼ平屋」のおしゃれな間取りや暮らし方をご紹介しています。
あわせてご覧ください。
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平屋の増築にかかる費用相場

平屋の増築費用は、「どこを・どう増やすか・どこに依頼するか」で大きく変わります。
まずは全体像をつかむために、代表的な増築パターンごとの費用目安を確認しておきましょう。
■平屋の増築費用の目安平屋の増築費用の目安
| 増築内容 | 費用の目安 |
|---|---|
| 一部屋を増築(6〜8畳) | 約200〜500万円 |
| LDKを広げる(リビング拡張など) | 約300〜800万円 |
| ロフトを増築 | 約100〜300万円 |
| 2階部分の増築 | 約800〜1,500万円(条件により1,500万円以上) |
| 離れを増築 | 約1,000万円〜(仕様・設備により大きく変動) |
参考:SUUMOの増築リフォームの施工事例やリフォーム比較ナビ
※上記はあくまでも目安です。構造・設備・現場条件で変動します。
費用が変わるポイントは、以下の5つです。
・既存建物の築年数や状態によって、補修・補強が必要になるかどうか
・既存建物につなげる増築か、離れをつくる増築か
・水回り(キッチン・トイレ・洗面など)を新設するか
・断熱・気密など性能や仕様をどこまで高めるか
・住宅メーカ、工務店、専門店など、どこに依頼するか
なお、増築費用は間取りや築年数、導入する設備、建築資材、施工地域、断熱・気密などの仕様によって大きく異なります。
詳細な費用につきましては、増築の実績がある工務店や設計会社に問い合わせて確認することが大切です。
ブルーハウスでも、平屋の増築について、建物の状態やご予算を踏まえたご相談を承っています。
「自分の家でできるのか知りたい」という段階でも、お気軽にお問い合わせください。
平屋を増築するメリット・デメリット

平屋の増築は、今の住まいを活かしながら暮らしを整えられる選択肢のひとつです。
一方で、工事内容や条件によっては、注意しておきたい点もあります。
この章では、平屋を増築することで得られるメリットと、事前に知っておきたいデメリットをご紹介します。
平屋を増築するメリット
建替えに比べて費用や工期を抑えられる
増築は、既存の建物を活かせるため、建て替えに比べて費用を抑えられるのが特徴です。 解体費用がほとんどかからず、引っ越しや仮住まいが不要なケースもあります。
また、工事範囲が限られる分、工期も比較的短く済むのもうれしいポイントです。
子どもの成長や老後に合わせて、間取りを調整できる
増築は、家族のライフステージに合わせて住まいを整えやすい点が魅力です。子どもの成長に合わせて個室を増やしたり、在宅ワーク用の書斎や趣味スペースを確保するのにも適しています。
さらに将来を見据えて、寝室や水まわりを1階にまとめておけば、階段の上り下りを減らした暮らしが実現します。
平屋を増築するデメリット
工事中の生活や動線にストレスがかかることもある
増築はメリットがある一方で、工事中の生活には注意が必要な面もあります。
例えば、住みながら工事を行う場合、騒音やホコリが出たり、一時的に通れない場所が出てきて、不便を感じることも少なくありません。
こうした点も含めて、生活への影響や工事期間をあらかじめ確認しておけば、不安やストレスを軽減することができます。
柱や耐力壁の位置によって、増やせる場所が限られる
増築では、柱や耐力壁の位置によって、希望どおりの場所に増やせないことがあります。建物の耐震性を保つために、撤去できない柱や梁があるためです。
納得のいく間取りを考えるためには、早い段階で平屋の増築実績がある工務店などに現地調査を依頼し、構造を理解したうえで計画を立てることが望まれます。
それでも増築を選ぶ理由
工事中の不便さや構造上の制約はあるものの、結果として増築を選び、満足している人も少なくありません。引っ越しをせず、住み慣れた家で暮らしを続けながら必要な空間を増やせる点は、増築ならではの大きな特長です。
メリットとデメリットを理解したうえで選べば、今の住まいを活かす現実的な選択肢として増築は検討する価値があります。
なお、1階完結型の間取りについては、メリット・デメリットや取り入れる際のポイントを別記事で詳しく解説しています。
あわせて参考にしてみてください。
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平屋の増築と建て替え、どちらを選ぶ?迷ったときの判断基準

増築と建て替えは、どちらが正解というものではありません。
建物の状態や、これからの暮らし方によって、一人ひとり向いている選択は変わります。後悔しないためにも、判断基準を一緒に考えてみましょう。
築年数や耐震性から今の家が増築向きか
増築ができるかどうかを判断するには、まず現在の家の状態を知ることが第一歩です。築年数が経っている住宅や、耐震基準が旧基準のままの場合は、増築前に補強が必要になることもあります。
最初から増築ありきで考えるのではなく、建て替えも含めて選択肢を広げておくことで、判断の幅が広がります。
現地調査や耐震診断の結果をもとに、今の住まいにとって無理のない方向性を、少しずつ整理していきましょう。
増築にかかる総額は予算の範囲に収まるか
増築では、本体工事費だけでなく、解体や基礎補強、設備の移設・更新など、付随する費用も発生します。当初の想定より、総額がふくらむケースも珍しくありません。
大切なのは、「何にいくらかかるのか」を事前に細かくチェックすることです。見積もりを早めに取り、総額を把握しておけば、増築計画を焦らずに進められます。
10年後・20年後を見据えて安心なのはどちらか
家づくりは、10年後、20年後の暮らし方まで想像しておきたいところです。
例えば、子どもの独立後に夫婦二人の生活が始まると、体力の変化によって階段やわずかな段差が負担に感じられることがあります。増築によって現在の悩みが解消されても、将来の使い勝手や手入れの負担が増えるケースもあります。
一方で、建て替えは住まい全体の計画や仮住まいなど、一度に考えることが多く、不安を伴いやすい選択肢です。どちらが正解かは、家族ごとに異なります。
「これからどのような暮らしを実現したいのか」を軸に、将来のメンテナンスや住み心地まで考慮して計画を立てることで、失敗を回避しやすくなります。
〈関連情報〉
ブルーハウスの建築家とつくる家
建築家とつくる家 リビング編
まとめ|広さや費用だけでなく、「これからの暮らし方」を軸に考える
今回の記事では、平屋の増築例とおしゃれに仕上げる間取りアイデア、後悔しないためのポイントなどを解説しました。
平屋の増築は、LDKの広さや動線を整え、今の住まいをより快適にできる選択肢です。一方で、耐震性や構造、建築確認申請、費用の考え方など、事前に確認しておきたいポイントも多くあります。増築は建て替えに比べて費用や工期を抑えやすい反面、家の状態によっては制約が出ることもあるため、正しい判断が欠かせません。今の家をこれからも安心して、おしゃれに快適に住み続けるためには、現地調査をもとに最適な方法を整理していくことが大切です。
ブルーハウスでは、豊富な平屋の施工実績を活かし、ご家族の暮らしに寄り添った増築プランをご提案しています。平屋の増築を検討し始めた方は、ブルーハウスの家づくりもぜひご覧ください。
こちらの記事では、光と風を楽しむ「中庭のある平屋」について、おしゃれな間取りの工夫やデメリット、後悔しないためのポイントを紹介しています。
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