熱交換換気システムとは?仕組みとメリット・デメリット、導入で後悔を防ぐポイントを解説

熱交換換気システムの仕組みとメリット、デメリット

豊橋・豊川で理想の注文住宅を建てるなら、室内の快適性と省エネを両立する「熱交換換気システム」が欠かせません。

熱交換換気システムは、高気密・高断熱住宅において、室内の空気を常にきれいに保ちながら、夏の暑さや冬の寒さを感じさせない室内環境を作れるメリットがあります。

このコラムでは、豊橋・豊川で第一種熱交換換気を標準採用した注文住宅を手がけるブルーハウスが、熱交換換気システムの仕組みメリット・デメリット導入時の後悔を防ぐポイントについて詳しく解説します。

<コラムのポイント>

  • 熱交換換気システムは、換気によって室温が大きく変化することがないため、冷暖房費を削減しながら快適な空気環境を維持できます。

  • ・熱交換換気の導入で後悔しないためには、メンテナンスのしやすさや熱交換効率・有効換気量率を重視した機種選びや、局所換気とのバランスなどが重要です。

     

    日本の住宅では換気システムの設置が義務付けられている

    全熱交換型換気システムが設置された住宅

    1980年ごろから、日本では住宅の気密化合成建材の普及によるシックハウス症候群が問題となりました。

    シックハウス問題の解決に向けて、2003年の建築基準法改正で、内装仕上げ材の制限とともに「機械換気設備の設置」が義務付けられました。

    換気量については、居室の空気が毎時半分入れ替わる「1時間当たり換気回数0.5回」を実現できる能力の換気設備を付けることが定められました。

    また、シックハウス対策では新鮮な外気を常に家じゅうに取り込み、汚れた空気を屋外に排出し続けることが大切なため、従来までの「局所換気」ではなく、住宅全体を換気する「全般換気」を24時間稼働するケースが増えました。これが現在一般的な「24時間換気システム」になります。

    換気方法 局所換気 全般換気
    概要

    キッチンやトイレ、浴室など、汚染物質や湿気が発生しやすい特定の場所に設置する換気方式

    換気扇や排気ファンを用いて、局所的に空気を外部へ排出することで、効率的に空気の清浄化を図る

    住宅全体の空気を計画的に入れ替える方式

    居室などの生活空間に外気を取り入れ、トイレや浴室などから排気することで、室内に一定の空気の流れを生み出す

    特に高気密・高断熱住宅においては不可欠な設備

    メリット 設備が比較的簡易で、導入コストやメンテナンスの負担が少ない

    住宅全体の空気環境を均一に保てる

    カビやダニの発生を抑制し、シックハウス症候群の予防に効果が期待できる

    デメリット 住宅全体の空気環境を整えるには限界があり、高気密住宅では補助的な役割にとどまることも 局所換気よりも設備費や電力消費が多く、設計段階で計画的に設置する必要がある

     

     

    換気システムの種類とメリット・デメリット

    機械換気システムの種類

    (画像引用元)ブルーハウスホームページ|換気方法の種類

     

    全般換気が可能な機械換気システムは、給気(外気を室内に取り込む)・排気(室内の空気を外に出す)のどれを機械化するかによって、大きく以下の3種類に分けられます。

    • ①第一種換気:給気・排気ともに機械換気
    • ②第二種換気:給気のみ機械換気
    • ③第三種換気:排気のみ機械換気

    それぞれの換気方式の特徴とメリット・デメリットは以下のとおりです。

    換気方式 メリット デメリット
    ①第一種換気
    • ・給気・排気ともにファンで送風する方式で、確実に給排気されるので空気質の確保に最も優れている
    • 熱交換換気と組み合わせが容易で冷暖房の省エネ効果が大きい
    • ・フィルター掃除が簡単
    • ・PM2.5除去フィルターの装着も可能
    • ・ファンが2台となるので省電力化のための配慮が必要
    • ・ダクトが長くなるので、適切な設計と給気口を含めたメンテナンス性の確保が非常に重要
    ②第二種換気
    • ・室内が外気よりも高い気圧になり、ドアや窓を開けても外からの菌や汚染物質が入りにくくなるため、清浄な空間を維持する必要がある病院の手術室やクリーンルームなどで一般的
    • ・給気を太陽熱や地中熱で余熱する場合に用いられることもある
    • ・木造では壁内結露のリスクが高くなり、室内温度・湿度が外気の影響を強く受けるなどの理由から、一般住宅ではあまり採用されない
    ③第三種換気
    • ・排気ファン1台のみのシンプルな構成で低コスト
    • ・従来から主流の機械換気方式
    • ・建物の気密が悪いと換気がきちんと行われないリスクがある
    • ・家中の給気口を個別に掃除する必要がある
    • ・熱交換換気の利用は難しい

     

     

    建物のすき間が少ない高気密・高断熱住宅では、1度室内に湿気や熱気が入り込むと排出しにくい傾向があるため、機械で強制的に給気と排気を行える第一種換気システムを設置することで効率的に室内の空気の入れ替えができます

    また、第一種換気で「熱交換換気」を導入すれば、さらなる冷暖房エネルギーの削減などのメリットが得られます。

    次章では、第一種換気の熱交換換気システムについて詳しく解説します。

     

    熱交換換気システムの仕組みとメリット・デメリット

    熱交換換気とは、換気ユニット内の吸気と排気との空気の流れの間に「熱交換素子」を設置し、冷暖房された室内からの排気の熱を外からの給気に回収させることで、冷暖房のムダを大きく削減できる換気方式です。

    熱交換換気の省エネ性能

    (引用)ブルーハウスホームページ|Panasonic一種換気(全熱交換)

     

    熱交換換気を組み込んだ第一種換気システムなら、換気によって室温が大きく変化することがなく快適性を保て、冷暖房エネルギーも抑えて省エネにつながります。

     

    熱交換換気システムの「全熱交換型」「顕熱交換型」の違い

    パナソニックの全熱交換型第一種換気システム

    熱交換換気システムには「全熱交換型」と「顕熱交換型」があります。

    全熱交換型は室内の温度と水蒸気の両方を外気に移して給気するのに対し、顕熱交換型は温度のみを外気に移して給気する方式です。

    全熱交換型は日本で広く普及しており、冬の乾燥緩和や夏の除湿を重視する場合に有効です。顕熱交換型は海外では一般的な方式で、給気の清浄度を優先する場合に有効な方式になります。

    「全熱交換型の第一種換気システム」を取り入れることで「温度」「湿度」の両方をコントロールしやすくなります。

     

    ブルーハウスでは、全熱交換型の第一種換気システム(パナソニック製)を採用しています。

    熱回収により空調負荷を軽減し冷暖房コストを抑えるほか、冬場は冷たい外気を室温に近づけて給気するので、冷たい空気が侵入する不快感を軽減します。

    また、全熱交換型の第一種換気システムはフードの数を大幅に減らすことができるため、こだわりのデザインを邪魔することなく換気システムを導入できます。

     

    熱交換換気システムがいらなかったと後悔しないためのポイント

    熱交換換気システムがいらなかったと後悔しないためのポイント

    「熱交換換気システムはいらない」という声をインターネットで目にすることがあります。いらないと言われる理由を調べると、以下のような口コミが見られました。

    • ・初期費用が高い
    • ・お手入れが面倒
    • ・省エネ効果を感じられない

    上記のような熱交換換気システムの後悔を防ぐためのポイントを紹介します。

     

    お手入れしやすい機種を選ぶ

    熱交換換気システムを適切に運用し続けるためには、メンテナンスのしやすさがとても重要です。

    換気設備には空気の汚れをキャッチするフィルターや防虫網が設けられています。フィルターや網が詰まってしまうと空気が動かなくなり、うまく計画換気ができなくなるため、簡単に掃除できる機種を選ぶようにしましょう。

    ブルーハウスが採用している全熱交換型の第一種換気システムは、排気用フィルターを外さずに掃除ができます(月1回程度)。

    また、粗塵防虫フィルターは取り出し時に虫が室内に入らないよう工夫されているなど、お手入れしやすさにもこだわった機種です。

     

    熱交換換気の性能にこだわる

    熱交換換気を選ぶ際は、排気の熱をどれだけ回収できるかを示す「熱交換効率」がなるべく100%に近い、高効率な製品を選びましょう。

    また、本体の気密性が高く効率的に換気できるかを示す「有効換気量率」も100%に近いものがおすすめです。

     

    局所換気を多用しすぎない

    熱交換換気システム本来の性能を発揮させるには、ニオイ対策などで局所的に換気が必要なキッチンやトイレ、浴室などの換気扇との組み合わせにも気を配る必要があります。

    局所換気を多用すると、全熱交換換気のバランスが崩れ、効果が低下する可能性があります。

    局所換気は、小風量で短時間だけ運転するようにするのがおすすめです。また、切り忘れを避けるために、換気扇のスイッチを照明と連動させたり、使う時だけ作動する人感センサーを設置したりするのも有効です。

     

    熱交換換気や24時間換気システムに関するQ&A

    熱交換換気や24時間換気システムに関するQ&A

    最後に、熱交換換気や24時間換気システムに関するよくある質問についてQ&A形式でまとめました。

     

    換気システムを24時間稼働すると室内が暑く・寒くならない?

    換気すると外気が取り込まれるため、「24時間換気システムを稼働すると、夏の暑さや冬の寒さが室内に伝わってしまうのではないか」と思う方もいるかもしれません。

    外気をそのまま室内に取り込む(給気する)第三種換気システムは、外の寒さや暑さを感じやすくなるため、給気口の設置場所に工夫が必要になります。

    一方、熱交換換気を組み込んだ第一種換気システムなら、室内から出ていく冷暖房された熱を逃がさず、取り込んだ外気に移して室内に給気するため、換気によって室温が大きく変化することがなく快適性を保てます。さらに、冷暖房エネルギーも抑えられます。

     

    家を建てた後で熱交換換気システムを後付けできる?

    家を建てた後やリフォーム時にも、熱交換換気システムを設置することは可能です。

    新築時だけでなくリフォーム時にも取り入れやすい、換気ユニットを壁に埋め込むダクトレスタイプの熱交換換気システムもあります。

    ただし、ダクトレスタイプの熱交換換気システムは1住戸に3~5個程度設置する必要があるためコストがやや大きく、全てのフィルターをメンテナンスするコストや手間もかかる点に注意が必要です。

    また、断熱性・気密性が低い住宅では、屋外の空気が隙間から出入りすることで熱交換換気システムを導入しても計画的な換気ができない可能性があるため、断熱・気密リフォームも併せて実施するのがおすすめです。

     

    まとめ

    熱交換換気システムの仕組みやメリット・デメリット、後悔しないためのポイントについて詳しくご紹介しました。

    熱交換換気システムは、冷暖房された室内の熱を回収し、外気を快適な温度で取り込むことで、冷暖房費を削減しながら快適な空気環境を維持できます。

    熱交換換気の導入で後悔しないためには、メンテナンスのしやすさ熱交換効率・有効換気量率を重視した機種選びや、局所換気とのバランスなどが重要です。

    ブルーハウスでは、高い熱回収効率とメンテナンスのしやすさを兼ね備えた全熱交換型の第一種換気システムを標準採用し、一年中快適で省エネな暮らしをサポートします。

    豊橋・豊川での注文住宅を検討する際は、換気システムにも注目して工務店やハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。

     

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