知っているようで知らない「自由工事」の本当の意味

住宅の「自由工事」と聞くとどんなことをイメージしますか?

「どんな間取りでも実現できる」

「普通と違っていても自分の好きな工事ができる」

などのイメージを持っている人が多いと思います。

もちろん、これは正解です。しかし、正解でも「全て」に対応できるわけではないというのは知っていますか?

皆さまに満足のいく家づくりをして欲しいという思いで、今回は自由工事について徹底的に解説したいと思います。

家づくりについてできることとできないこと、それをはっきりさせることで、本当の望みを実現することができると考えています。

本当に満足できる住まいを実現するための一助になれば幸いです。

目次

 

自由工事の本当の意味

自由工事と聞くと、住宅のあらゆる面を自由に決められると思う人もいるかもしれません。例えば、基本的な建物の素材が木造かR造か、平屋か2階建て・3階建てか、外装は洋風か和風か…など、全てを0から作っていけるのか?という疑問を持つ人も多いです。

実際は、

「自由工事」をそのハウスメーカーや工務店がどう捉えて謳っているかによって、自由度は千差万別

というのが答えです。

本当に全てを決められる「完全自由」という意味で使っている工務店もありますし、基本的な仕様が決まっていて間取りのアレンジができるという意味で自由工事という言葉を使っているハウスメーカーもあります。

自由工事の主流=建築条件付土地を購入して新築すること

現在主流となっているのは、「建築条件付土地」を購入して、自由工事で建てるというケースです。建築条件付土地とは、不動産会社やハウスメーカーまたは関連会社が販売している住宅用の土地のことです。その土地を買って家を建てる場合は、指定されたハウスメーカーや工務店で、決められた期間内に居住用の家を建てることが条件になっています。

土地と建物をセットで購入するので、契約的には建売住宅とほぼ同じになります。しかし、まだ建物が建っているわけではないので、土地売買契約と、指定の施工業者との建築請負契約も同時に結ぶことになります。

そのため、土地を購入してから、正式に家の間取りや仕様などを決めるまでに一定期間が決められており、その間に指定された建築業者と建築請負契約を結ぶことが条件になります(一定期間=約3ヶ月程度と決まっていることが多い)。

自由工事でよくあるトラブル

この時にトラブルになるのが「自由工事と聞いていたのに、実際は施工業者の提案したものの中からしか選べなかった」という問題です。

こうしたトラブルは、自由工事と注文住宅を混同していて起きる誤解から生まれています。

自由工事といわれている建築条件付土地は、宅地を売り出す段階で、その土地の建築確認を取得しなければ広告を出したり売買契約をしたりできません。建築確認とは工事をする前に建物や地盤が都市計画法や建築基準法の規制に引っかからないかを確認することです。

ということは、新築用の建築条件付の土地は、建物の工事や敷地配置などの計画をあらかじめ申請済みということになります。

例え、まだ更地の状態だとしても、自由工事だからといって法規制に適合しない建物は建てられませんし、取得した建築確認から大きく外れた建物は建てられないのです。

注文住宅の場合は、土地の売買契約と建物の建築請負契約は別々ですから、土地に対してどの建築会社で建てるかは自由であり、工事のための土地の調査や確認申請も土地の購入契約をしてから建築士やハウスメーカーが改めて行うので工事や着工に対する時間の制約がなく、そして工事内容も法規制を侵さない限りは自由です。

結論は、「ある程度の工事や配置は決まっていて、その中でアレンジができる」というのが、現在の自由工事という言葉の主流なのです。建売住宅と注文住宅の中間の意味と考えるとわかりやすいです。

 

自由工事のメリットは?

注文住宅よりもコストは低め

こうして見ると、一見自由工事は不自由が多く見えますが、逆に考えれば自由工事は予め決まっている条件から可能な範囲でアレンジをする方法なので、一般的な0から建てる注文住宅よりもコストが抑えられます。

特注の部材を用意するよりも、すでにある規格品を使う方が安いということです。土地の金額も、建築費用とセットが前提のため単独での土地販売よりも安くなっていることが多いです。

間取りを重視する人に向いている

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内外装や設備は決まっていても、間取りが自由であるということは大きなメリットです。

特に子どもを持つ家庭や高齢者との二世帯同居など、間取りに最大にこだわりたいという人には向いています。

また、デザインやテイストが変えられないのなら、始めから自分の好きなテイストのプランがある建築会社の建築条件付土地を探すという方法もあります。

工事期間が注文住宅よりも短い

デメリットを逆に考えると、プラン決めのリミットや建築会社が決まっていることは、スピード感を持って家づくりができるということでもあります。

建築会社側も始めから使う部材や設備が分かっているので、工期は比較的短くなります。

比較的短期間で、暮らしに合う間取りアレンジがされた一戸建てを手に入れる方法としては優れています。

 

各建築会社による自由工事の言葉の使い方

ハウスメーカーと工務店を主として、それぞれが謳う自由工事の意味しているところを調べてみました。

主なハウスメーカーの自由工事

ここでは、主に大手のハウスメーカーが販売している自由工事の家の内容について解説します。これが全てではなく、メーカーごとに意味が異なりますので気になるメーカーがあれば個別に確認しましょう。

選択肢を限りなく増やして選んでいくパターン

平屋、2階建て、3階建てなど大まかな希望を選び、さらにそこから間取りのプランが数十種類用意されているというパターンです。

個人用のプランを新しく作るのではなく、住宅タイプや間取りのパターンや事例をたくさん用意して、その中から最も合ったものを選んでいく建て方です。とはいえ、間取りのプランは数十種類以上あるため、自分の望むプランに近いものは選べるでしょう。

もし気になる点があれば、相談することで多少のアレンジが可能な場合もあります。

間取りは完全自由というパターン

内外装、設備は基本プラン内からの選択になるが、間取りは完全にオーダーメイドできるパターンです。完全自由工事、フリープランなどと記載されていることもあります。

このパターンを選ぶときのポイントは、メインとなる住宅の素材や内外装材のテイストです。間取りは自由に決められるので、それ以外の部分に各社がどんなプランを用意しているかを比較して検討しましょう。

例としていくつかの建築会社の自由工事のプランを紹介しましょう。こちらも、あくまで一例で、実際には各会社ごとに多様なプランが用意されています。

「木の家」をコンセプトにした自由工事プラン

天然素材にこだわり、内装は天然木をできるだけそのまま使う形で仕上げるというプランです。

フローリングやドア、階段、柱、梁、家具などは年数が経っても天然木の香りが感じられ、リラックス効果、居心地の良さを追求した自由工事プランになっています。

天然素材にこだわることで都会的やモダンなイメージにするのは難しいですが、木のぬくもりがある家に住みたい人にはこうしたプランが最適だと思います。

予算別に家の要素を組み合わせる自由工事プラン

建築費1000万円台、2000万円台など予算に合わせたプランがあり、プランに対応する階数(平屋、2階建て、3階建て以上など)と数十種類の間取り、内外装のカラーを組み合わせてつくる家です。

特に予算をあまりかけられないけれど間取りにこだわりたい人に向いています。内外装や設備は指定の規格品ですが、その中でも色を選ぶことで個性を出すことができます。

 

注文住宅は自由工事なのか?

注文住宅は全てが自由な家づくり

それでは、「注文住宅は自由工事なのか」という点についてですが、これまでの話からまとめるなら、

自由な工事ができるという意味では確かに注文住宅も自由工事と言えるが、土地に対して建築会社の指定がなく、デザインや設備などの指定もないので

「間取りだけでなく全てが自由」

というのが注文住宅であるといえるでしょう。

 

より自由な建築物を求めるなら?

細部にまでこだわった注文住宅

自分だけのこだわりの家をつくりたい、家づくりのプロセスを楽しみたいという人には、建築条件のある自由工事よりも、注文住宅が向いています。

しかし、注文住宅ができる会社ならどこでもよいというわけではなく、各ハウスメーカーや工務店ごとに注文住宅に対する考え方は違いますし、得意なテイストや構法も違います。自分が望む家のこだわりと、考え方がマッチしている会社を選ぶとよいでしょう。

 

まとめ

家族のコミュニケーションを重視したキッチン

家を建てるときに大切なのは、自分が重視する点をはっきりさせることです。

予算なのか、立地条件なのか、生活動線なのか、健康への配慮なのか…視点は様々ですし、どれも大切なのですが、その中でも家族全員で優先順位を決めていくことが重要です。

順位を付けていく中で、予算内でできる間取りの希望や収納の量、庭や駐車場の希望、使いたい建材や水回り設備、インテリアなど細かい部分まで考えていくことになります。

その時に頼りになるのが、住宅会社の営業マンや、担当する建築家、工事士の存在です。

お客様の理想を実現するため、例え土地や予算に制約があっても、条件内で最大に希望を叶えるプランを提案してくれるでしょう。

よい出会いのためにも、その住宅会社がどんな形式の住宅を販売しているのかを知っておくことは重要です。宅地を販売している場合は建築会社の指定があるか、自由に選べるかをチェックしましょう。

建築会社の指定があるなら、その会社の建てている住宅の事例を見たり、自由工事でできる範囲を調べたりすることで、希望にマッチしそうな家が建てられるかをある程度知ることができます。

こだわりのデザイナーズ住宅はブルーハウスにお任せください

ブルーハウスでは、全てのお客様に対して、一人ひとりに合った、オリジナルのプランをご提案しています。同じものが1つとしてない、本物のオーダーメイド住宅をお届けします。ご自身やご家族のライフスタイルや価値観、好きなものなどを丁寧にヒアリングさせていただき、土地に合わせた快適性や生活動線も考慮しながらプランをつくっています。

もちろん、ご予算に合わせたご提案も可能です。注文住宅を専門につくっている会社だからこそ、現状の自由工事のあり方も熟知しています。

注文住宅だから、自由工事だから、どちらがいいのではなく、「ブルーハウスだからよい」と言っていただけるような家をつくるため、スタッフ一同、親身に、真剣にご相談に乗らせていただきます。

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著者情報

株式会社ブルーハウス 編集チーム

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