高断熱窓で実感できる効果|選び方・リフォーム方法・費用・補助金まで解説

高気密高断熱住宅のエアコンのポイント6選|使い方や選び方、適した台数や種類を解説

住まいの快適さを左右する要素はいくつもありますが、なかでも窓は、寒さ・暑さ・結露といった悩みに直結する見逃せない存在です。

どれほど断熱性能の高い住宅でも、窓選びを誤るとその性能を十分に活かすことができません。近年は補助金制度の後押しで高断熱窓への関心が高まる一方、期待したほど効果を感じられなかったという声も聞かれます。

そこで本記事では、高断熱窓で期待できる効果や選び方のポイント、リフォーム方法などを、家づくりの専門家視点でわかりやすく解説していきます。

一年を通して快適に過ごしたい方や、窓選びで後悔したくないと感じている方は、ぜひ参考にしてください。

<コラムのポイント>

・高断熱窓によって実感できる主な効果をお伝えしています。
・高断熱窓を選ぶ際に押さえておきたいポイントを解説しています。
・住まいの目的に合わせた高断熱窓リフォームの方法を紹介しています。
・高断熱窓リフォームの価格・費用相場の考え方と、無理のない進め方について解説しています。
・高断熱窓リフォームで気になる補助金・助成金制度と注意点を整理しています。

    高断熱窓リフォームで実感できる効果

    高気密高断熱の住宅のリビング

    住まいを快適に保つうえで、窓の断熱は見落とせないポイントです。

    開口部である窓は外の寒さや暑さの影響を受けやすく、断熱性能をどう考えるかで住環境の心地よさは変わってきます。

    この章では、断熱性を高めた窓によって実感しやすい主な3つの効果をわかりやすくお伝えします。

    熱の出入りが抑えられ、一年中室内の温度が安定しやすくなる

    高断熱窓によって断熱性能が高まると、熱の出入りが抑えられ、外気の影響を受けにくくなります。

    季節を問わず室内の温度が安定しやすくなるため、毎日の暮らしがより快適になります。

    こうした温度環境は、冬場のヒートショックのリスクを防ぐうえでも重要です。

    結露が減り、カビやダニの発生を防ぐことができる

    高断熱窓は、結露対策としても有効です。

    断熱性能が高まることで室内外の温度差が小さくなり、ガラス表面の温度が保たれやすくなります。

    その結果、結露が低減されカビやダニが発生しにくく、清潔な室内環境を保ちやすくなります。

    冷暖房の効率が高まり、光熱費の削減につながる

    高断熱窓を採用すると、冷暖房の効率が高まり、光熱費の削減につながるのもうれしい効果です。

    窓からの熱の出入りが抑えられることで、室内の温度が安定しやすくなり、エアコンの設定温度を無理に上げ下げする必要が少なくなります。

    お住まいの状況や暮らし方によって差はあるものの、断熱性能の高い窓に変えることで、年間で数千円から数万円程度の光熱費削減が期待できるとされているのです。

    参考:環境省

    高断熱窓の選び方で押さえておきたいポイント

    高断熱窓でかなえる住環境が整った家づくり

     高断熱窓は、窓の種類や住まいの条件によって、感じられる効果が異なる点に注意が必要です。

    この章では、断熱性能を重視して窓を選ぶ際に押さえておきたい3つのポイントを紹介します。

    断熱性能は、ガラスとサッシの組み合わせで考える

    高断熱窓を検討する際は、熱貫流率(窓やドアから熱がどれだけ伝わりやすいかを示す指標)をひとつの目安としながら、窓全体の構成を見ることが重要です。

    窓の断熱性は、ガラスの性能だけでなく、サッシの素材や構造との組み合わせによって大きく左右されます。

    数値はあくまで判断材料のひとつとして捉え、既存の窓枠や壁との納まりも含めてリフォームを検討していきましょう。

    暖かさだけでなく換気にも目を向ける

    断熱性能の高い窓を取り入れると、室内は暖かくなる一方、空気の流れが停滞する場合があります。

    換気がうまく機能していないと、気づかないうちに水蒸気が発生(内部結露)してしまうケースも少なくありません。

    高断熱窓を選ぶ際は、窓単体の性能だけでなく、換気も含めた住まい全体のバランスを意識しておくことが大切です。

    高断熱窓は、施工の質で効果が変わる

    窓の断熱性能は、施工の質によって、実際に感じられる効果に大きな差が出ます。

    窓まわりは構造が複雑なため、わずかなズレが起こりやすい部分です。施工の精度が低いと、すき間やゆがみが生まれ、気密性が十分に確保できないこともあります。

    特にリフォームでは、既存の壁や開口部との納まりが重要です。施工の精度は、断熱性や遮熱性だけでなく、防犯性にも影響します。

    窓の性能をしっかり活かすためには、製品選びと同じくらい高度な施工技術が必要です。

    〈関連情報〉
    ブルーハウスの建築家とつくる家

    目的に合わせた高断熱窓リフォームの方法

    開放感のあるLDK空間

    高断熱窓のリフォームにはいくつか方法があり、住まいの状況や目的によって適した選択肢は異なるものです。

    この章では、代表的な高断熱窓リフォームの方法をわかりやすく紹介していきます。

    リフォームの場合は内窓(二重窓)設置

    内窓(二重窓)は、リフォームで取り入れやすい断熱対策のひとつです。

    既存の窓の内側にもう一枚窓を設けることで、窓と窓の間に空気層が生まれ、外気の影響を受けにくくなります。

    窓枠の奥行きが足りない場合でも、ふかし枠(奥行きを補うための部材)を使って設置できるケースが多く、施工が比較的手軽なのも特徴です。

    工期は基本的に1日で、内容によっては数時間で完了します。住みながら工事できる点も、内窓が選ばれやすい理由のひとつです。

    部分的に断熱性能を高めたい場合はガラス交換 

    部分的に断熱性能を高めたい場合は、既存の窓枠を活かして、ガラスのみを交換する方法があります。

    単板ガラスを複層ガラスやLow-E複層ガラスに替えることで、窓からの熱の出入りが抑えられ、 寒さや暑さへの対策として効果が期待できるリフォームです。

    工事が大がかりになりにくく、内窓を設置するほどのスペースが取れない住まいでも検討しやすいといえます。

    断熱性能を根本から見直す場合は窓交換

    寒さを根本から改善したい場合は、サッシを含めて窓全体を交換する方法が有効です。

    ガラスをLow-E複層ガラスやトリプルガラスに、サッシをアルミから樹脂サッシへ変更することで、断熱性や遮音性を大きく高めることができます。

    一方で、窓交換はほかの方法に比べて費用が高額になりやすいため、期待できる効果と費用のバランスを見ながら検討しましょう。

    なお、窓の断熱リフォームを家全体の視点で整理したい方は、以下の記事も参考になります。

    高断熱窓リフォームの価格目安と考え方

    高断熱窓の価格イメージ

    窓の工事費用は、リフォーム方法や工事範囲、窓のサイズによって大きく変わるものです。

    この章では、高断熱窓リフォームの価格の目安と無理のない考え方について解説します。

    リフォーム方法によって価格は大きく変わる

    高断熱窓の工事価格は、リフォーム方法によって大きく変わります。

    前述した通り、内窓の設置やガラス交換のように既存の窓を活かす方法もあれば、窓全体を交換するケースもあり、工事内容や範囲によって価格帯はさまざまです。

    まずは、代表的なリフォーム方法ごとの費用目安を整理しながら、「どの窓を、どこまで改善したいのか」を考えるヒントとして見ていきましょう。

    ■高断熱窓リフォームの価格の目安

    リフォーム方法 窓サイズの目安 価格の目安 特徴
    内窓(二重窓)設置 掃き出し窓(W1700×H2000前後) 約8〜15万円 工期が短く、断熱効果を実感しやすい
    ガラス交換 腰窓〜掃き出し窓 約5〜15万円 既存サッシを活かせる
    窓全体の交換 掃き出し窓・大開口 約15〜60万円 断熱・遮音を根本から改善

     

    ※窓の大きさ、選ぶ性能、建物の条件(木造・RCなど)によって価格は大きく変わります。

    価格だけを見ると差が大きく感じられますが、窓のサイズが大きいほど、断熱性能を高めたときの体感は得られやすい傾向があります。

    そのため、相場はあくまで目安として捉え、「どの窓を、どこまで改善したいのか」をイメージしたうえで、工事方法を検討することが大切です。

    必要な窓から検討する方法も

    高断熱窓は、まずはリビングなど、家族が長く過ごす場所から取り入れる方も多いです。

    条件によっては、1か所だけの対策でも、寒さや暑さの感じ方が変わり、住み心地の違いを実感できる場合があります。

    ただし、窓の向きや大きさによっては、複数の窓をあわせて見直さないと、十分な効果を感じにくいケースもあります。

    どの窓を優先すべきか迷った場合は、ブルーハウスでも住まい全体を見たうえで、必要な窓から検討するご相談を行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。

    高断熱窓リフォームで活用できる補助金についてのよくある質問

    高断熱窓の補助金に関するよくある質問

    最後に、高断熱窓のリフォームを検討する際に、多くの方が気になる「補助金は使えるのか」「手続きはどう進めればよいのか」といったポイントを、Q&A形式で解説します。

    制度の考え方や注意点を整理しながら、後悔しないためのヒントをお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

    高断熱窓のリフォームで、補助金は使えますか?

    高断熱窓のリフォームでは、内容や条件が合えば、国の補助制度や自治体の助成金を活用できる場合があります。

    代表的な制度が、国の「先進的窓リノベ事業」です。一定の性能基準を満たす高断熱窓へのリフォームを行うことで、2026年は1戸あたり最大100万円の補助が受けられる予定です。

    このほかにも、窓の断熱改修を含む省エネリフォームを対象とした「みらいエコ住宅支援事業」や、県・市町村が独自に実施している助成制度が用意されている地域もあります。

    参考:先進的窓リノベ事業(環境省)
       みらいエコ住宅支援事業(国土交通省)

    補助金の申請は、自分で行う必要がありますか?

    多くの補助金制度では、登録された施工事業者が申請手続きを行う仕組みになっています。

    そのため、一般的にはご自身で複雑な書類作成や申請作業を行う必要はありません。

    補助金の対象になるかどうかも含めて、検討段階で施工会社に確認しておくと安心です。

     補助金を利用する際の注意点はありますか?

    押さえておきたいのは、補助金には予算の上限があり、上限に達すると受付が終了してしまう点です。

    「先進的窓リノベ事業」も、状況によっては予定より早く締め切られることがあるため、検討し始めた段階で最新情報を確認しておくと焦らずに済みます。

    また多くの制度では、補助金の支給が工事完了後となります。そのため、工事費用はいったん自己負担になるケースがほとんどです。

    補助金をきっかけに高断熱リフォームを考える場合でも、まずは住まい全体の性能や考え方を知っておくことで、自分に合った判断がしやすくなります。

    高断熱住宅については、以下の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてみてください。

    〈関連情報〉

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    まとめ|高断熱窓の効果を活かした住まいづくりを考えるなら

    今回の記事では、高断熱窓の効果や選び方、リフォーム方法、補助金・助成金との向き合い方について解説しました。

    高断熱窓は、寒さや暑さ、結露対策に効果が期待できる一方、すべての窓を一度にリフォームしようとすると、費用が高額になりやすい面もあります。そのため、住まいの中でどの窓を優先するかを整理し、段階的に進めていく考え方も有効です。

    条件が合えば、国や自治体の補助金・助成金を上手に活用することで、費用負担を抑えながらリフォームできる可能性もあります。今の住まいで感じている不満や、これからの暮らし方を見据えながら、無理のない方法を選んでいきましょう。

    ブルーハウスでは、住まいの状況やご家族の暮らしに合わせて、無理のない窓リフォームをご提案しています。

    高断熱窓について検討を始めた方は、ブルーハウスの家づくりの工夫についても、ぜひチェックしてみてください。

     

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