木造で高断熱住宅を建てるメリット・デメリット|断熱性の比較や断熱材の特徴も解説

木造で高断熱住宅を建てるメリット・デメリット|断熱性の比較や断熱材の特徴も解説

本記事では、木造で高断熱の注文住宅を建てるメリット・デメリット断熱性の比較断熱材と工法ごとの特徴について、解説します。

木造で、高断熱の注文住宅をご検討の方は、断熱性能の種類や特徴を確認し、ご希望にあった家づくりをするために、ぜひ参考にしてくださいね。

 

<コラムのポイント>

・木造で高断熱住宅を建てるメリット・デメリットがわかります。

・断熱性を比較する方法や断熱性を高めるポイントがわかります。

 

高断熱住宅とは

高断熱住宅とは

<高断熱の注文住宅の施工事例>

高断熱住宅とは、外壁や窓などに断熱性の高い素材を使用することにより、外気の影響を受けにくくし、室内を適温に保ちやすい性能を持つ住宅です。

一般的に、気密性も高く設計されており、建物の隙間から空気が漏れるのを防ぐ構造になっています。

これらによって、夏は涼しく、冬は暖かい住環境を実現します。

木造の高断熱住宅を建てるメリット

木造の高断熱住宅を建てるメリット

<高断熱なデザイン住宅の施工事例>

木造で高断熱住宅を建てるメリットについて、順番に確認してみましょう。

・木造はそもそも断熱性が高い

・木造はコストを抑えられる

・木造は調湿効果があり日本の気候に合う

・高断熱で電気代を抑えられる

・選べるハウスメーカーやデザインが豊富

木造はそもそも断熱性が高い

木造は、鉄骨造や鉄筋コンクリート造と比べて、熱伝導率が低く、外の寒さが室内に伝わりにくい性質を持っています。

外気の影響を受けにくいため、室内を適温に保ちやすい構造だといえます。

一方で、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は、熱伝導率が高いため、断熱性を高めるために、外壁に「外断熱」工事をおこなうなど、コストが高くなる傾向です。

木造はコストを抑えられる

木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造のなかで、一番コストパフォーマンスに優れているのは木造です。

国税庁による令和7年度の構造別工事費用を基にした下記表を見てみましょう。

 

【全国平均の構造別工事費用】

構造

坪単価

延床30坪の場合

(本体工事費)

木造

72

2,160万円

鉄骨造(S造)

104

3,120万円

鉄筋コンクリート造(RC造)

112

3,360万円

参照サイト:国税庁 地域別・構造別の工事費用表【令和7年分用】

延床30坪の住宅の場合、鉄筋コンクリート造と比べて木造を選ぶこと、本体工事費を1,000万円以上抑えることが可能です。

木造は調湿効果があり日本の気候に合う

木造には、調湿効果があり、ジメジメした梅雨の時期と乾燥しやすい冬の時期がある日本の気候に適した構造です。

木材は、湿度の高い時期には、湿気を吸収し、湿度が低い時期には、湿気を放出する性質を持っています。

そのため、室内の湿度を一定に保ちやすく、快適性の向上に繋がります。

高断熱で電気代を抑えられる

木造の高断熱住宅を建てるメリット

高断熱住宅は、電気消費を抑えながら、快適な室内環境を維持することが可能です。

そのため、夏や冬など、外気との温度差が高くなる時期でも、電気代を抑えられるメリットがあります。

選べるハウスメーカーやデザインが豊富

国土交通省による令和6年度の新築建築物データでは、低層住宅の約9割が木造住宅です。

木造住宅が主流な日本では、ほとんどのハウスメーカーで木造を建てることができ、選べるバリエーションも豊富です。

デザインや住宅性能、コストなどを比較し、理想の高断熱住宅を建てることができます。

参照サイト:国土交通省 新築建築物に占める木造建築物の割合(R6年度着工)

木造の高断熱住宅を建てるデメリット

木造の高断熱住宅を建てるデメリット

木造の高断熱住宅を建てるデメリットについても、確認してみましょう。

・高断熱性にするためのコストがかかる

・冬は乾燥しやすくなる場合がある

・結露が起こる場合がある

高断熱性にするためのコストがかかる

木造に限った話ではありませんが、高断熱住宅にするためには、一般的な住宅と比べて、建築コストが割高になります。

高性能な断熱材の使用や気密性を高める構造にするためです。

冬は乾燥する場合がある

調湿効果がある木造住宅でも、高断熱住宅の場合、冬は乾燥する場合があります。

なぜなら、室内の温度が暖められると、湿度は低下するため、暖かい室温を維持できる高断熱住宅は、乾燥しやすい性質を持っています。

冬は加湿器を設置するなど、乾燥対策が必要になるケースがあります。

結露やカビが発生する場合がある

気密性の高い高断熱住宅では、換気がうまくおこなわれないことで、結露やカビが発生する場合があります。

断熱性と気密性が高いことで、冬は常に外気と室内の温度差が高くなり、窓際などに結露が発生しやすくなります。

結露によって、室内の湿度が高まり、カビを発生させる原因となります。

そのため、高気密高断熱住宅では、湿気が家のなかにこもってしまうことがないように、換気対策が重要です。

換気システムが十分機能することで、結露やカビ発生を防ぐことができます。

木造で高断熱住宅にするポイントと比較方法

木造で高断熱住宅にするポイントと比較方法

<高断熱な中庭のある注文住宅の施工事例>

高断熱住宅にするために、押さえておきたいポイントと比較方法を確認してみましょう。

・窓の断熱性の高さ

・断熱等級で比較

窓の断熱性の高さ

住宅のなかで、一番熱の出入りが大きいのは、窓やドアなどの開口部です。

そのため、高断熱住宅にするためには、壁の断熱材以上に、窓の断熱性の高さが重要になります。

窓は、おもに「窓ガラス」と「窓サッシ」の2つのパーツから成り立っており、断熱性の高さは、下記の順番です。

・窓ガラス:「単板ガラス」<「複層ガラス」<「Low-E複層ガラス」

・窓サッシ:「アルミサッシ」<「アルミ樹脂サッシ」<「樹脂サッシ」

Low-E複層ガラスの樹脂サッシが、断熱性の高い窓になります。

断熱等級で比較

高断熱住宅を選ぶ際に、確認したい指標が「断熱等級(断熱等性能等級)」です。

断熱等級とは、住宅の断熱性能を評価する基準であり、等級1~7まであります。

断熱等級は、外皮平均熱貫流率「UA値」と冷房期の平均日射熱取得率「ηAC値」で評価しており、最高等級は7です。

 

【断熱等級ごとのレベル】

等級

レベル

7等級

最高等級であり、熱損失のより著しい削減が可能

6等級

断熱性が高く、熱損失の著しい削減が可能

5等級

2030年以降の新築住宅の最低基準になる予定

4等級

2025年以降の新築住宅の最低基準

3等級

平成4年の新省エネ基準

 

国は、省エネ性能の高い高断熱住宅の普及を目指しており、2025年以降は、断熱等級4以上の新築住宅にすることを義務化されています。

参照サイト:国土交通省 住宅:住宅の品質確保の促進等に関する法律

詳しくは:国土交通省 断熱性能 | ラベル項目の解説

 

高断熱住宅にする工法や断熱材の違い

高断熱住宅にする工法や断熱材の違い

<高断熱な平屋の施工事例>

高断熱住宅のなかでも、工法や断熱材の種類によって、コストや断熱の特徴が異なります。

ご家庭の条件に合った高断熱住宅を建てるために、それぞれの特徴を確認してみましょう。

【工法】充填断熱と外断熱の特徴

断熱性を高める工法には、おもに「充填断熱」「外断熱」があります。

充填断熱とは、建物内部に断熱層をつくる工法であり、広く一般的に用いられています。

外断熱と比べて、コストを抑えることが可能です。

一方で、外断熱とは、構造躯体の外側に断熱層をつくる工法になります。

建物全体を覆うため、気密性は高くなりますが、コストも割高になる傾向です。

【断熱材】種類と特徴

断熱材の種類ごとの特徴は、下記の通りです。

 

種類

特徴

グラスウール

・木造住宅で最もメジャー

・安価で耐久性が高い

ロックウール

・防火性と防音性が高い

・国内普及率は低く、高コスト

押出法ポリスチレンフォーム

・発泡プラスチック系断熱材

・断熱性が高い

フェノールフォーム

・フェノール樹脂に発泡剤と硬化剤を加えた断熱材

・断熱性と耐久性が高いが、高コスト

硬質ウレタンフォーム

・壁に吹き付けるタイプが多い

・断熱性と耐久性が高い

 

断熱材の性能の高さは重要ですが、施工方法によって、断熱性の高さは異なるため、上記は、参考程度にするのが、良いでしょう。

まとめ

木造で高断熱住宅を建てるメリット・デメリットや高断熱にするポイント、工法や断熱材の特徴について、解説しました。

断熱性の高い住宅にすることで、快適性が格段に向上し、ご家族みんながくつろげる住空間を実現できます。

平屋で高気密高断熱住宅をご希望の方は、豊橋・豊川エリアを中心に愛知県で注文住宅を手がけるブルーハウスにお気軽にご相談ください。

 

ブルーハウスは2024年、豊川市に豊川モデルハウスをオープンしました。ブルーハウスの家づくりをもっと知りたい方、住み心地を体感したい方、デザインを詳しく見てみたい方は、ぜひお気軽にご来場ください。

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