「断熱等級5なのに寒い」はなぜ?新築で後悔しないための高断熱住宅の選び方

「断熱等級5なのに寒い」はなぜ?新築で後悔しないための高断熱住宅の選び方

「断熱等級5」と聞くと、「ZEHレベルの高断熱」「暖かい家」というイメージをお持ちの方も多いと思います。

しかし、実際に住んでみると「思ったより寒い」と感じる場合があります。

そこでこのコラムでは、これから新築を検討する際に知っておきたい、断熱等級5の住宅で寒さを感じる原因と、本当に快適な高断熱住宅を実現するためのポイントを解説します。

<コラムのポイント>

  • ・「断熱等級5なのに寒い」という問題は、断熱性能(UA値)だけでは測れないさまざまな要因が絡み合って発生します。

  • ・快適で本当に暖かい家を実現するためには、断熱・気密・換気・日射の4つの要素をバランス良く設計することが不可欠です。

 

家族が安心して1年中心地よく暮らせるマイホームを実現するために、ぜひ最後までごらんください。

 

断熱等級とは?基本をおさらい

断熱等級5以上のブルーハウスの注文住宅施工事例

断熱等級とは、住宅の断熱性能を示す基準です。

断熱等級は「UA値」と「ηAC値」という2つの数値で決定されます。

  • ・UA(ユーエー)値…建物からの熱の逃げやすさを示す指標(外皮平均熱貫流率)
  • ・ηAC(イータエーシー)値…建物への日射熱の入りやすさを示す指標(冷房期の平均日射熱取得率)

愛知県の豊橋市や豊川市が該当する地域区分「6地域」における、断熱等級別のUA値とηAC値の基準は以下の通りです。

断熱等級 UA値(W/㎡・K) ηAC値 相当する基準
等級7 0.26以下 2.8以下 HEAT20 G3
等級6 0.46以下 2.8以下 HEAT20 G2
等級5 0.60以下 2.8以下 ZEH基準
等級4 0.87以下 2.8以下 現行の省エネ基準
(2025年4月から「建築物省エネ法」で新築時に義務付けられている最低基準)

 

上記のように、2025年時点では、新築住宅の断熱等級は「等級4以上」が必須となります。

「断熱等級5」は、ZEH住宅レベルの断熱性で、2030年には新築で等級5以上が義務化される予定です。

 

断熱等級5にすると冬はどれくらい暖かい?

断熱等級5の断熱性の目安として、「断熱等級の違いによって冬場の室温がどれくらい変わるのか」を紹介します。

〈断熱等級による暖房期の最低室温の違い(6地域の場合)〉

断熱性能 UA値(W/㎡・K) 住空間の暖房期最低室温(部分間歇暖房※) 室温15℃未満の割合
省エネ基準(断熱等級4) 0.87 概ね8℃を下回らない 約30%程度
HEAT20 G1(≒断熱等級5) 0.56 概ね10℃を下回らない 15%程度
HEAT20 G2(断熱等級6) 0.46 概ね13℃を下回らない 10%程度
HEAT20 G3(断熱等級7) 0.26 概ね15℃を下回らない 2%未満

 

上記のように、断熱等級5の家は「冬でも最低室温が約10℃を下回らない」断熱性能を持ちます。

さらに、室温が15℃以下になる場所が等級4と比べ半分に減るため、家中の温度のムラが少なく快適性が向上します。

そして、断熱等級6や7では、冬場の最低室温がさらに上がって寒さを感じにくくなり、室内の温度ムラも小さくなるため不快を感じることがほぼなくなります。

断熱等級の意味や、等級を上げるメリットについては以下のコラムでさらに詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

 

 

「断熱等級5なのに寒い」と感じる理由とは?4つのポイントをチェック

「断熱等級5なのに寒い」と感じる理由とは?4つのポイントをチェック

室温を含めた住宅の快適性を決めるのは断熱等級(Ua値)だけではありません。

「断熱等級5なのに寒い」と感じる主な原因について、4つのポイントを解説します。

気密性の不足

どれだけ高性能な断熱材を使っても、家に隙間が多い(気密性が低い)と、そこから暖かい空気が逃げ、冷たい空気が侵入してしまいます。

これが「断熱等級5なのに寒い」と感じる大きな原因の一つです。

高断熱住宅の性能を十分に引き出すには、高い気密性(C値が小さいこと)が不可欠です。

 

窓の性能

住宅の中で最も熱の出入りが大きいのは窓です。

壁や天井の断熱性能が高くても、窓の断熱性能が低いと、そこから多くの熱が逃げてしまいます。

ガラスの種類(ペアガラス、トリプルガラスなど)サッシの材質(アルミ、樹脂など)が、室内の温度維持に大きく影響します。

 

日射取得・遮蔽の設計

冬に太陽の光(日射)を室内にうまく取り入れて暖房代わりに利用する「日射取得」は、室温を快適に保つために重要です。

逆に夏は、深い軒(ひさし)などで日差しを遮る「日射遮蔽」が必要になります。

断熱等級が高くても、日射取得を考慮していない設計では、冬場に太陽の恩恵を受けられず、寒さを感じやすくなります。

 

換気計画

高気密・高断熱住宅では、計画的な換気が法律で義務付けられています。

この際、熱交換型の換気システムを導入しないと、換気のたびに室内の暖かい空気が外に排出され、冷たい外気がそのまま入ってくるため、室温が下がってしまいます。

 

 

高断熱住宅で後悔しないためのハウスメーカー選びのポイント

高断熱住宅で後悔しないためのハウスメーカー選びのポイント

高断熱住宅を建てる際に後悔しないためには、ハウスメーカー選びが非常に重要です。

以下のポイントを参考に、信頼できるパートナーを見つけましょう。

 

断熱等級を達成する方法や考え方をチェックする

断熱材の性能だけでなく、建物の設計を工夫して断熱性を高めようとしているか確認しましょう。

施工事例やモデルハウスのUa値や断熱等級を調べると、その会社がどのくらいの断熱性を標準としているかがわかります。

断熱等級やUa値の数値だけでなく、それをどのように実現しているかも大切です。

断熱等級を上げたときに、間取りに制限が出ないか、大きな窓が作れるかなど、数値の達成だけでなく、住みやすさとのバランスを考えた設計をしている会社を選びましょう。

 

パッシブデザインを取り入れているか

断熱等級が高く快適で、開放感やデザインも備えた住まいを実現するなら、外皮(外壁や屋根、床など)の断熱性能だけでなく、季節や天候に応じた自然エネルギーを利用する「パッシブデザイン」の考えを取り入れた家づくりをしている工務店やハウスメーカーを選びましょう。

例えば、窓をできるだけ少なく、小さくすればUa値が高くなり、数値上の断熱等級は比較的簡単に達成できます。

しかし、それでは住む人が圧迫感を感じたり、間取りの希望、理想の暮らし方を実現できなかったりする可能性があります。

窓という要素1つとっても、1枚1枚の役割や方位などを考えて、引き違い窓やFIX窓など適切な窓タイプ、ガラス、サッシを選択することで、大きな掃き出し窓があっても断熱等級の高い家は十分実現可能です。

完成見学会やモデルハウスに訪れる際は、窓の配置・種類・大きさや庇の有無などを確認し、自然エネルギーを効率的に活用できる住まいを提案してくれるかを見極めましょう。

 

換気システムや気密性へのこだわりがあるか

断熱等級(Ua値)の達成だけでなく、熱交換換気システムの導入や、高気密施工へのこだわりがあるかどうかが、快適な住環境を確保する上で重要なポイントです。

熱交換換気を組み込んだ第一種換気システムを導入すると、換気によって室温が大きく変化することがなく快適性を保てるようになり、冷暖房エネルギーも抑えられ省エネにつながります。

また、気密性の高い家は、快適性が向上するのはもちろん、躯体内への結露やカビの発生を防いで建物を劣化しにくくすることにもつながります。

法律上の基準はありませんが、一般的に家の隙間の量を示すC値は1.0㎠/㎡以下が望ましく、より快適な温熱環境を求めるなら0.5㎠/㎡以下を目指すのが理想的です。

ブルーハウスでは、断熱と気密はセットであると考え、全棟気密測定を行っています。2021年完工の新築物件の平均でC値は0.3㎠/㎡と高い気密性を実現しています。

熱交換換気システムの仕組みやメリット、導入時のポイントは以下のコラムで詳しく解説していますので合わせてお読みください。

 

断熱等級5以上の施工実績が豊富か

断熱等級5以上の施工実績が豊富な工務店やハウスメーカーであれば、断熱性と間取りやデザインの希望を両立した住まいを実現しやすくなります。

完成見学会やモデルハウスでは、実際の室内空間の快適性を確かめることができるため、積極的に参加しましょう。

また、エスコートホーム(住宅会社ですでに家を建てたOB邸の見学会)では、家を建てた方が実際に住んでみてどう感じているかを直接聞くこともできます。

その住宅会社で実際に家を建てた施主のブログを探したり、第三者機関による評価を確認したりするのも有効です。企業ホームページやパンフレットの「お客様の声」や、SNSの口コミなどもチェックしておきましょう。

 

ブルーハウスの施工事例|冬も暖かく快適な暮らしを実現したお客様の声

ブルーハウスでは、断熱等級6以上の高気密・高断熱を標準仕様とし、完全自由設計で建築家によるデザイン性と機能性を両立した住まいづくりが可能です。

実際にブルーハウスで家を建てられたお客さまの声から、冬の暖かさや光熱費の変化などを実感いただいた口コミの一部をご紹介します。

 

吹き抜けのある家で、家事ラク&快適な暮らしを満喫

断熱等級5以上の2階建て注文住宅施工事例(外観)

4つの素材の外壁材を張り分けたスタイリッシュな外観が、ひときわ目を引く個性的でおしゃれな外観の2階建て施工事例です。

吹き抜けや大きな窓のある、冬暖かい住まい

UA値0.46(断熱等級6)、C値0.2という高気密・高断熱仕様で、大きな吹き抜けがあってもエアコンの効きが良く、省エネで家計にやさしい暮らしが叶う住まいになりました。

<お客さまの声・口コミ>

「梅雨の時期さえ楽しみなくらい、本当に屋内環境が快適で、過ごしやすいです。デザイン・性能・機能の三拍子がそろった住まいが完成し、家づくりを通して今後の人生を考えることもでき、とてもいい経験でした」

〈施工事例〉気持ちいい光が差し込む住まい

 

エアコン1台で冬も快適!猫と暮らす平屋

断熱等級5以上の平屋施工事例(外観)

真四角の箱のようにシンプルな外観と、リゾート感あふれる外構が素敵な平屋の施工事例です。

ドアや間仕切りの少ない間取りでも暖かい断熱等級5以上の家

ワンフロアで開放的・生活動線の良い暮らしができる平屋は、高気密・高断熱によってさらにそのメリットを活かした間取りを実現可能です。

こちらのお住まいは、UA値0.41(断熱等級6以上)、C値0.3という高気密・高断熱仕様で、各部屋のドアを開けておけば、エアコン1台で家中が快適になります。

一緒に暮らす猫ちゃんも、広々とした生活空間を自由に動き回ることができ、毎日お気に入りの場所でのびのびと過ごしているそうです。

<お客さまの声・口コミ>

「温度や日当たりなど、マンションにはない快適さに感動。家事ラクな間取りのおかげで時間にもゆとりが生まれ、家で過ごすのが楽しくなりました」

〈施工事例〉個性派平屋リゾート

 

勾配天井とピクチャーウィンドウが開放感を生む平屋

断熱等級5以上の平屋施工事例(外観)

グレーの塗り壁と規則正しく並んだ横長の窓がシンプルモダンでかっこいい雰囲気を醸し出す、平屋の施工事例です。

勾配天井と大きな窓でも冬寒くない断熱等級5以上の家

住まいの中心になる勾配天井のリビングは、縦横に広がりのある開放的な空間を作りました。

開口部を大きく取り、日中は自然光でも過ごせる明るさで、窓の外で移り変わる季節の風景も楽しめます。

室内は家の中をぐるぐると回れる回遊動線と水回りを一直線に配置した家事ラクな間取りもポイントです。

<お客さまの声・口コミ>

「リビングは日当たりも良く、冬に暖房をつけなくても暖かく過ごせます。『ブルーハウス』さんを選んだのは、テイストが好みだったこと、デザイン・性能・コストのトータルバランスがすごく良かったこと、そして担当者さんの対応が素晴らしかったからです。建築家の先生との打ち合わせでは、自分たちの要望にプラスαの提案をしてもらい、驚きました。自分たちの暮らしのことを真剣に考えて間取りを提案してもらえたことがとてもうれしかったです。」

〈施工事例〉絵になる窓がある平屋

 

高断熱・高気密住宅に関するよくある質問

高断熱・高気密住宅に関するよくある質問

断熱等級5以上の高断熱住宅や、高気密住宅を検討中の方からいただくよくあるご質問について、Q&A形式でまとめました。

Q. 断熱等級5でも寒いと感じるのはなぜですか?

A. 断熱等級は、あくまで建物の外皮(壁や屋根、窓など)の断熱性能を示す指標の一つです。
快適な住環境を実現するためには、断熱性能だけでなく、気密性、窓の性能、日射のコントロール、そして換気計画といった要素を、設計段階から総合的にバランス良く考慮することが極めて重要です。

Q. UA値やC値はどのくらいを目指せば良いですか?

A. ブルーハウスでは、「快適性、電気代、断熱コスト」の3つのバランスを考え、豊橋や豊川のある6地域でUA値0.36以下=断熱等級6以上を標準性能としています。
高い断熱性能を標準仕様とした上で、ご要望に合わせて等級7(UA値0.26以下)も含めた最適な性能を適正な価格でご提案します。

Q. 高断熱住宅は費用が高いと聞きますが、コストパフォーマンスはどうですか?

A. 初期費用は一般的な住宅より高くなる傾向がありますが、長期的に見れば光熱費の大幅な削減、健康的な暮らしによる医療費の削減、住宅の資産価値向上など、費用対効果は非常に高いと言えます。

Q. 結露やカビの発生は本当に防げますか?

A. 高断熱・高気密な住宅は、適切な換気システムと組み合わせることで、結露の発生を大幅に抑制し、カビやダニの繁殖を防ぐことができます。これにより、アレルギーなどの健康リスクも軽減されます。

Q. 24時間換気システムは本当に必要ですか?

A. 高気密住宅では、計画的な換気によって室内の空気質を保つことが不可欠です。熱交換型24時間換気システムは、熱損失を抑えながら新鮮な空気を取り込むため、快適性と省エネ性を両立させる上で非常に重要です。

 

まとめ

「断熱等級5なのに寒い」という問題は、断熱性能(UA値)だけでは測れないさまざまな要因が絡み合って発生します。

快適で本当に暖かい家を実現するためには、断熱・気密・換気・日射の4つの要素をバランス良く設計することが不可欠です。

ブルーハウスは、HEAT20 G2(断熱等級6相当)を標準とし、G3(断熱等級7相当)にも対応可能な高水準の断熱性能と、建築家による自由設計で、お客様一人ひとりの理想の快適な住まいを実現します。

豊橋・豊川エリアを中心とした愛知県で、冬も暖かく、1年中快適に暮らせる住まいを検討中の方は、お気軽にご相談ください。

 

豊川で暮らしを楽しむ!豊川モデルハウスで体感ください

ブルーハウスは2024年、豊川市に豊川モデルハウスをオープンしました。ブルーハウスの家づくりをもっと知りたい方、住み心地を体感したい方、デザインを詳しく見てみたい方は、ぜひお気軽にご来場ください。

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