高気密高断熱住宅で乾燥する原因と5つの対策|湿度が下がらない時の対処法も紹介
「高気密高断熱住宅は冬でも暖かいと聞いたけど、その分乾燥がひどいのでは?」と不安を抱えていらっしゃる方へ。
性能の良い家を建てたいと思う一方で、乾燥による肌や喉への健康被害を心配される方は少なくありません。
そこで本記事では、高気密高断熱住宅で乾燥する主な原因と具体的な5つの乾燥対策を詳しく解説します。
記事の後半では、乾燥とは反対に、湿度が下がらない時の対処法も紹介します。
高気密高断熱住宅で年中快適な暮らしを叶えたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
<コラムのポイント>
・高気密高断熱住宅で乾燥する3つの原因を解説します。
・高気密高断熱住宅で効果的な5つの乾燥対策を紹介します。
・高気密高断熱住宅で湿度が下がらない時の対処法を紹介します。
高気密高断熱住宅で乾燥する原因
高気密高断熱住宅で冬に乾燥を感じやすくなる原因は、主に3つあります。
乾燥を引き起こす3つの原因を、それぞれ詳しく見ていきましょう。
換気システムで乾燥した外気が侵入する
24時間換気システムによって、冬の乾燥した外気が取り込まれることで、室内が乾燥しやすくなります。
建築基準法では、室内の空気汚染によるシックハウス症候群を防ぐため、24時間換気システムの設置が義務付けられています。
シックハウス症候群とは、住宅の建材や家具などから放出される化学物質等によって、頭痛や目の刺激、かゆみなどを引き起こす健康被害です。
換気は室内の空気を清潔に保つために重要な設備ですが、冬場は乾燥の原因となるリスクがあります。
そのため、冬場の乾燥対策も考慮した適切な換気計画が重要です。
以下の記事では、新築住宅における24時間換気システムについて詳しく解説しています。
換気計画を立てる際に役立つ内容となっているので、あわせてご覧ください。
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暖房使用により相対湿度が下がる
暖房を使用して室温を上げると相対湿度が下がり、乾燥を感じやすくなります。
相対湿度とは、その温度で最大限に含める水蒸気量に対して、今どのくらいの水蒸気量を含んでいるのかを示す割合です。
暖房によって室温が上がると、空気が含める水蒸気の総量が増えるため、室内の水蒸気量が変わらない場合は相対湿度が下がります。
これが、冬に暖房を使用すると室内が乾燥するメカニズムです。
高気密高断熱性能により相対湿度が下がる
外気の影響を受けにくく、暖房の熱が逃げにくいのは、高気密高断熱住宅の大きなメリットです。
しかし、暖かい室温を維持すると同時に、相対湿度が下がりやすい点には注意が必要です。
高気密高断熱住宅で暖かく快適に過ごすには、適切な乾燥対策が必要になります。
具体的な乾燥対策については、次の見出しで詳しく解説します。
高気密高断熱住宅で効果的な乾燥対策5選
先ほどの見出しで紹介したように、高気密高断熱住宅で乾燥を感じるのには明確な原因があります。
冬も程よい湿度で快適に暮らすには、乾燥の原因を突き止めて、適切な対策を講じることが大切です。
ここでは、具体的な乾燥対策を5つ紹介します。
加湿器を適切に使用する
加湿器を使用することで、室内の湿度を適切にコントロールできます。
健康で快適に過ごせるとされている室内湿度は、40~60%です。
この数値を保つように加湿器を稼働すれば、乾燥を軽減できるだけでなく、ウイルスの増殖抑制にもつながります。
健康で快適に冬を乗り切りたい方は、ぜひ加湿器を活用してみてください。
洗濯物を室内に干す
洗濯物の室内干しは、コストをかけずにできる有効な乾燥対策の1つです。
洗濯物に含まれる水分が蒸発する過程で、室内の湿度を自然に高められます。
高気密高断熱住宅は、冬でも室温が保たれやすいため、洗濯物が効率よく乾きます。
湿度を高めながら洗濯物を乾かせるので、非常に合理的な乾燥対策です。
24時間換気システムの運転モードを弱くする
冬は、24時間換気システムの運転モードを弱くするのも、乾燥対策に効果的です。
記事の前半でも解説したように、24時間換気システムで外気を取り込むことで、室内が乾燥するケースがあります。
特に、冬の外気は冷たく乾いているため、換気による乾燥のリスクが高まります。
24時間換気システムの運転モードが切り替え可能な場合は、運転モードをあえて弱くして、外気の侵入を軽減しましょう。
24時間換気システムの種類やメリット・デメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
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暖房の設定温度を下げる
暖房の設定温度を少し下げるのも、室内の乾燥対策として有効です。
これは、室温が高くなるほど相対湿度が下がり、乾燥しやすくなる空気の性質を活かした対策です。
高気密高断熱住宅は、室温を保ちやすい特長があるため、体感温度を下げることなく乾燥を軽減できます。
暖房の設定温度は低めに設定して、厚着やひざ掛けで寒さ対策と乾燥対策を両立するのも効果的です。
観葉植物を置く
観葉植物を室内に置き、乾燥対策を行う方法もあります。
植物は、根から吸い上げた水分を葉の裏側から放出する「蒸散」を行います。
この働きが、天然の加湿器のような役割を果たしてくれるのです。
蒸散によって室内の湿度をゆっくりと穏やかに高めるため、結露やカビが発生するリスクが少ないのも大きなメリットです。
観葉植物は乾燥対策だけでなく、室内に彩りや癒しの効果も与えてくれるので、ぜひ取り入れてみてください。
高気密高断熱住宅で湿度が下がらない時の対処法
高気密高断熱住宅では、乾燥とは反対に、「湿度が下がらない。」とお悩みの方もいらっしゃいます。
特に梅雨の時期は、湿度が高くて不快に感じたり、カビが発生したりするケースも少なくありません。
そこでこの章では、高気密高断熱住宅で湿度が下がらない時の対処法を紹介します。
定期的に換気を行う
室内の湿度が高く感じる際は、定期的に換気を行うのが効果的です。
24時間換気システムを稼働していても、間取りや家具の配置によっては空気の循環が不十分になることがあります。
特に、部屋の隅や家具の裏側などは空気が滞留しやすく、湿気がこもりがちです。
このような場合は、窓を開けて換気することで、こもった湿気を外へ放出できます。
対角線上の窓を開けて風の通り道を作ると、より効率的な換気が可能です。
高気密住宅のカビ対策や適切な換気方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてお読みください。
エアコンの除湿機能や除湿器を使う
湿度が高くなりやすい梅雨や雨の続く季節には、エアコンの除湿機能・除湿器を活用しましょう。
高気密高断熱住宅では、一度室内に溜まった湿気が放出されにくい特徴があります。
対策を講じないと湿気がこもり続け、カビの発生や体調不良につながる恐れがあります。
このようなリスクを回避するためにも、エアコンや除湿器などの家電を積極的に活用し、室内湿度を40~60%に保つことを心がけましょう。
24時間換気システムの運転モードを見直す
湿度がなかなか下がらない時は、24時間換気システムの運転モードが現在の状況に対して適切かどうか、見直しが必要です。
冬の乾燥対策として運転モードを「弱」のまま、梅雨や夏を迎えてしまうと、湿度を放出しきれない場合があります。
湿度が高いと感じたら、運転モードを「強」に切り替え、換気効率を高めてみるのが効果的です。
モードの切り替えはつい見落としがちなポイントですが、室内の温度や湿度に合わせて適切に運用しましょう。
除湿剤を置く
家具や家電が密集する箇所やクローゼット、下駄箱などは、空気の動きが少なく湿度が下がりにくいです。
このような狭い空間や閉鎖的な場所には、除湿剤の設置が効果的です。
置き型や吊り下げ型などを場所に合わせて選ぶことで、除湿効果を最大限に感じられます。
24時間換気システムや除湿器だけではカバーしきれない細かな箇所も、ピンポイントで湿度対策でき、快適な室内環境を維持できます。
まとめ
今回は、高気密高断熱住宅で乾燥する原因と5つの対策、湿度が下がらない時の対処法について解説しました。
乾燥の主な原因として、換気による外気の取り込みや暖房使用による相対湿度の低下などが挙げられます。
これらの原因は、以下のような対策によって解決できます。
- ・加湿器を適切に使用する
- ・洗濯物を室内に干す
- ・24時間換気システムの運転モードを弱くする
- ・暖房の設定温度を下げる
- ・観葉植物を置く
今回紹介した乾燥対策を実践して、寒さの厳しい冬も快適かつ健康的に暮らせる住環境を実現しましょう。
ブルーハウスでは、地域の気候や環境を考慮した高気密高断熱住宅をご提供しています。
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