長期優良住宅とZEH住宅の違い|認定基準、税制優遇制度、補助金制度など紹介
エコで快適に暮らせるマイホームの建築を検討中の方の中には、「長期優良住宅とZEH住宅の違いがわからない。」とお悩みの方も多いのではないでしょうか。
2050年カーボンニュートラル、温室効果ガス排出削減などの背景から、どちらも補助金制度や税制優遇制度が設けられていますが、それぞれにメリット・デメリットがあるため注意が必要です。
今回は、以下のポイントを中心に長期優良住宅とZEH住宅の違いをくわしく紹介します。
これからマイホームを建てる場合に、どのような省エネ住宅を建てるべきかがわかります。ぜひ、最後までごらんください。
<コラムのポイント>
-
・長期優良住宅、ZEH住宅のメリット・デメリットを紹介します。
-
・長期優良住宅とZEH住宅は、「認定基準」「税制優遇措置」「補助金制度」などに違いがあります。
- ・「省エネ性を重視したい」ならZEH住宅、「長期間安心して暮らしたい」なら長期優良住宅がおすすめです。
目次
長期優良住宅のメリット・デメリット
長期優良住宅とは、長期にわたり良好な状態で使用するための措置を講じられた優良な住宅のことを指し、以下のようなメリットがあります。
- ・長い間住み続けられる
- ・快適に暮らせる
- ・省エネ性が高い
- ・住宅ローン控除を受けられる
- ・住宅ローンの金利が優遇される可能性がある
- ・地震保険の割引制度を利用可能
- ・補助金を活用可能 など
一方で、以下のようなデメリットもあることに注意しましょう。
- ・建築コストがかかる
- ・定期点検が義務付けられる
- ・立地によっては認定を受けられないこともある など
長期優良住宅は、長期間にわたり良好な状態で使用できることを目的にしているため、省エネ性能だけでなく、「耐震性を高める」「定期点検を実施する」などが必要であることが特徴的です。
ZEH住宅のメリット・デメリット
ZEH(ゼッチ)とは「Net Zero Energy House(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」を略したものです。
具体的には、住まいの省エネ性能を向上させると同時に再生可能エネルギーを利用して、年間の一次消費エネルギー量を概ねゼロにする住宅のことを指します。
ZEH住宅のメリットは、以下のとおりです。
- ・省エネ性が高い
- ・快適に暮らせる
- ・非常時に強い
- ・補助金を活用可能
一方で、ZEH住宅には以下のようなデメリットもあることに注意しましょう。
- ・デザインの自由度が制限されることがある
- ・定期的なメンテナンスが必要
- ・十分な発電量が得られないこともある
省エネ性能だけでなく、創エネ性能があるZEH住宅は、太陽光発電システムにより生み出した電力を蓄電しておくことにより、非常時への備えになることがメリットです。
ただし、太陽光発電システムを導入することにより、思っていた外観デザインにならない可能性があることに注意しましょう。
ZEH住宅の概要については、以下の記事で確認できます。
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長期優良住宅とZEH住宅の違い
長期優良住宅とZEH住宅には、「認定基準」「税制優遇制度」「補助金制度」などの条件に違いがあります。
1つひとつ、見ていきましょう。
認定基準の違い
長期優良住宅とZEH住宅の認定基準の違いは、以下のとおりです。
種類 | 認定基準 |
---|---|
長期優良住宅 | ・断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6に適合 ・劣化対策等級3かつ構造の種類に応じた基準に適合 ・耐震等級1~3の基準に適合 ・維持管理対策等級3に適合 ・自然災害による被害の発生の防止又は軽減に配慮されたものであること。 ・住戸面積75㎡以上かつ住戸内の1つの階の面積が40㎡以上 など |
ZEH住宅 | ・強化外皮基準が0.6~0.4以下 ・基準一次エネルギー消費量を20%以上削減 ・再生可能エネルギーの導入 ・基準エネルギー消費量から100%削減 |
断熱等級と一次エネルギー消費量等級については同じ基準が求められますが、ZEH住宅には創エネ設備の導入が求められます。
ただし、住宅ローン控除や補助金制度などで基準となる「ZEH水準住宅」について創エネ設備は求められていません。
一方で、長期優良住宅は耐震性や維持管理・更新の容易性など長く住み続けるための住宅性能が求められるのが特徴的です。
税制優遇措置の違い
長期優良住宅やZEH住宅は、住宅ローンや所得税の控除が受けられる場合があります。
ここでは以下のとおり、税制優遇制度の違いについて紹介します。
長期優良住宅 | ZEH水準住宅 | |
---|---|---|
住宅ローン控除 | 借入限度額:4,500万円 控除率:0.7% 控除期間:13年 |
借入限度額:3,500万円 控除率:0.7% 控除期間:13年 |
投資型減税(所得税) | 最大65万円を控除 | 最大65万円を控除 |
固定資産税 | 軽減期間を2年延長 | なし |
登録免許税 | 税率を0.1~0.2%減免 | なし |
不動産取得税 | 控除額100万円増額 | なし |
住宅取得資金贈与 | 非課税限度額500万円増額 | 非課税限度額500万円増額 |
一般的に、税制優遇措置についてはZEHよりも長期優良住宅の方が優遇されています。
補助金制度の違い
長期優良住宅とZEH住宅に共通して活用できる補助金制度は、子育てエコホーム支援事業の後継制度として「子育てグリーン住宅支援事業(令和6年補正予算案1,850億円)」が予定されています。
※令和6年度補正予算の成立が前提であり、かつ、今後内容等に変更があり得ることを御了承ください。
子育てグリーン住宅支援事業における長期優良住宅とZEHの補助金額の違いは、以下のとおりとされています。
長期優良住宅 | 100万円/戸(建前住宅等の除却を行う場合) 上記以外の場合、80万円/戸 |
ZEH水準住宅 | 60万円/戸(建前住宅等の除却を行う場合) 上記以外の場合、40万円/戸 |
子育てグリーン住宅支援事業では、新たに「GX志向型住宅」が追加され、最大160万円/戸の補助金を受けられる可能性があります。
GX志向型住宅とは、脱炭素社会を目指し再生可能なクリーンエネルギーを活用して一次エネルギー消費量ゼロを実現する次世代型の省エネ住宅のことを指し、具体的には以下のような基準が求められます。
- ・断熱等性能等級6以上
- ・再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率35%以上
- ・再生可能エネルギーを含んだ一次エネルギー消費量の削減率100%以上
GX志向型住宅については、以下の記事でくわしく紹介しております。
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ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
愛知県で省エネ住宅を検討中の方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
長期優良住宅とZEH住宅についてのQ&A
最後に、長期優良住宅とZEH住宅についてよくいただく質問と回答を紹介します。
長期優良住宅とZEH住宅ではどちらがいいですか
「長期優良住宅とZEH住宅のどちらがいいのか」は一概には言えませんが、以下のような特性があります。
- ・長期優良住宅:長期間快適に暮らせる住宅
- ・ZEH住宅:省エネと創エネによりエネルギー収支をゼロにする住宅
したがって、「光熱費削減を重視するのであればZEH住宅、耐震性を重視するなら長期優良住宅」などしっかりと両者の特性を比較し、マイホームを建てる際の優先順位により判断することをおすすめします。
ZEH水準住宅とは何ですか
ZEH水準住宅とは、断熱等性能等級5と一次エネルギー消費量等級6を満たす住宅のことを指し、再生可能エネルギーの導入が必須ではない点がZEH住宅との相違点です。
2025年には省エネ基準の適合が義務化され、2030年には「ZEH水準」まで基準が引き上げられると言われています。
ZEH住宅が普及しない理由は何ですか
ZEH住宅が普及しない理由には、以下のようなものがあります。
- ・太陽光発電システムの導入、省エネ設備の導入コストが高額になりがち
- ・ZEHの設計ができる施工業者が少ない
- ・地域によっては十分な発電量を確保しにくい など
低炭素住宅とZEHの違いは何ですか
低炭素住宅とは、将来にわたり二酸化炭素排出を抑える性能を有する住宅のことを指します。
一方で、ZEH住宅はエネルギー消費量をゼロにすることを目的とする住宅のことです。
低炭素住宅においてはエネルギーをゼロにすることは求められていないことが、低炭素住宅とZEH住宅の大きな違いです、
まとめ
今回は、長期優良住宅とZEH住宅の違いについて紹介しました。
それぞれに、メリット・デメリットがあるため、省エネ性を重視するなら「ZEH住宅」、長期間安心して暮らしたいのであれば「長期優良住宅」などマイホームを建てる際の優先順位をしっかりと設定し判断しましょう。
さらに、住宅性能を高めたいのであれば、「子育てグリーン住宅支援事業」で新たに追加された「GX志向住宅」を検討することもおすすめします。
今回紹介した情報が、「長期優良住宅とZEH住宅の違いがわからない」とお悩みの方の参考になれば幸いです。
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