制震ダンパーが「意味ない」と言われる理由|メリット・デメリット、価格、寿命など解説
住宅の耐震性を高める手法として「制震ダンパーを設ける」ことがありますが、「制震ダンパーは意味ない」と懐疑的な意見もあります。
安心・安全に暮らせるマイホームをつくるためにも、「耐震」「免震」「制震」など地震対策について理解を深める必要があります。
本コラムでは、以下のポイントを中心に制震ダンパーが意味ないと言われる理由やメリット・デメリットなどをくわしく紹介します。
<コラムのポイント>
- ・制震ダンパーの種類・価格・寿命などを紹介します。
- ・制震ダンパーは「地震の揺れ」を抑える効果があります。
- ・制震ダンパーのメリット・デメリットを紹介します。
目次
制震ダンパーとは|種類・価格・寿命など
制震ダンパーとは、地震による揺れを減衰する装置のことを指します。
「ダンパー」と呼ばれる装置を柱や壁などの建物の構造に組み込むことで、地震時の振動を吸収し、揺れを軽減する仕組みになっています。
ここでは、制震ダンパーの種類・価格・寿命などを解説します。
制震ダンパーの種類
制震ダンパーには、以下のような種類があります。
- ・鋼材ダンパー:金属を用いたダンパー
- ・オイルダンパー:オイルがピストンに抵抗する作用を利用したダンパー
- ・粘弾性型ダンパー:ゴムのような粘弾性のある素材によりエネルギーを吸収
それぞれ、以下のようなメリット・デメリットがあるため、施工する際は住宅の間取りや予算を考慮し、施工業者と相談しながら選定しましょう。
種類 | メリット・デメリット |
---|---|
鋼材ダンパー | 【メリット】 ・比較的リーズナブル ・メンテナンスの必要がない 【デメリット】 |
オイルダンパー | 【メリット】 ・小さな揺れにも効果がある ・小型なので間取りの制限を受けにくい 【デメリット】 |
粘弾性型ダンパー |
【メリット】 【デメリット】 |
制震ダンパーの価格
制震ダンパーの設置コストは素材の種類により異なりますが、一般的な住宅で概ね50万円が費用相場です。
※上記の費用はあくまでも目安であり、導入台数、住宅の間取りなどによって費用は異なります。実際に施工する際は、施工業者にお問い合わせください。
一般的に制震による地震対策は、免震に比べてコストを抑えられる傾向があります。
制震ダンパーの寿命
制震ダンパーの寿命はメーカーや製品により異なりますが、一般的には60~90年程度であるとされています。
また、制震ダンパーの種類によっては5~10年程度で部品交換が推奨されるケースもあります。
制震ダンパーが意味ないと言われる理由
地震対策には、「耐震」「制震」「免震」があります。
中でも、地震の揺れを軽減するためには制震ダンパーの設置が有効ですが、「制震ダンパーは意味ない」と懐疑的な声もあります。
ここでは、制震ダンパーが意味ないと言われる理由について解説します。
制震ダンパー単体では効果が軽減するから
制震ダンパーは、「地震による揺れを軽減する」効果がありますが、地震対策としては、建物の強度を高める耐震対策も必要です。
制震ダンパーにより、地震の揺れを軽減しても建物自体の強度が低ければ、倒壊の危険性があるからです。
したがって、安心・安全に暮らすためには、制震と耐震を同時に対策する必要があります。
以下の記事では、耐震構造の概要とメリット・デメリットを確認できます。
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耐震等級を取得しているから
耐震等級1の住宅であれば、最低限の耐震性能は担保されていますので、「制震ダンパーはいらない」とお考えの方も多いのではないかと思います。
ただし、建物の強度が強くても、熊本地震のように何度も大きな地震がくると、住宅に少しずつダメージを蓄積して倒壊の可能性が高まることに注意しましょう。
制震ダンパーを設けることで、地震の揺れを軽減できるため、繰り返す地震に強い住宅を実現できます。
ブルーハウスでは建築基準法の1.5倍の強度を持つ耐震等級3、制震ダンパー搭載を全棟標準にしています。
地震に強い住宅をご希望の方は、ぜひブルーハウスにご相談ください。
制震ダンパーは地震対策として有効
ここまで紹介してきたとおり、制震ダンパーは地震の揺れを軽減できるため、「意味ない」と言われるのは誤解であり、地震対策として有効です。
ただし、安心・安全に暮らすためには制震だけでなく耐震対策が必要で、場合によっては免震対策も講じることで地震に強い住宅を実現できます。
以下の記事で耐震・制震・免震それぞれの違いやメリット・工事費用などを確認できます。
<コラムのポイント>
制震ダンパーのメリット・デメリット
制震ダンパーのメリット・デメリットを確認することで、「マイホームに導入すべきかどうか」を判断できます。
ここでは、制震ダンパーのメリット・デメリットを紹介します。
制震ダンパーのメリット
制震ダンパーを導入することで得られるメリットは、以下のとおりです。
- ・他の地震対策と比べ施工費用を抑えられる
- ・建物の損傷を軽減できる
地震の揺れを軽減する制震ダンパーは、繰り返し起こる地震に強い特徴があります。
特に、2階建てや高天井の住宅でもダメージを減らせることが大きなメリットです。
制震ダンパーのデメリット
制震ダンパーには、以下のデメリットがあることに注意しましょう。
- ・製品の性能の判断が難しい
- ・種類によっては定期的なメンテナンスが必要
- ・地盤が軟弱な場合には効果が出にくい
耐震には耐震基準がありますが、制震に関しては明確な基準がないため、製品に対する施工業者の目利きが重要になります。
また、住宅の部材や構造により適切な制震ダンパーの種類や設置箇所が異なるため、こちらについても経験豊富な施工業者を選ぶ必要があることに注意しましょう。
制震ダンパーについてのQ&A
最後に、制震ダンパーについてブルーハウスがよくいただく質問と回答を紹介します。
制震ダンパーは震度いくつから効きますか
制震ダンパーは、一般的に震度5以上相当の揺れに対して効果を発揮します。
ただし、「揺れを感じ始める」小さな揺れでも建物に少しずつダメージを与えるため注意しましょう。
制震ダンパーの種類によっては、小さな揺れにも効果を発揮するものもあるため、施工業者と相談しながら適切なものを選ぶことが重要です。
制震ダンパーは後付けできますか
一般的な制震ダンパーであれば、後付けすることは可能です。
室内からでも室外からでも施工できますが、足場を組む必要がない室内から工事をした方がコストを抑えられます。
ただし、制震ダンパーの種類や住宅の構造によっては後付けできない場合もあるので注意しましょう。
まとめ
今回は、制震ダンパーは意味ないと言われる理由について紹介しました。
結論をお伝えすると「制震ダンパーは意味ない」と言われるのは誤解で、制震ダンパーには「地震の揺れ」を抑える役割があります。
ただし、地震対策には制震だけではなく、建物の強度を高める耐震もあわせて対策することが重要です。
今回紹介した情報が、「制震ダンパーの導入」を検討中の方の参考になれば幸いです。
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