新耐震基準と2000年基準との違い|基準に合致した新築住宅を選ぶメリット
地震災害が多い日本においては、非常に厳しい耐震基準が設けられています。マイホーム取得を検討する際、新耐震基準と2000年基準に関して目にする機会が多いでしょう。
しかし両者がどのような基準か、どの部分が差分になるか、わからない方も多いと思います。
そこで本記事では新耐震基準と2000年基準の内容とその違いや、2000年基準に合致した新築住宅を選ぶメリットに関して解説します。
<コラムのポイント>
- ・新耐震基準と2000年基準がどの様なものか解説します。
- ・それぞれの違いを解説します。
- ・2000年基準によるメリットや耐震性向上などに関して述べています。
目次
新耐震基準と2000年基準の違い
まず新耐震基準と2000年基準がどの様なものか解説した後、それぞれの違いを示すので参考にしてください。
新耐震基準
新耐震基準は、1981年設定された、住宅の耐震性を規定する基準です。新耐震というものの、時系列的には2000年基準よりはるか前に設定されたものであることに留意してください。
新耐震基準の定めで重要なポイントとして以下が挙げられます。
- ▶︎震度5強程度の地震では大きな損傷がない
- ▶︎震度6強~7程度の地震でも倒壊は免れる
1981年6月1日以降に建築確認が申請され、2000年基準に合致しない住宅は、新耐震基準に合致することとなります。
なお新耐震基準の前には、旧耐震基準が敷かれていましたが、そもそも震度6強以上の地震に対する記述自体がありませんでした。
2000年基準
対して2000年基準は、新耐震基準の19年後に定められた新しい基準となります。基本的な部分は新耐震基準と同じですが、2000年基準ではさらに細かな規定が追加されました。原文が難解であるため、新たに追加もしくは規定された内容に関して、要約した一部を下記します。
- ▶︎地耐力(その地盤が受け止められる建物の荷重)調査の義務化
- ▶︎地耐力に応じた基礎構造
- ▶︎筋交いのサイズに応じた留め具の使用
- ▶︎壁の配置バランス
- ▶︎壁の質に応じた金物(固定具の使用)など
(参考文献:日本木造住宅耐震補強事業者協同組合)
上記枠内が、新耐震基準と2000年基準の違いおよび差分となります。これにより、新耐震基準を満たした場合と比較して、より高い耐震性を獲得しようとするねらいがあります。
2000年基準が改正された背景
新耐震基準が設定された背景として、1995年1月17日に発生した阪神・淡路大震災が挙げられます。
同震災においては、新耐震基準をクリアした住宅の倒壊が多数見受けられました(参考文献:一般社団法人 市民住まい向上委員会)。
これを教訓とし、阪神・淡路大震災と同等もしくはそれ以上の地震があっても倒壊しないことを目指して、2000年基準が導入されています。
【補足】1971年の耐震基準に関して
なお新耐震基準が導入される1981年までは、1971年に導入された「旧耐震基準」が使われていました。
しかし旧耐震基準をクリアした程度では、地震に対して十分な耐震性を発揮できなかったため、次なる基準が導入されることとなりました。
中古住宅では、旧耐震基準、もしくは新耐震基準に該当するものが多々あります。
したがって中古住宅を購入する場合、いつの時点の基準に沿っているのか、その耐震性でも安心して暮らせるかどうかをきちんと検討することが重要です。
2000年基準に合致した新築住宅のメリット
2000年基準がもたらす最大のメリットは、地震に強い新築住宅を建てられること。
少なくとも2024年6月の段階では、新築された住宅は、2000年基準をクリアすることが義務付けられています。
これにより、新耐震基準が適用されていた場合より、耐震性の高い住宅を建てられることとなります。
新耐震基準に適合した住宅でも、倒壊や破損が起こらないわけではありません。例えば2024年の能登半島地震では、同基準をクリアしたはずの住宅20棟ほどが、全壊もしくは倒壊しています(参考文献:読売新聞オンライン)。
しかし、より厳格な2000年基準に適合した新築住宅であれば、このような被害を被るリスクを落とすことが可能です。
2000年基準をクリアするために用いられる工事技術
2000年基準をクリアすることが義務付けられたため、住宅工事において、新しい技術が用いられるようになりました。
代表的なのが、地盤改良工事における各種工法です。
- ▶︎小口径鋼管杭工法
- ▶︎柱状改良工法
- ▶︎表層改良工事
これらは全て、新耐震基準では注目されなかった、「地盤の改良」を進めるものです。これらを実施して地盤を固めたり、セメントを柱状に通したりして、より2000年基準に適合するほどの地耐力をもたせる狙いがあります。
住宅そのものに対しても、さまざまな技術が用いられるようになりました。例えば制震(耐震)ダンパーなどが挙げられます。
このような部材を基礎部分に組み込むことで、地震のエネルギーを熱エネルギーに変換、放熱する機能を持たせられます。これにより、地震による住宅へのダメージを受け流すことが可能となりました。
このような最新技術を用いて建てられた建物は、地震に対する高い耐性を獲得します。
<合わせて読みたい>
ダンパーのような新しい技術に興味がある方はぜひ一度私どもブルーハウスにお問い合わせください。
新耐震基準・2000年基準に関するよくある質問
本記事では新耐震基準・2000年基準に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- ▶︎耐震等級とは何か
- ▶︎どのような住宅が地震に強いと言えるか
- ▶︎木造住宅は耐震性が低いか
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
耐震等級とは何か
耐震等級とは、品確法によって定められた、住宅の耐震性を3段階で評価する基準です。1から3があり、3が最高等級となります。
なお耐震等級1は、本記事で述べた新耐震基準と同一。等級1は義務化されていますが、等級2、3であることは、新築される住宅に義務付けられていません。
なお等級3では、耐震等級の1.5倍の耐震性を有することが条件となり、これは警察署など公的機関の拠点と同等の水準です。
なお私たちブルーハウスの住宅は、耐震等級3を基準として建築しています。
どのような住宅が地震に強いと言えるか
地震に強い住宅の特徴として以下が挙げられます。
- ▶︎住宅の標高が低く、揺れが小さくなりやすい
- ▶︎形状がシンプルであり、地震のエネルギーが拡散しやすい
- ▶︎総二階に該当し、地震のエネルギーが拡散しやすい
この点に関しては「地震に強い家の構造を解説|耐震性が高い住宅の特徴を総まとめ」で詳しく解説しているので参考にしてください。
木造住宅は耐震性が低いか
木造住宅だからといって、耐震性が低いわけではありません。木造住宅だとしても、例えば2000年基準をきちんとクリアした場合なら、十分な耐震性を獲得できる見込みがあります。
また鉄骨住宅などと比較すると軽量出るため、地盤沈下などが起こりにくい、揺れによって生じる衝撃が小さいといった側面もあります。
したがって木造住宅であるからといって、耐震性が低くなるわけではありません。
まとめ
本記事では新耐震基準と2000年基準の違いに関して解説しました。
2024年6月時点では、新築住宅は2000年基準への適合が義務付けられていますが、さらに高い耐震性を持たせることも可能です。
家族の生活や大切な財産を守るためにも、耐震性にもしっかりこだわってマイホームを検討してみてください。
愛知・名古屋付近で注文住宅を手がけるブルーハウスからのメッセージ
ブルーハウスは、愛知・名古屋で、快適性、住みやすさ、そして本記事でも述べた耐震性の高い住宅作りをお手伝いしています。
- ・高度な耐震構造を用いた、地震に強い家づくりにも注力しています。非常に重要な役割を果たす耐震・制震ダンパーも採用。
- ・デザインも性能も叶えて、長く快適に経済負担の少なく住める家をつくっています。
- ・ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
- ・無垢材や塗り壁など、自然の素材を使った家づくりが得意です。
- ・土地探しからも始められて、建てたい家や住みたい地域、住みたい環境から適した土地をお探しします。
愛知に住む人、そしてその郊外に住む人を家づくりで幸せにする。「人生を最高に楽しむ家」をつくることを目指して家づくりをしています。