耐震・制震・免震それぞれの違いやメリット・工事費用などを一覧解説

  • ▶︎耐震・制震・免震、それぞれで何が違うのか
  • ▶︎それぞれにどのようなメリットがあるのか
  • ▶︎結局3つのうちいずれを選択するべきか

このように思っている人は多いでしょう。地震災害が多い日本では、地震に強い住宅の研究が進められ、今では耐震・制震・免震、3つの性能が同時に注目されるようになりました。

よく似た言葉ですが、地震に対して発揮される性能やその効果のあり方は少しずつ異なります。今回は耐震・制震・免震3つの違いやそれぞのメリットとデメリット、そして最終的に何を優先すればよいか解説します。

これから地震に強い住宅を建てたいと考えている方はぜひ参考にしてください。

<コラムのポイント>

  • ・耐震・制振・免震の定義を解説します。
  • ・それぞれに、どのようなメリット・デメリットがあるか詳しく述べます。
  • ・3つあるうち、どれを選択するべきか述べています。


耐震・制震・免震それぞれの違い

住宅模型・ミニ

3つの性能をわかりやすく言い表すなら、おおむね以下のとおりです。

  • ▶︎耐震/地震の揺れに耐えて倒壊を防ぐ
  • ▶︎制振/地震の揺れを吸収する
  • ▶︎免震/地震による揺れを建物に伝えないようにする

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

耐震/地震の揺れに耐えて倒壊などを防ぐ

耐震とは、激しい揺れに耐えられる性能のことを示します。この性能が高いほど、倒壊ないし破損が生じにくくなります。一般的に「地震に強い」という表現は、この耐震性能を指し示すものです。

耐震性を確保するためには、柱や梁などの基本構造を強靭に仕上げる方法が取られます。

また耐震性能には3段階の等級があり、耐震等級3がもっとも高い耐震性を備えている、とされています。耐震等級の詳細は下図を参考にしてください。

耐震等級

すなわち、住宅の耐震等級が3であるなら、消防署や警察署などの災害時防災拠点と同等の耐震性を有することとなります。

私たちブルーハウスも、耐震等級3を基準とした家づくりを実施しています。

制震/地震の揺れを吸収する

一方で制振とは、地震の揺れを耐え抜くのではなく、「吸収する」という性能を示します。

たとえば建物に重りや制震材、あるいは先述の制震(耐震)ダンパーを取り付ます。それが揺れを吸収し、熱エネルギーとして放出。

そうすることで、建物全体に対する揺れをおさえることが可能になります。つまり地震時の揺れが小さくなるのが、制震の特徴といえるでしょう。

近年では耐震(制振)ダンパーと呼ばれる技術(下図内の黒い金属部品)が用いられ、より高い耐震性の確保に役立てられています。私たちの家づくりでも、これを採用しています。 

ダンパー

このような最新技術を用いて建てられた建物は、地震に対する高い耐性を獲得します。

免震/地震による揺れを建物に伝えないようにする

免震とは、地面と建物を切り離し、地震の直接の影響を遠ざける性能を示します。

耐震・制震の場合、地面と建物が触れ合っているため、地震の揺れを直接に受けることになります。

しかし免震の場合は、地面と建物の間に免震装置と呼ばれる設備を挟むのが主流。その免震装置のはたらきにより、地震の影響を遠ざけることが可能です。

耐震・制震・免震のメリット・デメリット一覧

上記では耐震・制震・免震の定義と違いを解説しました。より専門的観点から見れば他にも相違点はありますが、現時点で上記を知っておけば、家づくりの際に困ることはないでしょう。

続いて耐震・制震・免震それぞれのメリットとデメリットに関して解説します。ぜひ家づくりの際の参考としてください。 

耐震のメリット・デメリット

<メリット>

  • ▶︎制震・免震と比較してコストが低い
  • ▶︎工期がやや短い
  • ▶︎工事が簡単であるためミスが生じにくい

<デメリット>

  • ▶︎上層階では揺れが大きくなりやすい
  • ▶︎家具の転倒が起こりやすい

コストが低く、工期も短いというのが強みになります。もちろん、倒壊のリスクも回避することが可能です。

ただし2階から上では、揺れが大きくなるというデメリットがあります。また家具の転倒が起こりやすいので、転倒防止装置を取り付けるなどして対策したいところです。

制震のメリット・デメリット

<メリット>

  • ▶︎工事にかかるコストが安い
  • ▶︎メンテナンスしやすい
  • ▶︎構造が弱くても地震の影響をおさやすい

<デメリット>

  • ▶︎耐震と比べるとコストはやや高い
  • ▶︎地盤が弱いと効果を発揮しにくい

制震に関しては、近年、工事にかかるコストが低下している傾向にあります。またメンテナンスがしやすく、その後の維持管理が容易である点も強みです。

ただし耐震と比べるとまだコスト高であり、また地盤が弱いと期待された効果が発揮できない点に注意してください。

免震のメリット・デメリット

<メリット>

  • ▶︎揺れが小さい
  • ▶︎家具の転倒を防止しやすい

<デメリット>

  • ▶︎コストが高い
  • ▶︎地盤の状況が悪いと効果を発揮しにくい
  • ▶︎維持コストが高額になりやすい

免震に関しては、揺れそのものが小さい点が魅力となります。地震を体験することによる恐怖を和らげ、また家具の転倒を防止するなどの効果も期待できるでしょう。

一方で免震は工事コストがかかりやすく、また維持コストも高額になりやすい傾向です。一般的な住宅においては、よほどのことがない限り、免震を採用する必要はないでしょう。

結局のところどれを優先するべきか

耐震・制震・免震それぞれにメリットとデメリットがあり、そこに明らかな優劣があるわけではありません。

ただ一般住宅においては、1981年に新耐震基準の導入により、耐震構造の取り入れが義務化されています。つまり、どれを優先するか、というよりも制震や免震を追加するかどうかが論点となるでしょう。

特に地震に対して強烈な耐性を与える制震バンパーなどの導入は、積極的に検討したいところです。

耐震・制震・免震に関するよくある質問

本記事では、耐震・制震・免震に関して解説しました。ここではよくある質問に回答いたします。

  • ▶︎耐震性能を高めても倒壊することはあるのか
  • ▶︎もっとも高価なのはどれか
  • ▶︎もっとも揺れを感じにくいのはどれか

それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。

倒壊することはあるのか

近年の技術進歩によって、倒壊の可能性が低くなったのは事実です。

一方で、「絶対に倒壊しない」と言い切れるわけではありません。例えば2024年に発生した令和6年能登半島地震では建物の倒壊が見受けられました。

そういった事実がある以上、倒壊のリスクは常に否定できません。

しかしながら耐震性能などを高めることでその可能性を下げることはでき、また半壊や一部破損程度にとどめる効果もあります。

もっとも高価なのはどれか

3つのうち、もっとも高価なのは、現時点では免震です。

以下にそれぞれの構造を取り入れる際に必要な費用相場をまとめておくので参考にしてください。

  • ▶︎耐震/新築の場合、本体価格込み
  • ▶︎制震/50〜100万円
  • ▶︎免震/300〜550万円

もっとも揺れを感じにくいのはどれか

それぞれの特性を考えれば、免震がもっとも揺れを感じにくいと考えられます。ただし地盤や震度などによっても左右される点に注意してください。

まとめ

住宅模型

本記事では、耐震、制震、免震に関して解説しました。これらの違いをもう一度おさらいしましょう。

  • ▶︎耐震/地震の揺れに耐えて倒壊を防ぐ
  • ▶︎制振/地震の揺れを吸収する
  • ▶︎免震/地震による揺れを建物に伝えないようにする

前提として、1981年の新耐震基準導入により、以後建築された住宅のすべては耐震構造を獲得します。

そのうえで制震や免震など、次世代的な地震対策を導入するかどうかが争点となるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、地震に負けない、強い家づくりを進めていきましょう。

愛知・名古屋付近で注文住宅を手がけるブルーハウスからのメッセージ

ブルーハウスは、愛知・名古屋でオーダーメイドのデザインと快適性、住みやすさ、本記事で述べた耐震・制震性、それらをすべて満たす家づくりをしています。

  • 高度な耐震構造を用いた、地震に強い家づくりにも注力しています。非常に重要な役割を果たす耐震・制震ダンパーも採用。
  • デザインも性能も叶えて、長く快適に経済負担の少なく住める家をつくっています。
  • ・ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
  • ・無垢材や塗り壁など、自然の素材を使った家づくりが得意です。
  • ・土地探しからも始められて、建てたい家や住みたい地域、住みたい環境から適した土地をお探しします。

愛知に住む人、そしてその郊外に住む人を家づくりで幸せにする。「人生を最高に楽しむ家」をつくることを目指して家づくりをしています。

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