「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説

中庭に面したLDK|「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説 

「リビングは広いほど快適」と感じる方は、多いのではないでしょうか。

近年は20畳以上のリビングを希望する方も増え、開放感を重視した間取りが人気を集めています。

けれど実際に暮らしてみると、「冷暖房が効きづらい」「家具配置が難しい」「家族のコミュニケーションが取りづらい」など、意外な悩みを抱えるケースも少なくありません。

そこでこの記事では、ご家族にとって「ちょうどいいリビングの広さ」の見つけ方と、広さに頼らず居心地のよい空間づくりの考え方を解説します。

「暮らし方」から導く快適なリビングづくりのヒントをお届けしますので、最後までごらんください。

<コラムのポイント>

  • リビングは広ければ快適というわけではなく、冷暖房効率や家具配置、家族の距離感が重要です

  • ・ゾーニングによって空間を緩やかに分けることで、広いリビングでも使いやすく居心地のよい空間になります

  • ・ リビングの広さは家族構成によって異なり、一般的には4人家族で18畳前後が目安です
  • ・ 同じ面積でも、吹き抜けや採光の工夫によって実際以上の広がりや開放感を得られます
  • ・数字だけにとらわれず、家族の過ごし方や会話の生まれる距離感を大切にすることが、後悔しない家づくりにつながります

 

広いリビングで後悔しがちな理由とは

吹き抜けリビング|「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説

20畳以上のリビングは、ゆとりがあり理想的に感じられますが、ただ広いだけでは使いにくさを感じるケースもあります。

この章では、広いリビングで後悔しがちな理由の代表例をご紹介します。

空調効率が悪く、光熱費が上がりやすい

広いリビングで最も多い悩みが、冷暖房効率です。

空間が広いほどエアコンの風が届きにくく、夏は冷えず、冬は暖まりにくい場合があります。

特に吹き抜けや高天井のある空間では暖気が上部に逃げやすく、下階との温度差が大きくなる傾向があるため、対策が必要です。

断熱性能の高い家づくりを前提にしつつ、床暖房やシーリングファンなどの空気循環計画を組み込むことで、快適性が向上します。

家具配置が難しくなる

広いリビングでは、ゾーニングが難しく家具の配置が定まりにくい場合があります。

例えば、ソファを中央に置いても空間が間延びし、テレビとの距離が遠くなるのが課題です。

また、ダイニングテーブルとの動線が重なり、どこでくつろぐのが心地よいのか分からなくなるケースもあります。

建築家と建てる家づくりは、こうした「ご家族のライフスタイル」や「生活の流れ」を設計段階から想定し、家具の大きさや配置を図面に落とし込んでいけるのが利点です。

コンセントや照明の位置も合わせて計画することで、完成後の使い勝手もよくなります。

家族のコミュニケーションが取りづらくなる

空間が広いと、ご家族それぞれが別々の場所で過ごしがちになるのではないでしょうか。

そのこと自体は自由で快適なようにも思えますが、自然と会話が減る原因にもなりかねません。

お互いの気配を感じながら、「心地よく過ごせる距離感」を意識することが、ご家族全員が快適なリビングづくりのポイントです。

ゾーニングで居心地のよい空間に|快適リビングをつくるポイント

畳スペースのあるLDK|「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説

「広さ」を求めるより、「使い方」を整理することが快適なリビングづくりの近道です。

ひとつの空間を複数のゾーンに分けることで、使いやすさと居心地の良さを両立できます。

この章では、ゾーニングで居心地のよい空間をつくるために、意識したいポイントを2つに絞ってご紹介します。

家具や間仕切りで広いリビングをエリア分けする

建築家はリビングを、くつろぐエリア・食事をするエリア・作業や趣味を楽しむエリアなど、目的に応じてゾーンに分けて設計します。

例えば、ご家族が自然に集まるリラックスゾーンにはソファとローテーブルを、お子様が勉強や工作をするワークゾーンにはデスクやスタンドライトを設置するといった具合です。

このようにエリアごとに家具を配置したり、間仕切り壁を設置すれば、広い空間にも心地よいリズムが生まれます。

視覚的な区切りをつくる

ゾーニングは、壁を立てなくても可能です。

例えば、天井の高さを変えたり、床材を貼り分けたりすることで、自然な境界を生み出すことができます。

また、ダイニングとリビングの間に照明の明暗差をつけるなど、視覚的な区切りをつくることも可能です。

光の入り方や視線の抜けを設計段階で意識することで、実際の面積以上に広がりを感じさせます。

適性なリビングの広さとは|家族4人で18畳前後が目安

開放感のあるLDK|「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説

リビングの適性な広さは、家族構成や暮らし方によって異なります。

一般的には、ご家族4~5人で18畳前後のリビングが適正だとされており、過ごしやすいと感じる方が多い広さです。

この章では、ご家族の人数別に見たリビングの広さの目安と、18畳前後がちょうどいいと言われる理由をご紹介します。

適性なリビングの広さ|家族の人数別目安

家づくりの打ち合わせで、「リビングは何畳くらい必要ですか」と聞かれるケースも多くあります。

けれど、家族の人数や暮らし方によって“ちょうどいい広さ”は変わるもので、即答は難しいですよね。

そこで目安となるのが、国土交通省が定める「誘導居住面積水準」です。

この基準は、家族構成ごとに「健康でゆとりある生活を送るために必要な住まいの広さ」を示したもので、一般的な戸建て住宅の目安として次のように定められています。

  • ・単身者:55㎡

  • ・2人以上の世帯:25㎡×世帯人数+25㎡

出典:国土交通省『住生活基本計画(全国計画)』令和3年3月閣議決定

この数値は住宅全体の面積を示しており、ここからおよそ30〜35%がリビング・ダイニング・キッチン(LDK)部分にあたります。

この比率をもとに換算すると、適正なリビングの広さは以下の通りです。

世帯人数 快適なLDKの広さ(目安) リビング単体の目安(概算)
2人暮らし 約22〜26㎡(13〜16畳) 約10〜12畳
3人家族 約30〜35㎡(18〜21畳) 約12〜14畳
4人家族 約37〜44㎡(22〜27畳) 約14〜16畳
5人家族 約45〜52㎡(27〜32畳) 約16〜18畳

上記は、あくまで平均的な目安です。

同じ広さでも、吹き抜けを設けたり窓の取り方を工夫したりすることで、面積以上に広く感じられる空間をつくれます。

18畳前後がちょうどいい理由

リビングの広さが18畳ほどあれば、ソファ・テレビボード・ダイニングテーブルを配置しても十分な動線を確保できます。

数字だけで決めるのではなく、ご家族がどこで過ごし、どんな時間を共有したいかは、リビングの広さを決めるうえで重要なポイントです。

ライフスタイルからリビングの広さを導き出すことが、後悔しない家づくりの第一歩となるため、慎重に検討しましょう。

吹き抜けリビングの注意点

吹き抜けを設けると、縦方向の開放感が生まれます。

しかし、空間が上下に広がる分、冷暖房の効率が下がりやすいため注意が必要です。

空気を循環させるためのシーリングファンを設けたり、窓の位置やサイズを工夫して自然換気を促したりすることで、快適さを維持しやすくなります。

また、吹き抜け上部から入る光が日中の明るさを確保し、照明エネルギーを抑える効果も期待できるため、取り入れるのも一案です。

快適リビングをつくるポイント|家具と照明の計画

ウッドデッキに面したLDK|「リビング広すぎ」で後悔する前に|「過ごし方」を軸に考える、快適リビング設計を解説

広さだけでなく、家具と照明の配置がリビングの印象を大きく左右します。

最後にこの章では、家具と照明を踏まえた快適リビングのポイントを解説します。

家具レイアウトを設計段階で考える

多くの方が「家が完成してから家具を決める」ケースを想定しますが、設計段階からレイアウトを検討しておくとスムーズです。

例えば、以下のような家具の配置を予め検討しておきましょう。

  • ・ソファを置く位置
  • ・テレビとの距離
  • ・コンセントの位置
  • ・ダイニングテーブルの位置
  • ・大型収納の設置位置 など

これらを事前に計画しておくことで、生活の流れに無理のないリビング空間をつくりやすくなります。

家具を後から無理に合わせようとすると、せっかくの広さが活かしきれなくなる可能性があるため注意が必要です。

    照明で空間の印象をコントロールする

    照明計画は、昼と夜で切り替えができるようにしておくと快適性が高まり、より心地よく過ごせます。

    リビングの印象を上質に変えるコツは、日中は自然光を活かし、夜は間接照明やスタンドライトで柔らかな明るさをつくることです。

    特に調光機能を備えた照明を採用すれば、家族団らんの時間と読書や映画鑑賞の時間とで光のトーンを変えられます。

    シーリングライトなどの主照明のほかに、スタンドライトやテーブルランプなど、補助照明の配置も検討しておきましょう。

    ブルーハウスには、リビングの快適性にこだわった注文住宅の施工実績も多数ございます。

    お気軽に、お問い合わせください。

    <あわせて読みたい>

    ブルーハウスの家づくりを詳しくご紹介しています。

    >ブルーハウスの家づくり|施工事例を見る

    まとめ|広さよりも「過ごし方」をもとに設計する重要性

    リビングの快適さは、畳数ではなく「どのように過ごすか」によって決まります。

    建築家と建てる家は、ご家族がどのようにリビングを使いたいのか、どんな時間を共有したいのかをていねいにヒアリングしながら設計を進められるのが特徴です。

    空間の広さよりも、そこに流れる時間の質をどう高めるかを重視することが、本当に居心地のよい家をつくる第一歩になります。

    リビングは、ご家族の日々を支える大切な場所です。

    その空間に必要なのは、数字では表せない「ちょうどよさ」ではないでしょうか。

    広さにとらわれず、暮らしのリズムや心地よさを見つめながらていねいに設計することで、何年経っても快適な、愛着のあるリビングに仕上がります。

    豊橋市で注文住宅を手がけるブルーハウスからのメッセージ

    ブルーハウスは、豊橋市でオーダーメイドのデザインと快適性、住みやすさを両立した家づくりをしています。

    • ・デザインも性能も叶えて、長く快適に経済負担が少なく住める家をつくっています。
    • ・ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
    • ・無垢材や塗り壁など、自然の素材を使った家づくりが得意です。
    • ・土地探しからも始められて、建てたい家や住みたい地域、住みたい環境から適した土地をお探しします。

    愛知に住む人、豊橋に住む人を家づくりで幸せにする。

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