断熱等級は5で十分?高断熱でも夏暑い家になる理由と対策、エアコンの正しい選び方を解説

断熱等級は5で十分?高断熱でも夏暑い家になる理由と対策、エアコンの正しい選び方を解説

新築住宅の断熱性能は、2025年以降は断熱等級4以上が必須となり、2030年には断熱等級5(ZEH水準)が義務化予定となっています。

これから家を建てるにあたって、近年続く酷暑や厳しい寒さなど気候変動の影響も考えると「断熱等級4や5で本当に十分なのか?」と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。

そこでこのコラムでは、断熱等級の基礎知識から、等級ごとの性能、そして高断熱なのに「夏暑い家」にならないための対策を解説します。

<コラムのポイント>

  • ・断熱等級5の家は、冬の最低室温が10℃を下回らない性能のため高断熱であると言えますが、夏は日射遮蔽や換気・気密性が不十分だと暑さや温度ムラなどの不快を感じることがあります。

  • ・住まいづくりでも夏場の酷暑対策が求められる現在の状況や、補助金の活用も考慮し、ブルーハウスでは「実際の快適性にこだわった断熱等級6以上」を推奨します。

 

国や自治体の補助金も活用しながら、お得に長く快適に住み続けられる理想の家づくりを実現するためのヒントをご紹介しますので、ぜひ最後までごらんください。

 

断熱等級とは?

断熱等級とは?

断熱等級とは、住宅の省エネ性能の1つである断熱性能を表す指標です。

断熱等級は住宅の外皮性能、つまり外壁、床、窓などの熱伝導率の低さによって決まります。

等級が上がるほど熱伝導率が低い=外気の影響を受けにくくなり、冷暖房された空気が室内から外に逃げにくくなるため、少ないエネルギーで快適な室温をキープしやすくなります

断熱等級は建物からの熱の逃げやすさを示す「UA(ユーエー)値」と、建物への日射熱の入りやすさを示す「ηAC(イータエーシー)値」という2つの数値で決まります。

愛知県の豊橋市や豊川市が該当する地域区分「6地域」における、断熱等級別のUA値とηAC値の基準は以下の通りです。

断熱等級 UA値(W/㎡・K) ηAC値 相当する基準
等級7 0.26以下 2.8以下 HEAT20 G3
等級6 0.46以下 2.8以下 HEAT20 G2
等級5 0.60以下 2.8以下 ZEH基準
等級4 0.87以下 2.8以下 現行の省エネ基準
(2025年4月から「建築物省エネ法」で新築時に義務付けられている最低基準)

 

上記のように、2025年時点では、新築住宅の断熱等級は「等級4以上」が義務となっています。

「断熱等級5」は、ZEH住宅レベルの断熱性を持つ家で、2030年には新築で等級5以上が義務化される予定です。

 

断熱等級5の断熱性能はどれくらい?

断熱等級5の断熱性能はどれくらい?

実際に断熱等級5はどれくらいの断熱性があるのかについて解説します。

高断熱住宅の普及を目的とする団体「HEAT20」が示している、断熱性能ごとの暖房期(おもに冬)の最低室温目標を参考に、断熱等級の違いによって冬場の室温がどれくらい変わるのかをまとめました。

〈断熱等級による暖房期の最低室温の違い(6地域の場合)〉

断熱性能 UA値(W/㎡・K) 住空間の暖房期最低室温(部分間歇暖房※) 室温15℃未満の割合
省エネ基準(断熱等級4) 0.87 概ね8℃を下回らない 約30%程度
HEAT20 G1(≒断熱等級5) 0.56 概ね10℃を下回らない 15%程度
HEAT20 G2(断熱等級6) 0.46 概ね13℃を下回らない 10%程度
HEAT20 G3(断熱等級7) 0.26 概ね15℃を下回らない 2%未満

 

上記のように、断熱等級5の家は「冬でも最低室温が約10℃を下回らない」断熱性能を持ちます。

さらに、室温が15℃以下になる場所が等級4と比べ半分に減るため、家中の温度のムラが少なく快適性が向上します。

そして、断熱等級6や7では、冬場の最低室温がさらに上がって寒さを感じにくくなり、室内の温度ムラも小さくなるため不快を感じることがほぼなくなります。

断熱等級の意味や、等級を上げるメリットについては以下のコラムでさらに詳しく解説していますので、合わせてお読みください。

 

 

断熱等級は5で十分なのか?

断熱等級は5で十分なのか?

前章で解説した通り、2030年以降は新築の基準が断熱等級5以上となり、必ずしも等級6や7にしなければならないわけではないので、「等級5で十分」と思う人もいるかもしれません。

断熱等級を5から6や7に上げるためには、初期コストが増えたり、間取りに影響したりする場合もあるため、予算やデザインの希望も考慮して「等級5で十分」というケースはあります

ただし、今後も住宅の省エネ化が推進されることが予想され、光熱費が高騰している現況なども踏まえると、ブルーハウスでは「これから新築するなら等級6以上」をおすすめします。

 

断熱等級6以上なら国の補助金の恩恵を最大限受けられる

2025年7月時点ですでに予算の消化が6割に達している「子育てグリーン住宅支援事業」で最大160万円の補助金をもらうためには、断熱等級6以上の「GX志向型住宅」基準が求められます。

一方、断熱等級5でもらえる補助金はZEH水準で最大40万円、長期優良住宅は最大80万円のため、GX志向型住宅との差額が80~120万円と大きく開いています

また、ZEH水準や長期優良住宅での補助は対象が子育て若者夫婦世帯のみであるため、活用できる世帯が限られています。

 

何より、近年は気候変動による酷暑も問題となってきており、夏の冷房コストが大きく増えることが予想されます。

これから家を建てるなら、補助金を活用して断熱等級6以上の高断熱な住まいにして、気候変動による光熱費上昇にも備える方が得策であると言えます。

愛知県の工務店「ブルーハウス」では、「快適性、電気代、断熱コスト」の3つのバランスを考え、豊橋や豊川のある6地域でUA値0.36以下=断熱等級6以上を標準性能としています。高い断熱性能を標準仕様とした上で、ご要望に合わせて等級7(UA値0.26以下)も含めた最適な性能を適正な価格でご提案します。

「子育てグリーン住宅支援事業」などの国の補助金申請にも対応しておりますので、よりお得に高性能かつデザイン性の高い住まいを実現したい方は、お気軽にご相談ください。

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断熱等級5で「夏暑い家」になってしまう理由と対策

断熱等級5で「夏暑い家」になってしまう理由と対策

断熱等級5の家はZEH水準や長期優良住宅の基準にもなっており、高断熱住宅であることには違いありません。

ただし、等級5のUA値は達成していても、快適性を高める設計の工夫を取り入れていないと、部屋で暑い場所ができたり、室温にムラができたりして「夏暑い、不快な家」になってしまうことがあります。

夏の住まいの快適性を高める設計の工夫例をご紹介します。

 

窓からの日射を遮蔽する

高断熱住宅は室内に入った熱が逃げにくいため、夏の日射が室内にできるだけ入ってこないようにする工夫が重要です。

具体的には、冬の日射取得に影響が出ないよう工夫して軒やひさしを設置したり、外付けブラインドやスクリーン、すだれなどで窓の外から日差しを遮蔽したりする設計の工夫が必要です。

 

高性能な換気システムを導入する

現在の住宅では24時間換気設備の設置が義務付けられていますが、より冷暖房負荷を少なくできる「第一種熱交換換気」を導入することで、光熱費を削減でき、室内の空気の質も良くなります。

 

高い気密性を確保する

断熱性能が高くても、隙間があっては十分に能力を発揮できません。気密性を高めて隙間をできるだけ少なくすることで、高い断熱性能を長期間維持することにつながります。

 

壁だけでなく床や天井・屋根の断熱も強化する

特に天井や屋根の断熱が不十分だと、屋根に当たる日射熱が室内に侵入し、夏場の不快の原因になるため、天井・屋根の断熱強化が重要になります。

「断熱等級5にしたのに夏暑い家になった」という後悔を防ぐためには、UA値の数値を達成するだけでなく、実際の快適性にもこだわって設計・施工している、信頼できる工務店やハウスメーカーを選ぶことがとても重要になります。

ブルーハウスでは、断熱性や気密性の数値を大切にした上でさらに、「実際に快適であるという事実」を大切にしています。

間取りやデザインのご要望と断熱性能の両立をかなえる設計力と、確実に断熱性能、気密性能を発揮するための施工力で、本当に快適で長持ちする住まいを提供します。

 

高気密・高断熱住宅のエアコンの選び方

高気密高断熱の家のエアコンの選び方

エアコンは、設定温度と現在室温に応じてパワーを自動で調整するため、一度冷やしたり温めたりした空気を維持しやすい高気密高断熱住宅では、省エネにつながるおすすめの空調設備になります。

夏期の冷房は各部屋に壁掛けエアコンを設置する方法が一般的です。

個別エアコンは、必要な時に必要な場所を冷やせるメリットがありますが、全部屋に設置するコストがかかります。

また、室外機や屋内機の設置スペースもたくさん必要になり、廊下やトイレ、脱衣所などと温度差ができて不快を感じやすいというデメリットもあります。

さらに、エアコンに表示されている対応畳数は無断熱住宅を基準にしているため、部屋の広さに応じた機種を選んでもオーバースペックになる場合があります。そのため、高気密高断熱住宅では、断熱性や間取りなどに応じて適切な性能やサイズを選ぶ必要があります。

そのため、近年の高気密高断熱住宅では、家全体を常時冷房する「全館24時間冷房(全館空調)」の人気が高まっています。

全館空調のイメージ

ブルーハウスでは、 LDKだけでなく、トイレ・廊下・洗面所・浴室・脱衣所に至るまで、温度を一定にできるダクト式全館空調」を導入しています。

※全館空調の採用はご要望によります。

ダクト式全館空調は、新築時にダクトを設置する手間やコスト、スペースを考える必要がありますが、各部屋に屋内機・室外機やコンセント、配管が必要ないためデザインを邪魔せずに、1年中、場所による温度ムラの少ない快適な室内環境を維持できます

 

まとめ

2030年に義務化予定の断熱等級5の家は、冬の最低室温が10℃を下回らない性能のため高断熱であると言えますが、夏は日射遮蔽や換気・気密性が不十分だと暑さや温度ムラなどの不快を感じることがあります。

住まいづくりでも夏場の酷暑対策が求められる現在の状況や、補助金の活用も考慮し、ブルーハウスでは「実際の快適性にこだわった断熱等級6以上」を推奨します。

断熱等級5は最低限満たす基準とした上で、夏の快適性も追求した設計で、後悔しない家づくりを目指しましょう。

 

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