断熱等級6とは?等級5・7との仕様・UA値・光熱費の違いや使える補助金、快適な住まいを叶えるハウスメーカーの選び方を紹介
新築を検討していて、住宅の断熱等級「4・5・6・7」は実際にどんな違いがあるの?と疑問に思っている方もいるのではないでしょうか。
そこでこのコラムでは、標準仕様で断熱等級6以上を提供している愛知の工務店『ブルーハウス』が、以下について分かりやすく解説します。
<コラムのポイント>
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・断熱等級の意味と等級の種類、断熱等級4・5・6・7のUA値などの性能の違いについて解説します。
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・断熱等級を上げるメリットと、等級6以上にすることで具体的に冬場の室温や年間の電気代がどれくらい変わるのかを確認しましょう。
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・断熱等級6以上などの高性能住宅の新築で使える補助金や、等級の高さだけでなく本当に快適な住まいにするための設計の工夫を紹介します。
断熱等級のランクによる違いを理解して、ご自身が家を建てる地域や敷地、周辺環境、家の規模などに適した快適な住まいを、最適なコストパフォーマンスで実現しましょう!
目次
断熱等級とは何か
断熱等級とは、住宅の省エネ性能の1つである断熱性能を表す指標です。
消費者が住宅の性能を理解しやすくするための新築住宅の評価制度である「住宅性能表示制度」の基準の1つにあたります。
断熱等級は住宅の外皮性能=外壁、床、窓などの熱伝導率の低さで決まります。
外皮の熱伝導率が低いほど、外気の影響を受けにくくなり、室内から外に冷暖房された空気が逃げにくくなるため、少ないエネルギーで快適な室温をキープしやすくなるということです。
断熱等級を決める2つの数値
(引用)国土交通省ホームページ|建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度
断熱等級は「UA値」と「ηAC値」という2つの数値で決定されます。
- UA(ユーエー)値…建物からの熱の逃げやすさを示す指標(外皮平均熱貫流率)
- ηAC(イータエーシー)値…建物への日射熱の入りやすさを示す指標(冷房期の平均日射熱取得率)
また、日本は地域によって気候条件が大きく変わるため、全国を8つの地域に分けて、地域ごとにUA値とηAC値の等級の基準値を定めています。
愛知県の豊橋市や豊川市が該当する地域区分「6地域」における断熱等級別のUA値とηAC値の基準を以下にまとめました。
断熱等級 | UA値(W/㎡・K) | ηAC値 | 相当する基準 |
---|---|---|---|
等級7 | 0.26以下 | 2.8以下 | HEAT20 G3 |
等級6 | 0.46以下 | 2.8以下 | HEAT20 G2 |
等級5 | 0.60以下 | 2.8以下 | ZEH基準 |
等級4 | 0.87以下 | 2.8以下 | 現行の省エネ基準 (2025年4月から「建築物省エネ法」で新築時に義務付けられている最低基準) |
豊橋市・豊川市で断熱等級6を取得するにはUA値0.46以下、ηAC値は2.8以下が必要です。
愛知県は比較的温暖な気候ですが、夏の暑さや冬の底冷えが厳しい地域もあるため、断熱等級6レベルの断熱性能を採用することをおすすめします。
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断熱等級を上げるメリット
2025年4月から、新築住宅は省エネ基準の「断熱等級4」以上が義務化されました。また、2030年にはZEH水準の断熱等級5以上が義務化されます。
上記の最低限必要な断熱等級を超える「等級6・7」にすると、以下のメリットがさらに大きくなります。
①少ない暖冷房エネルギーで快適になる
断熱性能の低い住宅は、暖房で暖めたり冷房で冷やしたりした空気が外に逃げやすいため、冷暖房に使うエネルギー効率が悪くなります。
断熱等級を上げることで、熱の逃げにくさをさらに高められるため、より冷暖房の光熱費を抑えながら、快適な室温をキープできるようになります。
②家じゅうの温度差が小さくなる
断熱性能を高めて冷暖房効率が高くなると、室内で極端に冷えた場所や、暖まりすぎる場所が少なくなり、家じゅうの温度差が小さくなり快適性が高まります。
さらに、冬場に部屋間で極端な温度差がある環境で起こりやすい「ヒートショック」を予防することにもつながります。
③災害時でも日常生活を維持できる
断熱性の高い住宅は、非常時や災害時に電気やガスが止まり暖冷房設備を動かせなくても、夏の暑さや冬の寒さによってすぐに室内の温度が上がったり下がったりすることがないため、一定の室温を保てます。
非常時や災害時でも在宅避難により最低限の生活を維持できるため、とくに高齢の方やお子さまにとっては身体的にも精神的にも安心です。
さらに、高断熱と「太陽光発電」を組み合わせれば、災害等による停電時でも電気を使えるようになります。
断熱等級6にすると室温や光熱費はどう変わる?
断熱等級を上げるメリットをお伝えしてきましたが、実際にどれくらい室温や光熱費が変わるのか?と疑問に思っている方もいると思います。
HEAT20が示している断熱性能ごとに目指す住空間の暖房期最低室温を参考に、断熱等級の違いによる室温の違いをまとめました。
〈断熱性能別住空間の暖房期最低室温(6地域の場合)〉
断熱性能 | UA値(W/㎡・K) | 住空間の暖房期最低室温(部分間歇暖房※) | 室温15℃未満の割合 |
---|---|---|---|
省エネ基準(断熱等級4) | 0.87 | 概ね8℃を下回らない | 約30%程度 |
HEAT20 G1(≒断熱等級5) | 0.56 | 概ね10℃を下回らない | 15%程度 |
HEAT20 G2(断熱等級6) | 0.46 | 概ね13℃を下回らない | 10%程度 |
HEAT20 G3(断熱等級7) | 0.26 | 概ね15℃を下回らない | 2%未満 |
上記のように、断熱等級6レベルの断熱性能の家は、暖房を使う冬でも室内温度が約13℃を下回らないことを目指します。
さらに、室温が15℃以下の場所が等級4と比べ1/3に減っているため、家じゅうの室温のムラも少なく快適になることが分かります。
次に、断熱等級別の年間電気代削減効果の違いをシミュレーションした結果を紹介します。
断熱等級 | 年間消費電力量 | 年間電気代 | 等級4との電気代の差 |
---|---|---|---|
断熱等級4(省エネ基準) | 7,211kWh | 194,697円 | ‐ |
断熱等級5(ZEH基準) | 6,883kWh | 185,841円 | 8,856円 |
断熱等級6(HEAT20 G2) | 6,613kWh | 178,551円 | 16,146円 |
断熱等級7(HEAT20 G3) | 6,418kWh | 173,286円 | 21,411円 |
〈シミュレーション条件〉
- ・床面積:120.08㎡
- ・地域区分:6地域
- ・外皮面積合計:307.51㎡
- ・冷暖房:居室のみエアコンを使用
- ・照明設備:主たる居室のみ(すべてLED照明)
- ・換気設備:ダクト式第一種換気設備
- ・給湯設備:電気ヒートポンプ給湯機
- ・電気代:単価27円/kWhとして試算
(参考)国土交通省ホームページ|建築物省エネ法のページ(住宅に関する省エネルギー基準に準拠したプログラム)
上記のように、今回のシミュレーション条件では、年間の電気代は断熱等級4から6に上げると約16,000円、等級5から6に上げると約7,300円削減でき、等級が上がるほど光熱費削減効果も高まることが分かります。
2025年は断熱等級6以上の新築で「最大160万円」の補助金が活用できる
断熱等級4から5・6・7へとグレードアップすると、断熱材やサッシ、玄関ドアなどもより高性能な製品を選ぶ必要があるため、新築時の費用も高くなる傾向があります。
コストアップを考えると、断熱等級を上げることをためらってしまうかもしれません。しかし、省エネ性能の高い住宅を増やすことは国や世界全体の目標でもあるため、補助金や減税制度も充実しています。
例えば、2025年は断熱等級6以上などの高性能住宅の新築に対して、1戸あたり最大160万円の補助金が出る「子育てグリーン住宅支援事業」が実施されています。
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上記に加えて、自治体の補助金も併用することで、新築時のコストアップによる大幅な負担増を抑えることが可能ですので、住宅会社と相談しながら、最適な建て方を見極めてください。
断熱等級6で本当に快適な住まいを実現するハウスメーカーの選び方
断熱等級6や7の家は、熱が逃げにくい特徴を活かした設計を取り入れることで、省エネ性や快適性をさらに高めることができます。
断熱等級6や7の家を建てるハウスメーカーを選ぶ際は、以下のような、高断熱住宅の性能を十分に発揮させ、一年中快適に暮らすための設計の工夫があるかどうかも判断基準とすることで、本当に快適な高断熱住宅を実現できます。
①季節に応じて日射しをコントロールする工夫がある
窓には日射熱を取り入れる・遮るという2つの役割があり、それぞれに適したタイプ(日射取得型・日射遮蔽型)があります。
ハウスメーカーや工務店を選ぶ際は、冬期の日射取得と夏期の日射遮蔽のバランスを考慮して窓を選択するなど、自然の日射しを活かし、冷暖房エネルギーを減らして快適な室内環境を保つ工夫をしているかをチェックしましょう。
例えば、日射熱の取得に適した窓(日射取得型)は、冬期の日射を室内に取り入れ、室内を暖めるのに効果的です。
日中はカーテンを全開して日射しをしっかり取り入れ、その熱を利用して家中を暖めることにより、ほとんど暖房を点けなくても良いほどの室温になることもあります。
日が落ちた後は、断熱性の高い厚手のカーテンや雨戸などを閉めて窓の断熱性を少しでも高めることで、より一層暖かさを保つことができます。
ただし、夏期は窓から入った日射熱で室内に熱がこもらないよう、しっかりと日射しを遮る工夫が必要です。軒・庇を設置したり、すだれやブラインドなどで外側で日射しを遮ったりする工夫が有効です。
②気密性が高い
住宅の断熱性能を十分に発揮するためには、隙間が少ない=気密性の高さも重要になるため、ハウスメーカーや工務店の平均的な気密性の実績もチェックしましょう。
高性能な断熱材やサッシを使っても、隙間が多ければそこから熱が出入りし、冷暖房効率(省エネ性能)を下げることにつながってしまいます。また、隙間から入ってくる風によって室内に温度ムラができやすくなり、不快な室内環境の原因になります。
高断熱住宅では、気密性を表す基準であるC値を0.7~1.0㎠/㎡以下にするのが理想的です。
※C値:建物の床面積1㎡あたりにどれだけ隙間があるかを㎠で示した値
気密性の高い家は、快適性が向上するのはもちろん、躯体内への結露やカビの発生を防いで建物を劣化しにくくすることにもつながります。
ブルーハウスでは、断熱と気密はセットであると考え、全棟気密測定を行っています。2021年完工の新築物件の平均でC値は0.3㎠/㎡と高い気密性を実現しています。
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ブルーハウスは愛知で最適な「断熱等級6以上」が標準仕様
断熱等級を6以上にするメリットと、等級の違いによる室温や光熱費の変化、断熱等級6以上の新築で使える補助金などについて解説してきました。
現在の省エネ基準を上回る断熱等級6以上の家は、快適性の向上や光熱費のさらなる削減効果が期待できます。
愛知県の工務店「ブルーハウス」では、「快適性、電気代、断熱コスト」の3つのバランスを考え、豊橋や豊川のある6地域でUA値0.36以下=断熱等級6以上を標準性能としています。高い断熱性能を標準仕様とした上で、ご要望に合わせて等級7(UA値0.26以下)も含めた最適な性能を適正な価格でご提案します。
「子育てグリーン住宅支援事業」などの国の補助金申請にも対応しておりますので、よりお得に高性能かつデザイン性の高い住まいを実現したい方は、お気軽にお問い合わせください。
豊川で暮らしを楽しむ!豊川モデルハウスで体感ください
ブルーハウスは2024年、豊川市に豊川モデルハウスをオープンしました。ブルーハウスの家づくりをもっと知りたい方、住み心地を体感したい方、デザインを詳しく見てみたい方は、ぜひお気軽にご来場ください。