陸屋根にデメリットはあるのか|雨漏りのリスクや断熱性など後悔しないための対処法も解説
シンプルでスタイリッシュなデザインの住宅に採用されることが多い陸屋根ですが、多くのメリットがある一方でデメリットもあることに注意しましょう。
マイホームに陸屋根を採用して後悔しないためには、事前にデメリットを把握し、対策を講じることが重要です。
今回は、以下のポイントを中心に陸屋根のデメリットと対処法をくわしく解説します。
<コラムのポイント>
- ・陸屋根のデメリットと対処法を紹介します。
- ・陸屋根は「雨漏りしやすい」構造ですが、定期的にメンテナンスすることでリスクを軽減できます。
- ・陸屋根のメリットを紹介します。
目次
陸屋根のデメリットと対処法
陸屋根(りくやね・ろくやね)とは、フラットな屋根のことを指し、「平屋根」「フラットルーフ」などと呼ばれることもあります。
一般的に陸屋根には、以下のようなデメリットがあるため、事前にデメリットを把握し対策を講じましょう。
ここでは、陸屋根のデメリットと対処法について解説します。
- ・雨漏りしやすい
- ・メンテナンス頻度が多い
- ・断熱性が低い
- ・屋根裏収納をつくれない
雨漏りしやすい
一般的に陸屋根が「雨漏りしやすい」と言われる理由は、以下のとおりです。
- ・「切妻屋根」や「片流れ屋根」など他の屋根形状と比べ、陸屋根には傾斜がない
- ・長時間水分にさらされることにより屋根表面が劣化しやすい
- ・屋根材がなく防水層で保護されている
しかし、以下のような対策を講じることで、雨漏りのリスクを軽減できます。
・定期的に排水口の清掃を行う
・定期的に防水塗装を行う
「防水層のトップコートの塗り替え」「シーリング補修」などのメンテナンスを定期的に実施することが重要です。
メンテナンス頻度が多い
上述したとおり、陸屋根の雨漏りを防止するためには、以下のような定期的なメンテナンスが必要です。
- ・トップコートの塗り替え:5年に1回~
- ・ドレン(排水口)の点検:適宜
陸屋根はフラットな屋根ですが、緩やかな勾配があり雨水がドレンに排水される構造になっています。
落葉や土などによりドレンが詰まっていると、雨水が屋上に溜まってしまうことで雨漏りにつながることがあるため、定期的に点検・清掃をしましょう。
断熱性が低い
陸屋根は屋根裏スペースがなく、直接日射を受けやすい構造になっているため、夏場に最上階が暑くなりやすい傾向があります。
以下のような対策により陸屋根の断熱性を高められます。
・断熱材を厚くする
・屋上緑化にする
屋根裏収納をつくれない
陸屋根は、切妻屋根のように屋根裏スペースがないため屋根裏を収納スペースとして活用できません。
陸屋根を採用する際は、しっかりと収納スペースを確保する計画を立てることが重要です。
陸屋根のデメリットは、多くの場合対策を講じることで解消できますが、陸屋根以外の屋根を取り入れる選択肢もあります。
以下の記事では、片流れ屋根や三角屋根のメリット・デメリットを確認できます。
陸屋根のメリット
ここまで、陸屋根のデメリットを紹介してきましたが、以下のようにたくさんのメリットもあります。
- ・メンテナンスが容易
- ・屋根を屋上として活用できる
- ・デザイン性が高い
- ・室内空間を広くできる
- ・風の影響をほとんど受けない
それぞれ、見ていきましょう。
メンテナンスが容易
切妻屋根のような勾配屋根で以下のような作業をする場合、とても危険です。
- ・雨どいの点検・清掃
- ・屋根材の劣化の点検
陸屋根は、フラットなので一般の方でも比較的容易に上記の作業を行うことができます。
ただし、安全性が確保されていない場合にはフラットであっても転落の危険性があるため、専門業者に依頼するようにしましょう。
また、勾配屋根で防水工事を実施する場合には、足場の設置が必要になりますが、最小限の足場で工事できる経済的なメリットもあります。
屋根を屋上として活用できる
フラットな陸屋根は、以下のように屋根上を屋上として多用途に活用することも可能です。
- ・洗濯物干し場として利用
- ・屋上庭園として活用
- ・アウトドアスペースとして利用
- ・太陽光パネルを設置する
ただし、通常の陸屋根は人や物が載ることを想定しておらず、屋上として活用するためには、荷重に耐えられる構造にする必要があります。
したがって、「陸屋根を屋上として活用したい」とお考えの方は施工業者に事前に相談しましょう。
デザイン性が高い
フラットな形状の陸屋根は、「モダン」「スタイリッシュ」などの外観を演出できます。
また、他の形状の屋根と組み合わせることで、よりおしゃれなデザインになります。
例えば、以下の施工事例は、陸屋根と片流れ屋根を組み合わせることで、モダンでスタイリッシュな外観に仕上がりました。
【片流れ屋根と陸屋根を組み合わせた住宅の施工事例】
<施工事例>伸び、外とを結ぶ平屋
以下の記事では、平屋をおしゃれに仕上げる「陸屋根」の特徴について紹介しています。
<あわせて読みたい>
室内スペースを広くできる
陸屋根を採用した場合には、屋根裏がない分、天井を高くできるため室内スペースを広くできます。
このように、開放的な空間をつくれることが陸屋根のメリットです。
風の影響をほとんど受けない
切妻屋根の場合、台風や暴風時に強風により、「屋根材のひび割れ・剥がれ」などの被害を受けやすい傾向があります。
一方で、陸屋根はフラットなので「台風」「暴風」などの自然災害に強いことが魅力的です。
陸屋根の防水工事の種類
陸屋根のデメリットとして「雨漏りのリスクが高い」ことが挙げられますが、定期的に適切な防水工事を施すことでリスクを軽減できます。
ここでは、陸屋根の防水工事の種類を解説します。
塗膜防水
塗膜防水とは、液体状の防水塗料を塗る工法のことで、以下のような種類があります。
- ・ウレタン防水:ウレタン樹脂を複数回塗る
- ・FRP防水:FRPシートを使いトップコートを塗る
一般的なウレタン防水は、費用が安い傾向がありますが、1週間程度の工期がかかります。
一方でFRP防水は、短期間の工期で施工可能ですが、ウレタン防水よりも施工費用がかかる傾向があります。
シート防水
シート防水とは、床面にシートを貼る工法のことを指します。
施工費用も安価で、耐久年数も10~20年と長いため、費用対効果の高い施工方法です。
アスファルト防水
アスファルト防水とは、アスファルトルーフィングシートと溶かしたアスファルトを重ねて施工する方法です。
耐久性や防水性が高い特徴があり、マンションや公共施設で採用されるケースが多いです。
陸屋根のデメリットについてのQ&A
最後に、陸屋根のデメリットについてのよくある質問と回答を紹介します。
木造住宅でも陸屋根にできますか
結論からお伝えすると、木造住宅でも陸屋根にすることは可能です。
ただし、木造住宅は、本来は陸屋根に向かない構造であるため、以下の点に注意するようにしましょう。
- ・積雪時に重みに耐えられる構造にする
- ・防水対策を徹底する
陸屋根と屋上の違いは何ですか
陸屋根と屋上は同じ意味で使われることが多いですが、陸屋根は屋根形状の一種であるのに対し、屋上は「スペースとして活用すること」が想定されています。
したがって、陸屋根には手すりがありませんが、屋上には手すりが設置されるケースが多いです。
陸屋根のメンテナンス費用はいくらですか
陸屋根は、10~20年の周期で防水工事をすることをおすすめします。
防水工事の費用相場は、以下のとおりです。
工法 | 費用相場 |
---|---|
塗膜防水 | 4,000~8,000円/㎡ |
シート防水 | 3,000~7,000円/㎡ |
アスファルト防水 | 4,500~9,000円/㎡ |
まとめ
今回は、陸屋根のデメリットについて解説しました。
陸屋根は「雨漏りしやすい」ことがデメリットですが、定期的な「メンテナンス」「点検・清掃」を行うことで雨漏りのリスクを軽減できます。
もちろん、たくさんのメリットもありますのでメリット・デメリットを比較して陸屋根を採用するかを判断しましょう。
今回紹介した情報が「マイホームの屋根を陸屋根にしたい」とお考えの方の参考になれば幸いです。
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