平屋が地震に強い理由とさらなる耐震性を得るためのアイデア
「平屋は地震に対してどの程度強いのか?」と思っている方は多いでしょう。
結論から言うと、基本的には平屋は耐震性が高い傾向にあります。したがって地震災害が多い国内においても、平屋住宅であれば安心して過ごすことが可能です。
本記事では平屋が地震に強い理由や、さらに耐震性を高めるポイントに関して解説します。これから平屋を購入しようとしている方はぜひ参考にしてください。
<コラムのポイント>
-
- ▶︎新築平屋が地震に強い理由がわかります。
-
- ▶︎より高い耐震性を確保する方法述べています。
-
- ▶︎耐震性以外の平屋のメリットを解説しています。
目次
平屋が地震に強い理由
平屋が地震に強い理由は多岐に渡りますが、主だったところで以下が挙げられます。
- ▶︎構造がシンプルである
- ▶︎建物の標高が低い
- ▶︎重量が軽い
- ▶︎倒壊しにくい
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
構造がシンプルである
まず、構造がシンプルである点が耐震性を高めています。
2階建て以上の場合、構造が複雑で、ある一点に振動などが集中する傾向にあります。そうすると一箇所が倒壊し、それが最終的に大規模倒壊をへとつながることがあるのです。
しかし構造がシンプルなら、地震エネルギーは分散されるため、局所的に力がかかりません。
つまり地震に対して、家全体で耐久できるがゆえに、平屋は耐震性が高いといえます。
建物の標高が低い
建物の標高が低いのも、耐震性に貢献しています。
一般的に、地震の揺れは、建物が高いと強くなります。つまり2階建て以上の建物は揺れやすく、その影響を受けて被害が甚大化しやすいわけですね。
しかし平屋は標高が低く、構造的に安定しており、地震の影響を受けにくい傾向にあります。
また2階以上では、強い振動が生じ、家具などの転倒や破損が起こりやすいです。しかし1階しかない平屋に関しては、そのようなリスクもやや低いと考えられるでしょう。
重量が軽い
重量が軽いのも、平屋が地震に強い理由のひとつです。
一般的に地震の振動エネルギーは、建物の重量が重いほど強く影響します。
しかし平屋は(面積によるものの)2階建てなどと比較して重量が軽い傾向にあり、地震の影響を受けにくい側面があります。
したがって揺れにくく、また倒壊もしにくくなるため、地震に強いと言われています。
平屋の耐震性は構造や工法に左右される
平屋は地震に強い傾向がありますが、耐震性は建物の構造によっても左右されます。
同じ木造住宅でも、住宅会社によって工法や耐震性は異なります。住宅会社選びの際に、耐震性のこだわりにも注目してみましょう。
<関連記事>
耐震・制震・免震それぞれの違いやメリット・工事費用などを一覧解説
あまり知られていない耐震構造の定義や特徴を簡単にわかりやすく解説
【補足1】揺れが小さく被害が軽微なのが強み
上述のとおり平屋は揺れにくく、それがそのままメリットとして考えられます。
実際、家具の転倒や壁材の脱落、もしくは全体的な倒壊が起こりにくい傾向にあります。したがって大きな地震があり、相当なエネルギーが発生しても、軽微な被害でおさまりやすいのです。
大地震が頻発する国内において、この耐震性は非常に大きなメリットと言えるでしょう。
【補足2】耐震性以外にも豊富な平屋のメリット
平屋は高い耐震性を有するほか、以下のようなメリットも持っています。
- 費用をおさえられる
- 構造がシンプルであるため、生活動線を作りやすい
- バリアフリー構造を実現しやすい
- メンテナンスがしやすく保守点検費用がかかりにくい
- 屋外に出やすいetc.
2階建てを選択する世帯は多いですが、平屋にもこのようにさまざまなメリットがあります。
関連記事▶︎【新築】平屋の12のメリット|おしゃれな建築実例とデメリット対策も紹介
地震に強い平屋を建てるポイント
基本的に平屋は地震に強い傾向にあります。しかし地震が多発する国内において、「さらなる耐震性を確保したい」と考えている人も多いでしょう。
そのためには以下の取り組みが有効です。
- 地震に強い土地かどうか見極める
- 耐震等級3を選択する
- 軽量の屋根材を使用する
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
地震の影響を受けやすい土地は避ける
まず、地震の影響を受けやすい土地、いわゆる「軟弱地盤」は避けるようにしましょう。
これは、GIS住宅情報提供システムを利用すれば、ある程度把握可能です。
(引用:GIS住宅情報提供システム)
このように、全国の地域ごとの地盤が、地震に弱い「軟弱地盤」か、地震に強い「良好地盤」なのかある程度判断できます。マークが付いている周囲は同様の性質を持つ地盤と考えましょう。
ただしより正確な性質は地盤調査をおこなう必要があります。可能であれば調査を依頼し、正確なデータを取得しましょう。
耐震等級3を選択する
また、耐震性能に関しては、耐震等級3を推奨します。
耐震等級とは、2000年に施行された「品確法」にて定められた耐震基準。3段階評価で、等級3は最高位にあたります。
国土交通省によれば、耐震等級3の住宅は、下図青枠のような性能を有しています。
(引用:国土交通省住宅局住宅生産課)
つまり数百年に一度に起こる大地震の、さらに1.5倍の力がかかっても倒壊、損傷しない耐震性があるということ。
軽量の屋根材を使用する
また、軽量の屋根材を採用するのも有効。
建物は、基本的に上側に重心が寄ると、揺れやすくなります。つまり重い屋根材を使うと、地震の影響を受けやすくなるなります。
一方で「平板スレート」や「ガルバリウム鋼板」などの屋根材は、たとえば瓦屋根などと比較すれば軽量。こういったものを採用すれば、重心が下方に寄り、地震の影響を受けにくくなります。
平屋と地震に関するよくある質問
本記事では平屋と地震の関係に関して解説しました。ここではよくある質問に回答します。
- 平屋と比較して2階建ては地震に弱いのか
- 本当に耐震等級3は必要か
それぞれ詳しく解説するので参考にしてください。
平屋と比較して2階建ては地震に弱いのか
通常、2階建ては平屋よりも耐震性が低い傾向にあります。
これは、構造が複雑であるがゆえ地震エネルギーの影響を受けやすい、といった部分に由来します。
とはいえ、その差は決定的なものではありません。先述したように耐震等級3を有する住宅であれば、階層数にかかわらず、十分な耐震性を有していると考えて問題ありません。
本当に耐震等級3は必要か
法的に義務付けられているわけではありません。しかし耐震等級3であれば、下図のような耐震性を確保できます。
(引用:国土交通省住宅局住宅生産課)
また住宅性能評価・表示協会によれば、品確法に基づく住宅性能評価を受けている住宅の97.3%が耐震等級3に該当しました。
その点を踏まえれば、必須とは言わないまでも、耐震等級3を選択するのが基本となりそうです。
まとめ
本記事では平屋の耐震性に関して解説しました。
平屋は建物の標高の低さや構造のシンプルさから、2階建てなどと比較して地震に強い特徴を有しています。大きな地震が度々発生する国内で、耐震性が高い平屋は、有力な選択肢になりうるでしょう。
また耐震等級3を選択する、屋根材を軽くする、といった工夫でさらなる耐震性を得ることも可能です。地震災害に懸念を覚えている人は、ぜひ平屋新築を検討してみてはいかがでしょうか。
愛知・名古屋付近で注文住宅を手がけるブルーハウスからのメッセージ
ブルーハウスは、愛知・名古屋でオーダーメイドの、デザイン、快適性、住みやすさ、本記事で述べた耐震性、それらをすべて満たす家づくりをしています。
- 高度な耐震構造を用いた、地震に強い家づくりにも注力しています。非常に重要な役割を果たす耐震・制震ダンパーも採用。
- デザインも性能も叶えて、長く快適に経済負担の少なく住める家をつくっています。
- ・ブルーハウスは、高気密高断熱住宅にこだわっています。(現在HEAT20G2グレードを中心に建築。全棟気密測定(C値測定)を実施)
- ・無垢材や塗り壁など、自然の素材を使った家づくりが得意です。
- ・土地探しからも始められて、建てたい家や住みたい地域、住みたい環境から適した土地をお探しします。
愛知に住む人、そしてその郊外に住む人を家づくりで幸せにする。「人生を最高に楽しむ家」をつくることを目指して家づくりをしています。