【間取り図あり】南北に長い土地に建てる平屋|間取り作りのコツを紹介
間口が狭くて奥行きが広い南北に長い土地。
住宅密集地などにありがちな土地で、価格が安いなどのメリットがありますが、間取り作りの難易度は高いです。
細長い家の間取りは動線が長くなりやすく、日当たりを確保するのも大変ですからね。
しかし、間取りの工夫次第では、南北に長い土地でも暮らしやすい平屋の間取りを作ることはできます。
価格が抑えめな細長い土地を手に入れ、建物にお金をかけた家づくりをしてみてはいかがでしょうか。
今回は、南北に長い土地に建てた平屋の実例を元に、間取り作りのポイントを紹介します。
<コラムのポイント>
・南北に長い土地に建てた平屋の実例を紹介します。
・細長い土地を活かした間取り作りのコツを解説します。
【南北に長い土地】平屋の間取り図と実例写真
南北に長い土地に建てた平屋の間取り図と実例写真を紹介します。
今回紹介する敷地は方位が振れているため、実際の玄関の位置は北西を向いています点をご了承ください。
ただし、間口が7mしかない土地なので、南北に長い土地を検討している方にとっては、とても参考になると思います。
ぜひチェックしてみてくださいね。
まずは間取りの全体像です。
駐車スペース・玄関側が北西、寝室・ゲストルーム側が南東です。
こちらの間取りの特徴は、建物を3つのスペースに区切っている点です。
細長い建物の場合、使い方に合わせてスペースを区切った間取りを作ることが可能です。
3つに分かれたスペースの使い方を、実例写真を元に詳しく紹介します。
①開放的なスペース
玄関側以外の三方を建物に囲まれているため、玄関から中庭は開放感を出すことを意識して間取りづくりをしています。
外観はオープンタイプの駐車スペースを採用。
屋根がかかっているため、雨の日でも車の乗り降りがしやすいです。
また、車を停めないときは、庭代わりとしても活用できます。
駐車スペースを進むと、広々とした中庭と玄関ポーチがあります。
家に居ながらアウトドアが楽しめる贅沢な空間です。
壁に囲まれていますが、天井は吹き抜けにしているため開放感があります。
駐車スペースとつながる壁は開閉できる点もポイントです。
扉を開けておけば、より開放的にバーベキューなどを楽しむことができます。
大人が中庭で食事やお酒を楽しみ、子供達が駐車スペースで遊ぶなどの使い方もできますね。
道路沿いの開放的なスペースは、間口の狭さを感じさせないように外とのつながりを大切にした間取りを採用しました。
②来客スペース
中庭から玄関に入ると、高級感あふれる玄関がお出迎え。
建物の間口が取れないため、奥行きのある空間にして広く感じさせる工夫をしました。
リビングとの間を壁や扉で完全に仕切っていない点も、開放感を出すためのポイントです。
大容量の玄関収納の下に間接照明を採用し、足元を優しく照らす空間に仕上げました。
玄関横のリビングは、落ち着きと広さを感じることができるようにこだわりました。
天井高いっぱいに窓を配置していますが、北面の窓なので眩しくなりにくい点がポイントです。
時間や季節に関わらず優しい光が差し込むため、カーテンを閉める必要がありません。
間口の狭さを感じさせないように、テレビとテレビボードは壁掛けにして、スタイリッシュな空間に仕上げました。
横方向に空間を広げるには限界があるため、縦方向の空間を活かしてロフトを採用しています。
窓が高い位置にあるため、ロフトまで明るい光が届きます。
リビングとのつながりを感じられる落ち着く空間です。
キッチンは間口の狭さを考慮してL字型を採用しました。
ダイニングとキッチンを一体型にすることで、省スペースでも使いやすい間取りに。料理の配膳も楽々です。
料理中も食事中も中庭が見渡せるため、開放的な気分で暮らすことができます。
来客が来たときにはリビングでおもてなしでき、ダイニング・キッチンでホームパーティーも楽しめる、贅沢な空間が完成しました。
③プライベートスペース
ダイニング・キッチンから奥は、家族だけのプライベートスペースにつながります。
廊下の両側に部屋を作り、各空間への行き来がしやすいようにしました。
真っ白な扉なので圧迫感がなく、間接照明でおしゃれな雰囲気の廊下です。
ダイニング・キッチン寄りには、トイレ・洗面所・脱衣所を配置。
来客も使う洗面・トイレを手前側に配置しています。
脱衣所との間に扉を設けることで、プライバシーに配慮した間取りにしました。
洗面の反対側には、ファミリークローゼットを採用。
家族全員の洋服がしまえる広々とした空間です。
さらに奥へ進むと子供部屋へ続きます。
子供部屋はあえてコンパクトにして、なるべくリビングで過ごしてもらえるようにしました。
南面に接するため、窓からは明るい光が差し込む空間です。
建物の一番奥には寝室とゲストルームを配置しました。
寝室も南東側に配置したため明るく爽やかな空間に。
枕元の窓を高めに付けているため、冬場でも寒さが気になりません。
ゲストルームは来客時だけでなく、将来子供が増えたときや夫婦で寝室を分けたいとき、両親と同居するときなども活用できる利便性の高いフリースペースです。
建物の奥に進むにつれて、家族のプライベートスペースを配置できるようにこだわりました。
来客時でも、家族が自分時間を楽しめるように工夫した間取りです。
今回紹介した建物は実際にご見学いただけます。細長い土地に建てた平屋の間取りをぜひご体感くださいね。
南北に長い土地を活かして平屋の間取りを作るコツ
間取り作成の難易度が高い「南北に長い土地」を活かして、平屋を建てるコツを紹介します。
①日当たりが確保できる場所を明確にする
南北に長い土地は、間口いっぱいに建物を建てるケースが多いため、隣の建物と距離が近くなります。
すると、隣家が日差しを遮ってしまい、日当たりが確保しにくいです。
南面だからと大きな窓を付けても、目の前に建物が建っていては意味がありませんよね。
そこで、間取りを考える前に、日当たりを確保できそうな位置をチェックしましょう。
採光が確保できるのが北面しかなくても、大きな窓をつけることで明るい空間に仕上げることは可能です。
②隣の家の窓の位置を配慮する
間口が狭い土地の場合、隣家との距離が近くなることが多いです。
そのため、窓を開けたときに隣の家から丸見えになってしまうという失敗例も少なくありません。
間取りを作るときに、周辺の窓や庭の位置を考えることが大切です。
目線が気になりそうであれば、高い位置に窓を付けることで対策できるケースもあります。
こちらは隣家の庭と接するトイレですが、高い位置に窓を配置しているため目線が気になりません。
窓を少し左右にずらすだけでも目線が気にならなくなるケースもあります。
しっかりと周辺環境をチェックしてから間取りづくりをしてくださいね。
③建物の外周面に居室を配置する
南北に長い土地は、採光を確保することが難しいため、建物の外周面に居室を配置することが大切です。
今回紹介した建物でも、外周面に日当たりが欲しい子供部屋・寝室・水回りなどを配置しました。
長時間過ごすことが無い廊下を建物の真ん中に配置することで、各空間の日当たりを確保できています。
廊下はLDKや中庭からの光も届くため、そこまで暗くはなりません。
特に日当たりを良くしたい部屋は、角や南面に配置することをおすすめします。
ただし、隣家の状況などを考えて、窓の位置や大きさを考えることが大切です。
南面よりも東面・西面の方が日当たりが良ければ、優先的に居室を配置すると良いでしょう。
なるべく多くの空間に光が届くように間取りを考えてみてくださいね。
④縦の空間を活かした間取りづくりをする
南北に長い土地は建物の幅を取りにくいため、閉塞感のある間取りになりがちです。
しかし、縦の空間をうまく利用することで開放感を出すことができます。
具体的には、吹き抜けや勾配天井を採用して天井の高くする方法です。
さらに、高い位置に窓をつけることで、明るくて広く感じる空間を作ることができるでしょう。
一般的な天井高の場合は、内装を白系で統一してハイドアを採用することで、狭さや閉塞感を減らすことができます。
手軽に採用できる方法ですので、ぜひ取り入れてみてくださいね。
⑤中庭などを取り入れて外周面を増やす
中庭を取り入れることで、建物の凹凸ができて外周面を増やすことができます。
建物の形状にくぼみがあると、内側の空間にも窓を付けられるため光を取り込むことが可能です。
今回紹介した平屋では、洗濯物を外干しできる中庭を採用しています。
その結果、廊下に掃き出し窓をつけることができ、日差しを取り入れることができました。
また、中庭の内側に向けて窓を配置することで、プライバシーを保ちやすくなる点もメリットです。
浴室の窓を中庭に向ければ、外からの目線を気にせずに入浴を楽しむことができます。
このように、光を取り入れたい空間やプライバシーを保ちたい空間に中庭を採用し、窓を配置してください。
中庭でBBQやプールなどもできるため、利便性にも優れた空間として大活躍するでしょう。
⑥敷地を最大限に活かす
間口が狭い土地でも、使い方次第では敷地を有効利用できます。
今回紹介した建物は間口が7mしかない土地に建っていますが、敷地を無駄なく使えるように間取り作りをしました。
上の画像は、建物とブロックフェンスの間を玄関のアプローチとして使った事例です。
一般的には砕石敷きなどで仕上げて「ただの空間」にしがちですよね。
しかし、玄関ポーチを敷地ギリギリまで広げてアプローチとつなげることで、駐車スペースや中庭を通らずに玄関へ行けるようにしています。
このように、一般的には活用方法がないと思えても、間取り次第で意味のある空間にすることは可能です。
敷地を最大限に活かして、南北に長い土地でも狭さを感じさせないような工夫を取り入れてみてくださいね。
まとめ
南北に長い土地は、一般的に間取りが作りにくいと言われています。
間口が狭くなるため細長い建物を作らなければならないからです。
建物で周りが囲まれている場合は、日当たりや目線にも配慮しなければいけませんからね。
しかし、間取りの工夫次第では、オープンな空間とプライベートな空間を分けやすくなります。
周辺環境に配慮した間取りづくりをすれば、日当たりやプライバシーに配慮した平屋を建てることも可能です。
デザインだけでなく住み心地も考えて工事してくれる住宅会社を選び、敷地を活かした家づくりをしましょう。
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